遠田おと短編集 にくをはぐ (ジャンプコミックス) コミック – 2020/8/4遠田 おと (著) 感想

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絵もすごく巧いしこれだけの話を紡ぐ力があるのに
コミックスはまだこれ一作・・だと!?
(準備中なのかな)


テーマはやたらと重いエモーショナルを感じますが
性自認と狩猟&解体をうまくドッキングさせて
見えない・わかりにくい部分をヴィジュアルに表現することに成功してるんやわ☆彡

ワテも女性のカラダであることに多少の違和感はあるし(ないひといるの?)女たるもの・女らしくあるもの、と押し付けがましい圧力に不快と怒りすら感じることもあったけど
それは性転換したからといって解消されるものではないと思うんやよ><。

だからLGBTなどの人の苦しみは本当にはわからないし
でもそんなの個人個人が抱えてるものであってさ
じゃあアンタはわかるの全部?と逆ギレかましたくなるような。


それでもカラダにメスを入れてまで自認する性になりたい主人公の気持ちを代弁する作品です。
主人公の千秋は顔も極上美人の巨乳ちゃんで
だからこそ男からの欲望にさらされてきたことに苦しむ脳内男性。
幼少期から父に憧れ父のようなかっこいい男になりたい・と
一緒に狩猟に行きたがっていましたが父は許さず★
先立たれた最愛の妻に日一日と似てくる愛娘を無骨な愛情で育ててきたのですが・・・その気持ちのすれ違いぶりを切なくセンシティヴに描いています。ンゴ。

解体される獲物になぞらえて胸を切り取られ子宮を切除される千秋は神々しいまでに清々しく男前イケメンに。
ちょっと理想化美化しすぎかなあ?とも思うけれど
トランスに憧れる神話的な物語としては完成度がパネエ感じではありますなあ✨
同時に辛さやデメリットもバーターされるべきとも思うども
オトコを自認しながら自分の生理に絶望する千秋や
男手ひとつで娘の幸福だけを考えてきた父と娘の互いを思い合う姿に気持ちが動かされまくって・もう!


生き辛さは誰にでもあるとおもうし
だけど自分で決めたことに不平をいう人はいないもんね・と
誰しも自己決定権を奪うことはあかんのかなあ・・・
(先に泥沼・地獄が見えてても?)


(ゲイバーの)もちぎさんとの特別対談や個性的な短編もめぐらされクオリティの高い一冊でした。圧倒!

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