【2023天皇賞秋予想】 なぜディープインパクト産駒は世界を統べるのか

はじめに

 ごきげんよう、馬券購入者の皆様。天皇賞秋がやってきましたね。固め決着のG1が続く中、いかがお過ごしでしょうか。
 今回はスプリンターズ Sの時にも行った、斤量面から現代競馬を考えるということをこの天皇賞秋でもやっていきたかったのですが、まさかの最軽量スターズオンアースが回避。なんと全頭同斤量ということになりました。ええ、どうしましょうか、本命予定の馬がいなくなってしまいました。逆に考えましょう。予想を斤量という一側面のみで行おうとしていたのは危険、フラットな視点で予想を行えると。
 では、今回のテーマはディープインパクト産駒必勝法です。


予想

 元々書こうと思っていた内容がボツになってしまったため、今回は早速予想から入りたい。今回は必ず買う馬を2頭挙げていく形を取りたいと思う。
 
 まず一頭目はプログノーシス。至る所で危険な人気馬として取り扱われているであろうディープインパクト産駒の5歳。上位2頭が抜けている存在だけに3番手評価のこの馬が嫌われるのは当然かと思うが、ここは狙い目と見て今回この馬を本命としたい。 

プログノーシス振り返り

 デビュー戦を難なく突破して臨んだ毎日杯は敗れたものの、レコード決着を3着と健闘。その後条件戦を3連勝でオープン入り。その間すべてが舞台を問わず上がり最速と、後半数値に優れた面を見せた。
 オープン入り後2戦はまさかの苦戦。脚質が一辺倒なこともあり前を捉えきれずリステッドでは2着。初の古馬重賞である中日新聞杯では散々語られている通りのとんでもない競馬で4着。皆までは言わない。
 休養明けの金鯱賞では開幕週でかつスローペースの中を後ろから差し切る余裕の競馬。決め手が光ったレース内容。メンバーレベルに疑問も、数字としてはかなり評価できるものであった。
 初のG1挑戦となったクイーンエリザベス2世カップは、前半4Fが52秒という日本では新馬戦でも見られないであろうスローペースで進み、その中を後方で追走する形になり直線でもスムーズに進路が確保できずそれでも2着。間違いなくG1でも通用する馬だと判断できる一戦であった。
 休み明け初戦の札幌記念は特殊なレースで、かなりの道悪にハイペースと、捲りや外差しがハマる適性面が非常に重要な一戦となった。直線の切れ味が武器の当馬には厳しいかと思いきや道中荒れた内をもろともせずポジションを押し上げ、2着には4馬身、3着には7馬身の差をつける圧巻の競馬を見せた。展開面には恵まれた形。適性は母方の重めの欧州血統が味方したか。

プログノーシスの懸念点とは?

 イクイノックスにドウデュースの出走と、とてつもないメンバーレベルの中、プログノーシスには不安材料がある。それは高速決着への対応ともうひとつ、ディープインパクト産駒であることだ。

 前走の札幌記念を勝利したことで生まれた不安、それはプログノーシスの適性が高速馬場ではなく道悪巧者なのではないかというものである。
 確かに重い馬場で非凡さを見せる馬に高速決着は合わない印象を受ける。実際プログノーシスの持ち時計はメンバーの中でも遅いほうであるし、血統背景もディープインパクトに欧州血統と重めの血筋。半姉には欧州のG1勝利馬。切れ味はあっても、あまりにも早い時計の前には屈するのではないかと。

 しかし、これにはNOを突きつけたい。間違いなくプログノーシスは早い時計にも対応できる。少し理屈っぽくはなるが、当馬が走ってきたレースの半分は非重賞、超高速馬場でもない限り時計が早く出るレース質にはならない。時計が早く出た毎日杯はキャリア2戦目のもの。体質の関係から完成していなかった時のものでレコード決着に対応しているのだからむしろ高評価できる内容。
 古馬になってからの重賞はすべてが重賞としてはかなりのスローペース、ロングスパート戦にすらなっていない。また、前走は道悪の洋芝とそもそも時計の出る条件で走っておらず、時計面が原因で遅れを取ったことはない。
 であればレースのラップを見て、この馬のスピード能力を判断したい。

 この馬のレースで1番注目したいのが3勝クラスの京橋Sの走り。一見何の変哲もないレースに見えるが注目したいのが上がり3Fの数字。上がりタイム33.1秒とあるが、これはとてつもない数値。阪神芝2000mで行われたレースで、上がり3Fを33.1秒以下を記録して勝利した馬はこの馬とオルフェーヴルのみ。長い歴史を見てもトップクラスの後半数値。それでもこの馬の主戦場は小回りではなく直線競馬。これを見てだれがプログノーシスのスピード能力を疑うのか。この記録を有しているオルフェーヴルも道悪巧者ながら高速決着になんら不安のなかった馬。プログノーシス=オルフェーヴル説を提唱していきたい。後半数値が優れている馬はどんな競馬にも対応できるが私の持論だ。今回ジャックドールという逃げ馬がいるが、それでもやはり求められるのは後半のスピードだろう。長く脚を使わなくてはいけない展開になればこの馬のスタミナはプラスに働くだろう。 

ディープインパクト産駒は秋天と相性悪?

