オモコロ原宿編集長の日記

いきなり趣味というか全く研究に関係のない話からはじめようと思う。というのも今回このnoteを始めようと思ったきっかけを記しておかないとおそらく初心を忘れてまた書かなくなるだろうことは容易に想像できるためだ。

最近の研究の間の暇つぶしは、全く非生産的だがYouTubeで魚をさばく動画を見るかオモコロを巡回するしかない。(魚をさばく動画はこちらがおすすめ)オモコロは、いわゆるテキストサイトの運営だったひとたちがライターとして記事を書いているウェブメディアで、内容は端的に言ってくだらないものしかない。(最近読んで面白かったのはゼウスが神戸を観光する記事)ただ自分にとってはこのサイトがメンタルバロメータのかなりの部分を握っており、最近は課金して会員限定記事まで読むようになっている。

そこで特に面白いと思っているのが、オモコロ編集長原宿の編集長日記である。課金コンテンツなので内容には触れないが、とにかく目に留まるのが文章力の高さだ。「文章力の高さ」と書いたが、正直なところ日本語に自信のない私はなにをもってそういうのかは実際わからない。ただそれなりの文章量にも関わらずストレスなく読み進めることができるとともに、しっかりと日々の出来事に関して考察がなされている。表現はしにくいのだが、「インプットとアウトプットのバランスが非常によく保たれている」という印象を受けた。勝手な想像だが、漫才師しかり落語家しかり、しゃべりのうまさというのは日々の出来事に対してしっかりとアンテナを立てること(インプット)と、それを聴衆にかみ砕いて伝えることの(アウトプット)の両立によって成り立っていると思う。ウェブメディアの場合に「ウケ」をとることは、特に文章によってそのアウトプットを構築する能力が十分であることが要求されるだろう。その意味で原宿編集長の日記は、非常に興味深く読むことができた。(競馬のところはあんまりわかりません。すみません。)

初めに書いたこのnoteを始めたきっかけというのが、これである。人に何かを伝えるプロは、思うにニュースキャスターや作家などではなく「笑い」をとれる人ではないだろうか。なぜなら「笑い」までを届けるには受けて側の主観まで、その情報が到達しなくてはならない。そういった形で受け渡された情報量は、ただ事実のみを伝送する場合と比べて大きいことは間違いないと思う。私が初めて行った国際学会で同行していた助教から「アイスブレイクとして初めにジョークを言うといい」という難易度MAXのアドバイスをいただいたことがあるが、これはそういった意図なのだと思う。(プレゼン指南書などでは滑ったら最悪なのでやめましょうと書いてあったのでやったことはないが。)自分はさすがに「笑い」をとるような文章は書けないが、少なくとも読んでいる側の主観に触れられるような内容を今後伝えられるようになれば、もう少しマシな人生が送れると期待している。


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