家庭料理とかいう、ただの極めて高度な知的作業群


前提とされる知識

・基礎的な栄養学
・古今東西の献立
・食材の種類、価格相場

前提とされる能力

・基礎的な調理能力
・調理器具の使い方
・安全管理、衛生管理
・食材の処理

①企画・立案

・大前提として、栄養を確保することを優先する。
・和食、洋食、中華、その他コンセプトを決める。
・クライアント(家族)のニーズ(体調、生活サイクル、活動量)やウォンツ(好き嫌い)を把握する。
・その際、種類、量、コスト(金と時間)の概算も行う。
・さらに、これまでの食事内容や、予定(家族各々の昼ごはん)、季節、気温、天候なども考慮する。

内部の制約条件

・予算
・食物アレルギー
・在庫(食材の余り)
・資源(調味料、出汁など)
・設備(調理器具など)

外部の制約条件

・仕入れ先(スーパー、専門店)
・・その開店時間やストック
・移動方法(徒歩、自転車、車、公共交通機関)

②調達

献立を決めたら、買い出しのルート、店内のルートを決定する。その際、仕入れ先ごとの個別の状況も勘案する(安売り、タイムセール、数量限定など)

買い物中は買い物額の小計を出しつつ、場合によっては買い物計画に適宜修正を行う(予想外の安売りの食材があった。欲しかったものが売り切れていたなど)

同時に、今後のための資源(ストックしておく調味料、嗜好品類)も調達するか、意思決定を迅速に行う。

③準備

買い出しが終わったら、食材をそれぞれ適した方法で保存・保管する(常温、冷暗所、冷蔵、冷凍、野菜室。そのまま、カット、専用の容器に移し替えるなど)

出来上がり時間から逆算し、調理への準備を進める。(下味、出汁取りなど)

④実行

予定時間までに献立を完成させる。必然的にマルチタスクが要求される。

完成までの時間という絶対的な時間と同時に、料理ごとの相対時間も考慮する(火が入るまでの焼き時間、柔らかくなるまで、あるいは味が染みる煮込み時間など)

常に限られたスペース(まな板)、調理器具(包丁、鍋、コンロ、オーブン、レンジ)での作業を求められる。実行者は基本一人であるため、順序よくこなす必要がある。

火や刃物を扱うために、自他の安全確保が常に求められる。さらに焦げや食中毒のリスクにも対処する。

作成途中の料理に対しては、視覚、聴覚のみならず、特に味覚、嗅覚、触覚を動員し、完成度を評価する。味付けに関しては、感覚を研ぎ澄ませた微修正の繰り返しである。場合によっては、クライアント(家族)からのフィードバックも得る。

⑤実食

完成した料理を適切に盛り付け、配分する。この際、視覚的センスも求められる。

食事自体は数分で終わるのに対し、直感的に下された評価は、場合によっては、良くも悪くも今後恒久に響く。

基本的に感謝はされず、報酬もない。

問答無用で残業(後片付け、余り物の保存、環境整備(調理器具、食器のの片付けなど)がある。

⑥終わりに

主婦は凄い

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