レパードSの答え、教えます

レパードSってどんなレース?


 レパードSが行われる新潟ダート1800mは、末脚の威力が求められる芝の印象とは真逆で、急コーナーと短い直線での持続力というダートらしい適性が問われるコースとなっている。

 新潟ダートは3、4コーナーが急カーブであること、直線が短く平坦であることから内前有利が顕著なコースである。過去のレパードSを見ても、4角の位置どりを5番手以内で収めた馬が多く馬券を占めていることがわかる。これはコースの形態だけが理由ではなく、レース展開も内前有利を発生させている。前が止まりづらくなることから、ペースが流れやすいため向正面でのまくりが難しく、また3、4コーナーの急カーブで速度をあげてまくろうとすると大きく外にふられてしまい捲りが難しく、後方の馬が位置を押し上げるタイミングがなく直線だけでは届かないという事態が起きやすい。また、ホームストレッチの距離がある程度長いから外枠の馬でも前に位置どりやすくなっている。

過去のレパードSを見ても、後半で1番ラップタイムが落ちるのがコーナー突入の3F目で、本来位置を押し上げるためにペースが早くなりやすいところが、急カーブによりむしろ息が入るタイミングになってしまっている。これではロスなく運んだ馬を短い直線で捕え切ることは難しく、前の馬で決まってしまう。


過去のレパードSラップタイム。1400m地点でラップが緩んでいることがわかる


 レパードSは早いタイムが記録されやすくも前が残りやすいレースであるが、もちろん例外もある。

昨年の結果を見ると、初角を5番手以内で通過した馬の最高着順が8着という明確な差し追い込み決着となった。


初角を控えた馬で上位を独占し着順が大きく開く典型的な前つぶれレース

ここまでの前崩れではないものの、ハヤヤッコが勝利した2019年も例外的に差し決着となっており、どちらも1000mの通過タイムが60秒台前半と、ダートとしてはかなりのハイペースになった年では差しも決まるということがわかる。


2019年レパードS

 これらのことから力のない馬がただ内前を取ったからといって上位を取れるわけではないということがわかり、基本良馬場でも早い時計を求められることからタフな条件になりすくその適性も問われる。

 どのようなレース展開になったとしても、コース形態上タフな良馬場適性とハイペース適性、コーナリング性能がレパードSには必要である

 2023レパードS

 さて、今年のレパードSを見ると抽選突破の出走馬が多く存在しなんとも読みにくいレースだと感じる。しかし抽選で逃げ馬候補が何頭か漏れたことから予測されいたよりは落ち着いたペースになると想定される。しかし人気の一頭であるエクロジャイトは逃げ宣言をしており、執拗なマークが起きるようならハイペースにもなり得る。

10、11が1勝クラス以上での逃げ実績あり

 他逃げ候補の10パクスオトマニカは初ダートということで、厩舎側も緩さの解消がテーマと言っているあたり、無理をしてハナを主張したりせずダート特有の揉まれたり砂を被ることに抵抗があるかを試すくらいの考えだと信じたい。
 11は前走控えての勝利は収穫で比較的外目の枠順になったこともあり絶対逃げとはないのではないか。

 しかしどうしてもハイペースになりやすいこともあり展開は予想しづらい。わからないときは両構え。ある程度のミドルでも前が潰れるハイペースでも、内を立ち回ることが重要であることに違いはない。タフな良馬場に適性があって流れたペースに強く砂被りが問題ない内枠の馬を本命にしたい。

 本命は3クレメダンジュ。関東オークス2着からの出走。前走は勝ち馬に劣ったものの、相手はユニコーンS3着のブライアンセンスに完勝しているバライバトルマリンであり、十分に強い内容であった。タフな地方の馬場でスタミナを見せたのもよいし、砂かぶっても問題ないレース運びをしていた。

 評価したいのは前々走の1勝クラスの内容。流れたペースを内で追走し差し切る、適性を見せた勝利。瞬発力に難があるものの、ある程度の早いペースは約束されている以上早い上がりを求められる展開にはならないと考えられ、問題なし。先行力に少し不安も良馬場では2戦2勝とタフな条件に適性があり今回のレースにピッタリの一頭。本命はクレメダンジュ


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