 もうひとつの不安点としてディープインパクト産駒が秋天と相性が悪いということだろう。斤量面で有利な牝馬を含めず、ディープインパクト産駒の牡馬の秋天成績は1-6-1-40。勝率2%、複勝率も15%ほど。まずまずの不安材料である。
 なんとかならないだろうか、馬券内に好走した馬を見ていこうと思う。
 直近から振り返っていくと2021年コントレイル2着、2020年フィエールマン2着、2019年ダノンプレミアム2着、2018年サングレーサー2着、2016年リアルスティール2着、同年ステファノス3着、2015年ステファノス2着、2014年スピルバーグ1着。コントレイルやフィエールマンでも2着までと、好走はすれど2着までが続く。それでもと言い続けたい。
 この8頭中、ダノンプレミアム以外の7頭が上がり最速という内容。つまり、上がり最速の脚を使っていないディープインパクト産駒は、ダノンプレミアム以外すべて馬券外ということ。なんと極端な。今年どこかに後半数値に優れたディープインパクト産駒がいないものか。
 また、ディープ産駒牡馬TOP2といえるコントレイルとフィエールマンは当時の勝ち馬が斤量56kg。ここ数年の秋天は軽斤量の有利が絶大で、必ず2頭は馬券に絡むという事態に。上がり最速の脚を使っても届かない結果に陥っている。
 では今年はどうか。そう、なんと全頭が斤量58kg。上がり最速を使えるディープインパクト産駒がもしいれば、もしかして勝っちゃうのではないか。
 
 というわけで、本命は上がりを使えるディープインパクト産駒。天敵は無し、視界良好

予想2 

 もう一頭、絶対に買う馬はジャスティンパレス。春になって完全覚醒、ディープインパクト産駒最後の怪物を指名したい。

ジャスティンパレス振り返り

 デビューから2連勝してホープフルS2着と、高額馬らしいよい結果を残せていた2歳時。しかし春のクラシック2戦は凡走。後方で進路カットが発生する不利は仕方がないものの、前目につけられない不器用さが目立った。
 しかし夏を経て挑んだ神戸新聞杯ではすんなり先行して他馬を突き放す強い競馬。わかりやすいくらいに成長していた。次の菊花賞では前につけた馬に厳しい展開のなか、直線でもロスがありつつ3着好走。有馬記念では先行が仇となり7着敗戦。
 4歳になり大幅体重増量。完全に完成を迎えた。阪神大賞典では直線不利がありながら上がり最速の脚で有馬記念2着のボルドグフーシュを完封して1着。続く天皇賞春でも上がり最速で1着と完全に覚醒。一気の距離短縮で臨んだ宝塚記念は外差し優位な展開のなか後方外からじわじわ脚を伸ばして3着好走。
 天皇賞春秋連覇を目指し今回。強メンバー相手にどこまでやれるか。

ジャスティンパレスはステイヤーではない‼️

 ジャスティンパレスを語る上でやはり重要なのは長距離重賞での好成績。強い勝ち方を見せたこともありステイヤーだと。ならばマイラー気質の馬が好走する天皇賞秋では難しいと。私は違うと言いたい。ジャスティンパレスは歴とした中距離馬であると。
 強調したいのはまず、阪神大賞典のはしり。かなり緩く流れたこのレースではロングスパートが要求された。その中でジャスティンパレスが後半1000mで刻んだ11.9 - 11.6 - 11.4 - 11.3 - 11.7という数字は破格。直線では内で前が壁になり追い出しの際ブレーキを踏む形になりながら上がり最速。ただのジリ脚ステイヤーであれば不可能な瞬発力を見せた。求められる後半数値をクリアできる素質は十分にあり、ただのステイヤーだと思われている今が買い時なのではないか。
 前走宝塚記念は外差し決着が向いた中での3着で、イクイノックスとは離されたが、そもそもこの馬の好走パターンは先行抜け出し。コーナー通過5番手以内の成績は5-0-1-1とこちらが本領。
 4走連続で長距離重賞を走っていた馬がいきなりハイペースになったレースに放り込まれてすんなり先行できるわけがなく、むしろ昔の凡走パターンだった差し競馬でもまずまずの結果を残せたのは高評価だろう。鞭も落としたし、コーナーでごたついて差をつけられたのに0.2秒差。コーナーが緩くなり、先行も期待できる今回巻き返しに期待。

ディープインパクト産駒の上がり最速データ?私はデータ派ではありませんので……

最後に

 ここまでご覧いただきありがとうございました。ジャスティンパレス、いいですよね……最後にデータを無視しましたが実はオカルトというかジャスティンパレスにはデータクラッシャーな一面がありまして。
 春天の過去10年の勝ち馬は菊花賞連対馬のみなんですね。その中で菊花賞3着ながら優勝したり、ディープインパクト産駒牡馬の好走が1頭しかいない宝塚記念で3着になっていたりとすごい馬なんです。君はイクイノックスに勝てる。
 ではまた来週よろしくお願いします。


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