学祭謎解きとカルチャーショック

どうもこんばんは、ちろるです。私は今日いもけんぴ。に誘われて某静岡県立の大学の謎解きに行ってきたのですが、そこでの事があまりに私にとってショックというか、カルチャーショックというか、心の中にモヤモヤが残ったままだったのでこうして文にしたいと思います。

*イベントの概要
我々はCIAエージェント。敵対組織のTRGに機密情報を盗まれてしまったため敵のアジトに乗り込み(ここの描写はハッキリされていたとは言えない?劇中でやっただけで最初に配られる文面には書いていない)各部屋のロックを解除してデータを奪還するというもの。
優勝賞金は2万円、制限時間は60分。
始まった時はストーリー自体は悪くないなと印象を受けた。まあよくあるといえばよくあるがシンプル故に分かりやすい、やる事がハッキリしている(ここではデータの奪還)からだ。
だがそれもここまでだった。

*事件発生
最初に渡される封筒に小謎を埋める解答用紙、会場の座席表、意味深に文字がたくさん書いてある紙が渡された。そしてまず会場に貼ってある8問の問題を解く、というものだったのだがここで問題が発生する。
なんとナゾトレ本の丸パクリ問題が掲載されていたのだ。(○数字、□漢字みたいなやつ 分かる人は分かるかな)
あまりにも見たことがある問題だったので一瞬目を疑ったが、取り敢えずゲームを進めることに。ただしもうこのパクリをしている時点で不信感は上がってきていた。
その後けんぴと4問ずつ解いて合流するがここでも問題が。なんともう一問パクリ問題があった(これは少しストーリーに合わせて正解以外の選択肢が改造してあった)との事。そしてその問題、答えが一意解では無かった、恐らく上記の改造の際によく分からないまま適当に他の選択肢を作ったためバグが生じたのだろう。他の問題でもバグってたのあったし。まあここら辺の詳細画像を見たい人はラインかDMを飛ばして欲しい。
そんなこんなあって問題を解いて解答欄を埋めたのだが、その解答用紙には次の指示がない。
解答欄がいくつか太線になっており、ああこれを使うんだろうなと思いながらアナグラムなど色々試してはみるが全く意味が分からなかった。最初に言われたのは「解除キーの数字を求める事」だけで、解答欄を埋めた後の指示が全く無かったのである。問題を解けば何桁かも分かるよ、とスタッフには言われたがそもそも次の指示がないのでどうしようもない、要はメタるしか手段がなかった。謎クラに分かりやすく言うとしたら小謎から大謎?中謎?それすらも分からないが次のステップへの導線がゼロだったのである。2人でウンウン唸りながらいろいろ考えて試してみるものの鍵は開かず、完全にお手上げ状態のままゲームは終了した。

*解説でキレるちろる
そんなこんなで消化不良のままゲームは終了した。この時はまだもしかしたら自分が気付いてない、見落としてる事があるだけかもと思っていた。
そうして解説が始まるが、もう正直この時は苛立ちしか無かった。小謎の解説をすると上がる歓声、それ作ったの彼らじゃないですよと思う私。そして問題の子謎から次のステップへの行き方だが、結論から言えば完全に「は?????」という感じだった。ポプテピ風に言うなら「いやそうはならんやろ」だ。
詳しく言うと長くなるので簡単に言うと、小謎マス埋める(分かる)→太枠に注目する(分かる)→配られた文字がいっぱい書いてある紙から同じ文字を見つける(分からなくはないが文字が複数あり、どれでもいいというとは意味が分からなかった なんで?そこから文字を探せなんて一言も書いてないよね?)→座席表と重ねてそこを突き破る、破れたところが正解の番号(??????????なんで重ねるの?しかもそれ上下が決まらないよね?一意解ではないよね?しかもなんで突き破るの??)
(文字の紙にはピストルの絵が書いてあり、それで撃ち抜くを意味していたらしいがそもそもそれと同じピストルの跡が子謎で使われててそれでは撃ち抜くなんて方法を全く使わなかった)
解説が終わった後に残ったのは怒りと憤りだけだった。辛いと思った謎解きはこれが初めてだった。

