しくしく

尊敬するおっさんが今年は冷房をつける日が遅いと言った。日記を見返して、毎年5月11日につけているそうだが、今年はまだつけていないそう。

日記をつけるとそんなことがわかるのかと思い、きょうから日記をつけようと思う。

自分が面白いと思えていないのに、面白い台本になるわけがない。そんな力がないからだ。

つまらんと言いながら面白いものを作る人に憧れるが、そのタイプではないことに30手前で気づいてしまった。自分が150面白いと思って、ようやく80くらいの面白さが伝わるタイプ。間違えてなくてよかったと思える前向きさを備えてくれた家族に感謝。

そういえばもうすぐ父親になる。父親と書いてみて、まだ自分の父親かウルトラの父しか思い浮かばない。こんな思いをさせてやりたい、こんな思いはさせたくない、とかあれこれ考えながら人は父親になるのかなと思う。
ただやっぱり、妻には元気でいてほしい。子供より何より健康なまま母になってほしい。母にならなくてもいいから生きていてほしいと思うのは、まだ父親の自覚が足りないからか。

尿酸値が9.1だった。初めて要治療と診断された。
会社の診療所に行くと、ビールは関係ないと言われた。体重が増えてないからおそらく遺伝だろうと思うけど、身内に痛風っぽい人いるかと聞かれた。真っ先に父親が浮かんだ。薬を飲めばどれだけ飲んでもいいのだという教えを受けて育ったものの、薬をもらうとやめられなくなると思い次の秋を待つと言って、患者という肩書きから逃れることにした。体質か、もしくはこの怠惰な性格か、一体どれが遺伝したかはわからない。

これから生まれる子供は自分の何かを受け継ぐ。何かは似てしまい、生きるか死ぬかを俺に預けることになる。
最高に楽しい家族にはしてあげるから、どうか2人ともお元気で。願うしかできないことが、男の弱みであり強みである。

そういえば、足の指の付け根がしくしくする。
それでも薬はもらわない。
君には何が遺伝するかしら。