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迷っていい、大切なものを見つけるためなら


ツバメとアゲハとクワガタ

7月5日、水曜日、正午、曇天で比較的涼しい。
スマホの機種変更を終えたら、閉店した木造二階建て店舗出入口の庇にツバメの巣を発見した。
親が餌取りに巣を飛び立った隙に、新しいスマホで雛を撮影した。
6月30日から放送開始されたテレビアニメBanGDream!It's MyGO!!!!!第1話で主人公”高松 燈”がツバメの雛に見とれていたシーンがあるが、それに触発されたわけではない。
私は単純に好きだから撮っただけである。
前の機種でもツバメが飛ぶ写真は撮影したことがある。

ツバメ

9月18日、月曜日、昼2時過ぎ、晴天で暑い。
私は通販料金支払いのため、自宅付近のコンビニに向かっていたところ、歩道の街路樹にアゲハチョウが舞っているのを発見する。
私はかねてからアゲハチョウを写真撮影したいと思ってきたが、今まで一度も撮影に成功したことがなかった。
いつも、スマホを構えた時遅しで、アゲハチョウは天高く飛び去っていたからだ。
今回も期待はしてなかったが、アゲハチョウは、やけに歩道の敷石の周辺から離れないように低空飛行しているので好都合である。
スマホの画面にアゲハチョウを映し出してズームしつつ、シャッターを切った。
生まれて初めてアゲハチョウの撮影に成功した。
アゲハチョウをよく観察すると敷石の隙間に口先?を突っ込んでいる。
最近降った雨は歩道の敷石の表面からは蒸発してしまったが、敷石と敷石の隙間には水分が残っているのだろう。
人間と同じように喉が乾くので飛び去る気にはならなかったのかも知れない。
9月15日に放送されたIt's MyGO!!!!!最終話に感動した余韻が覚めやらぬ最中の出来事だった。

アゲハチョウ

9月20日、水曜日、夕方4時頃、曇天で蒸し暑い。
私は、食料品の買い物を終えて病院や雑貨屋が並ぶ路地を歩いて帰宅中、店舗の駐車場のコンクリートブロック上に仰向けになって死んでいる巨大ゴキブリ?を発見した。
最近、蒸し暑い上に雨が降ったり止んだり雷まで鳴って厳しい気象条件だったから、さすがのゴキブリでも生きづらいのだろうと立ち止まってよく見たら、何と立派なオオクワガタ(オス)だった。
指で腹を突いたら足を巻き付けてきた。
近くに子供もいないので、誰かのペットでもなさそうだった。
何より、『捕まえた!』って気持ちが込み上げた私は、そのまま右手でつかんで家に連れて帰ることにする。
しかし、左手の買い物袋にはオオクワガタが食べられそうなものはないし、自宅にも果物はない。
砂糖水で良いかとも思ったが、猫の世話もあるので飼うのは諦めた。
幸い、帰路には公園があるので、そこの楓か何かの一本に放してきた。
この木が気に入らなければ、羽ばたいて他のに飛び移ってくれと念じておいた。

クワガタ

いかにも"燈"が関心を寄せそうな事象が、偶然立て続けに、私の身の回りで起こったものの、アニメで”燈”に触発されて、ツバメやアゲハチョウやオオクワガタに近寄ったのではない。
元々、それらが単に好きなだけで、自分を振り返ってみたら、”燈”と似たところがあるかも知れないと思ったのだ。
とはいえ、“燈”の豊かな感性の一端を感じた気になり、自分の脳裏に“燈”の詩が深く刻まれた気がしたのは悪くなかった。

「迷子」から励まされた理由


私にとってIt's MyGO !!!!!は今期最高のアニメだったが、ネットの情報によると放送開始前の下馬評は最低で全く期待されていなかったらしい。
確かに、同期のアニメや従来のバンドリシリーズと比べると最初から「バンド崩壊」といった深刻なシーンで始まるなど、辛口で取りつきにくい気がする。
しかし、反面、同期のアニメや従来のバンドリシリーズが取りこぼしてきたファンを確実に射止める内容とも言える。
ポピパを始め従来のバンドも登場するがあくまでも黒子であり、従来作品との境界を引き、それらのファンの要望を断ち切り援護射撃を望まぬ姿勢で貫かれている。
また、登場人物間の衝突やバンドの内紛が絶えないにも関わらず、そのギスギスを緩和するシーンがなく、特に第7話ではライブハウスの控室でギスギスするメンバーを定点カメラ(防犯カメラ?)で捉えたような冷徹なシーンを置いている。
以上に納得する視聴者しかついてこれないような、まるで「来る者拒まず、去る者追わず」といったぶっきらぼうな作風に仕上げているように見える。
同期のアニメや従来のシリーズのような明るくファンサが盛りだくさんなのを主流派とするなら、It's MyGO !!!!!は非主流派と言え、かなりの冒険だと思う。
このような非主流派が生まれ、主流派と切磋琢磨することで私のような新たなファンを開拓できたのであれば、アニメ界全体としては幸いだと思う。
失敗を恐れず、It's MyGO !!!!!を作り上げたスタッフキャストに敬意を表したい。
この環境から、周囲から浮き、他人のように泣けず、人間になれないと悩む”燈”を誕生させてくれたことと、様々な事情で悩むメンバーを「迷子」と称し、バンド活動を通して浄化させてくれたことは、私の先の記事「大人でも迷子だから」に記載したように、長年、迷子の弱虫であった私にとっても、居心地の良い場所となって大いに励まされた。