*嫌だったこと
なぜ怒っていた、憤っていたのか、理由は大きく分けて4つある。
⑴問題丸パクリ
⑵導線がない
⑶イベント運営者に著作権の概念がない
⑷皆が解くのを諦めるようなイベント

⑴問題丸パクリ、⑷著作権の概念がない
流石に運営に注意した方がいい、ということで言ったのだがそこで更に衝撃を受ける。パクリは2問だけだと思っていたがなんとほぼ全部パクリとの事。それだけでもビックリするのだが、私がとてもショック(カルチャーショック?)を受けたのが、その運営が全く悪びれていない事だった。というか、完全に悪い事だと思っていなかった。ほぼ全部パクリました、と元気に笑顔で言ったのである。これにはもう何も言えなかった。いくら無料とは言えやっていいことと悪いことの区別がつかないのか、しかも大学生が。ショックしかなかった。
私は趣味で絵を描いている。絵描きの中でも「無断転載」は大きな問題となっており、著作権を理解していない中学生や分かっていても無断転載する人が後を絶たない。私は、そういう人はある程度悪意があるのかな、と思っていたのだが全く違った。それを目の当たりにして強いショックを受けた。
彼らにとってパクリや無断転載は「悪い事ではない」のである。そこに悪意は存在しない。
正直、何故運営がそうやって快活に返事をしたのか今でも私は分からない。分からないというよりは理解が出来ない。
これが小学生とか中学生ならまだ分かる(いやダメではあるけども)。だが相手はれっきとした大学生なのだ。
私が作った問題ではないが、アナビや他の人が必死に頭をひねって考えた問題を人のものと分かっていて使っているのには本当にただただ怒りしか感じなかった。
あと「県大の人は皆著作権とかそういうとこ緩いんだ〜へ〜」と思ってしまう。1人の行動が全体に印象付けてしまう事は自覚するべきである。

⑵導線がない
優勝賞金は2万円と大きいため、きっと彼らも難しくしようとしたんだと思う。その気持ちは分からないでもない。
ただし謎クラの人ならわかると思うが「難しくする=導線をなくす」ではない。導線がない謎は難しいのではなく理不尽なのである。(上海型とかただ脱出ことが目的のルームとかならまだしも)
結果誰も解けない問題が出来上がってしまった。これは謎として成立していないのではないか。

⑶皆が解くのを諦めるようなイベント
私は基本、最後の1秒まで足掻くタイプである。どんなに絶望的でもなにかないかと必死に脳を働かせ、終わるまでは絶対に諦めない。
しかし今回はもうラスト10分あたりから半ば考えるのを諦めていた。考えても無駄だと思ってしまった。
周りを見てみるとみんな椅子に座って喋ったりしている。謎をしっかり解こうとしている人は極少数だった。
何が嫌かって、好きな筈の謎解きにおいてもう帰りたいと思ってしまったこと、また謎解きにあまり触れたことがない人が謎は難しく、解けなくて当たり前だと思ってしまうことだ。
願わくばこれに懲りずしっかりした謎解きイベントに参加者がいってくれればな、と思う。

*最後に
今まで学園祭で行われている謎解きに行ったことが無いわけではない。ただ、それらはどれも「しっかりしていた」のである。ちゃんとオリジナルの問題で、構成もデザインも練ってある。だからこそ私は今回とてもショックだった。
謎解きイベントをやめろとは言わない。寧ろ謎解きを広めてくれるのは謎解き界にとってはいいことだと思う、がやっていい事とダメなことはある。そこはちゃんと分かって欲しいと思った。それにいくら無料でも人前に出すものにはそれなりに気を使うことは必要ではないか、思う。デバッグなり謎制作者に意見をもらうなりするべきであると思う、ので次回もしあるのであれば是非その点は覚えておいて欲しい。

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