本を読むなら、紙か電子か音声か?


平均して、2日に一冊は紙の本を読んでいる。Kindleを入れているし、以前は専用端末も持っていた(今はスマホで見ている)。
オーディブルも体験済みで、少し前はYoutubeで本要約を聞き流しながら散歩するのを日課としていた。
いち本読みとして、このテーマを論じたい。ちなみに今の私は、どちらかといえば紙派である。

読書活動を、下記三つに分けて、紙と電子と音声の、2024年時点での比較と個人的な優劣を付けたい
①探す・選ぶフェーズ
②読むフェーズ
③記録・管理フェーズ
その前の前提条件、事実として、ボリューム的に比較するならば、一部同人誌を含めた個人出版などを除けば、未だに紙>電子>音声である。

①探す・選ぶフェーズ


ここで言う「探す」とは、読みたい本が明確になっている場合で、「選ぶ」とは、そうでない場合と定義する。
本を探す場合、サイト内で検索できる電子が圧倒的であり、次に音声に軍配が上がる。
ただし、選ぶ場合、紙に圧倒的なアドバンテージがあると思う。
電子書籍サイトのレコメンデーション技術は素晴らしい、今世間で売れている本や、自分の興味に合致した本を、非常に高い精度で提案してくれる。
それが良くない。乱読を趣味としている私のような人種は、読みたい本を見つけるところから読書は始まるからである。
偶然の発見には、やはり紙が一番である。より具体的には、本屋なり図書館なりのアナログな空間に足を運び、歩き回るのが良い。さらに紙の場合、手に取り、任意の箇所を即座にめくり、それをスムースに繰り返せるのが良い。
現状電子ではそうはいかない。選べる本の候補が常に一定で、中を見るのにラグと制限がかかる。

②読むフェーズ

ハード的な面で考えると、電子に軍配が上がる。
電子の場合、軽くて常に持ち運べ、片手に収まる。
音声の場合、手すら使わない。
紙の場合、文庫であれば重さはそれほど気にならないが、片手で読むのは至難である。しかしながら、紙をめくる物理的な動作や、音が好きだという人がいるのかもしれない。

ソフト的な面で考えても、電子に軍配が上がる。
電子の場合、文字の大きさ、色合い、フォントなどを自由に変更できる。これは、目の悪いお年寄りにも優しい。ついでに、暗い場所でもそのまま読める。

紙の場合、デフォルトのまま何も変えられない。強いて利点を上げるなら、目への疲労が少ないことくらいだが、それはどちらかといえばハードの利点である。
音声は、そもそも情報の形態が違うため、比較できない。音声であることそのものが利点であり欠点でもある。

しかし、私は紙の方が好きである。
紙の本は硬くて重く(場合によっては大きく)そうでなければ繊細で脆く、両手が塞がり、読む以外の用途がほぼない(枕や踏み台といった冒涜的な使い方は例外として)だか、その不便さこそが、読書に集中させてくれるからである。

電子は便利過ぎる。読むのにストレスがないから、過度に脱力してしまう。その上スマホで見ていれば、すぐ他の情報媒体に切り替えられてしまう。これは好き嫌いや意志の強さの問題ではなく、水が低きに流れるような自然なことである。

その点では、音声は更にストレスフリーである。手も目も使わない。それでいて、散歩など、ながら聞きに特化している{あるいは割り切っている)個人的には、歩きながらの聞き流しは非常に良い思っている。集中でき、記憶に残りやすく、アイデアが浮かびやすい、それでいて、手も目も疲れない。メインスタイルにならないのは、ただ紙の比率が大きすぎるのと、まだ音声が充実していないからである。

③記録・管理フェーズ


本を読んでいる間のメモや、読み終わった後の感想、要約、また、何を読んだかそのものの読書議論などをつける場合、やはり電子の方が良い。
読みながら、1文字単位でハイライトし、ブックマークし、本文には不可侵のメモをいくらでも残すことができる。しかもいずれも片手で。
購入の段階で日付も詳細も記録に残る。端末を開けばいつでも一覧でき、どこでも、何でも見返せる。
紙の本でメモを取る場合。まず、本そのものに書く場合、どうしても本を汚すことになる。良くも悪くも手書きになる。書く分量も限られる。角を折ると更に書く場所が減る、付箋を使うと嵩張る。
別の媒体にメモをする場合。手書きのノートだと、本とノートとペンが必要になる。何よりも、机が必要になる。集中はできそうであるが、不自由である。
私はスマホにメモをするようにしている。具体的には、両手で文庫を開き、スマホは「MOFT」という特殊なアタッチメントをつけて、片手で保持している。(画像参照)

電車内でこのスタイル
裏側、MOFTによる保持

これであれば、紙の本を読むのに集中しつつ、デジタルの利点を活かしたメモも取れる。
それなら最初から電子書籍で良いのでは? と、思われそうだが、その通りである。しかしながら、私はケチであり、基本的に本の取得元が図書館かBOOKOFFの100円コーナーであるため、アナログにならざるを得ない。
アナログな方法で選んだ本を、全て電子で揃えるような資金力があれば、良いのであるが。
ちなみにスマホのメモにはnotionを使っている。notionを使ったメモ術については後々別の記事を書くかもしれない。

音声の場合。自動的な記録と読書後の振り返りは別としても、文章そのものに対するメモには向いてないのかもしれない。ただし、紙の本へのメモスタイルと同じように、聞き流しながら、別媒体へのメモならできる。現にそうしてきた。この場合の読書スタイルは乱読が向いている。メモについても、書いてあることよりも、考えたこと優勢になるだろう。
これは個人的にとても合っている。目が疲れない分、電子よりも良い。

まとめ

紙→量が多く、安価に手に入りやすい。不便であるが故に、読書に集中しやすい。しかし、記録には別の媒体が必要になる。

電子→ハード面では、軽く、小さく片手で扱える。ソフト面では、文字の大きさやフォントなどを自由に調整できる。暗い場所でも読める。容量の許す限り、一度に多くの本を持ち運べる。記録やメモも端末内で完結できる。総じて便利でストレスフリーである。

音声→他とは異なる読書体験となる。両手がと目がフリーとなる。集中しやすく、記憶に残りやすく、アイデアも出やすい。ただし、メモには他の媒体を必要とする。現状まだ黎明期であり、コンテンツの量が限られる。

時間と体力的な余裕があり、古いスタイルを好むのなら、紙で読む。資金力があり、利便性を取るなら電子で読む。乱読のスタイルで、最も合理的なのは音声である。

結局目的と好みに寄るとしか言えないが、個人的には、電子を併用しつつ、メインは紙を続けると思う。そして、コンテンツが充実してきたら、音声に移行する。今の生成AIの技術に期待している。全ての本が電子的にアーカイブ化され、海外の本も日本語として読み上げできるようになれば、本の幅は一気に広がると思う。
しかし、小説は読まない。今売れている本も読まない。私の望む音声化は、気長に待つことになりそうである

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