ポピパ


定点カメラ

大切なものが見つかったら

1 迷わず進むこと


第5話で”燈”はライブをやるとバンドが終わるといったどちらも大切なものを捨てられずに悩んでいた。
”燈”たちの迷いは、それぞれが大切なものを見つけるために必要不可欠なものである。
しかし、迷う中で「一生バンドをやる」といった大切なものを獲得した後は、向かって迷わず突き進むのだ。
私はその姿に自分を投影し、自分の迷いを克服することができた。
私の迷いは社会全般に渡るもので難しいが、”燈”たちが居ると心強い。
私は"燈"と同様、好きになったものを大切にする気持ちがあるから。
前述の「ツバメとアゲハとクワガタ」にあるように、”燈”の感性とも通ずる私にとってIt's MyGO !!!!!は特別な作品に位置付けられた。
私の感想としては以上だが、一生バンドをやるといった”燈”らの決意に共鳴した私も決意を見せたく、以下に記す。

ライブをするとバンドが終わっちゃう


2 行く手を阻むものには(社会批判あり、ギスギスさせたら悪しからず)


時として大人の社会は、平気で大切なものを遺棄し、真剣に大切なものを探し迷っている者を戸惑わせる。
私が懸念しているのは、「大ガールズバンド時代」というキャッチコピーに象徴される女性中心の世界観設定等、アニメ等オタクコンテンツが切磋琢磨する過程で生み出した貴重な表現が、今後、不当な偏見や誤解に侵害されないかという恐れである。
ラブライブ!シリーズを始め同様の世界観を持つコンテンツは数多く、「萌え」と並ぶその独自の表現を私は高く評価しているし、他に類を見ない日本の独自文化と考えている。
さらに、これらが誕生した背景には日本の安定した社会環境があると私は考えている。
アニメ等オタクコンテンツが、商業、同人、ファンの間で伸び伸びと育まれてきたのは、騒乱や排斥の少ない社会によると思う。
この社会のままならば、アニメ等オタクコンテンツの関係者達はその開発に日夜一心不乱に勤しみ、新たな表現を生み出し発展させていくだろう。
しかし、サブカルチャーであるが故、社会の変化次第では、その創作環境を不当に侵害されないという保証はない。
最近の社会を振り返るに、バンドリのライブも2020→2022と予定変更せざるを得なかった原因は何だったのか思い出してほしい。
自然災害なら致し方ないが、人の手によるものなら我慢なるまい。
社会人の端くれである私は恥ずかしながら、安定した状況がこのまま続くとは言い難いと考えている。
極端に人為的な例だが、複数の外国から日本の領域にミサイルが撃ち込まれていることが過去20年以上も続いていて、世論も是認しているのか、最近の大手メディアは撃ち込まれてから臨時ニュースを流すか、テレビに水色のフレームで囲みテロップで報じるといった自然災害まがいの対応をする事実がある。
また、世論はその後も対策を提議するでもなく、最近はその代替なのかジャニーズ問題でニュースを埋め尽くす始末である。
ロシアからキーウへのミサイル攻撃よりも大きく報じても差し支えないのにである。
私は不当にミサイルを撃ち込む当該国も悪いが、その問題を棚ざらしのままにする日本政府と世論はもっと悪いと思っている。
例えば、我が子が遊ぶ自宅の庭に投石され続けたら、親は皆有効な対策を講じるはずなのに、国会議員が誰もそれをしないようでは非常識だと思うからである。
国家レベルの大問題を棚ざらしにしても憚らない日本政府や世論に、サブカルチャーの表現の自由を保障する余力があるとは思えないのだ。
どのような侵害があるかは分からないが、私の行く手を阻むものに、私は、アニメ等オタクコンテンツの素晴らしさをアピールすることで対抗するつもりである。
私は、私が大切とするアニメ等オタクコンテンツを一生大切にする覚悟である。
おためごかしでなく危機感を持って表現の自由を不当な侵害から守ると決意する。
今まで、私には、It'sMyGO!!!!!を好きだと主張するくらいしか守る術はなかったが、今回、バンドリの方から感想文を投稿する機会を提供していただいたことは僥倖であった。
感想文に社会批判は相応しくないが、浅学非才で筆不精の私が応募したのであり、それだけIt's MyGO!!!!!は、私にとって大切な作品となったと考えていただければ幸いである。

一生バンドする

#バンドリアニメMyGO感想文コンテスト


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