ヤンニョムチキン事件

昨日、都内のFamilyMartで「ヤンニョムチキン串」を買った。ここ最近、このヤンニョムチキンのおいしさに「ハマって」いる。(この何とも言えない絶妙な辛さがいいのよ。)白ご飯に乗せて、一口食べる。うまい。初めて食べた瞬間、もう一度食べたいと思った。そして、その数日後に別の店に立ち寄った。その店には、同じ名前の「ヤンニョム串」があった。購入して食べてみると、味が全然違うと感じた。急いで店に戻って確認してみると、その商品は「焼き鳥の」ヤンニョム串であった。ああ、同じヤンニョム串でも種類が2つあるのね。説明してくれた店員の「兄(あん)ちゃん」によると、この店ではもう(私が最初に食べた)ヤンニョムチキン串は販売終了していて、今は焼き鳥のほうを販売しているとのことだった。そうか、ヤンニョムチキンにも兄弟がいるのか。買うときは見た目がほとんどそっくりであったが、確かに商品のプライスカードを確認すると、そこには「焼き鳥」という文字が付されていた。「え、じゃあ、もうあのおいしいヤンニョムチキンはもう食べられないのか」と思ったその翌日、最初に購入した新宿にあるお店に行く。(他にもいくつか同じフランチャイズの店を回ったのだが、これがなかなか見つからなかった。)すると、案の定、その「ヤンニョムチキン串」はまだ販売中であった。どうやら、「ある店」にはあるらしい。レジを見ると、外国人の店員さんが立っていたので、「このヤンニョムチキン串、もっとたくさん買って行っていいですか?」と聞く。すると、日本語が分からなかったのか、英語でもう一人の店員とこそこそと何かを話し始めたので、同じことを英語で言い直してもう一度聞いてみる。すると、「だめです」とのことだった。今、商品のケースには、ヤンニョムチキンの串が二本しかない。ここまで来たのだ、こちらもこのまま言いなりになって帰るわけにはいかない。あわよくば、この店に在庫があるならそのヤンニョムチキンも買って帰りたい。「店長の方はいらっしゃいますか?」とその店員に聞いて、なんとか説得したあと、その店員は店の奥のほうに消えていった。しばらくすると、その店の店長がやっと出てきた。(あれ、もしかしたらオーナーだったのかしら。)スーツを着ていたその方を相手に、2~3分ほどの時間でこんなプレゼンテーションを行った。

「数日前に、このお店でヤンニョムチキンを購入しました。とてもおいしかったので、他のお店で同じものを購入しようとしたのですが、なかなか見つかりませんでした。それで、このお店に戻ってきたのですが、もしよろしければ、今売られている二本のヤンニョムチキンがほしいです。また、もし他にも同じヤンニョムチキンがあったら、たくさん買って帰りたいのです。ただ、先ほど別のお店の方に同じように聞いたら『店によって対応は異なる』と言われました。ただ今、貴店にて『買えるのかどうか』を確認させていただきたくて、こちらの店員の方にお呼びしてもらったのですが、いかがでしょうか?」

その後、以下のようなやり取りが展開された。

店長「ヤンニョムチキンがほしいということですか?」

私「はい。前にこのお店で買って食べたら、とてもおいしかったので。もしこのヤンニョムチキンがまだ残っていたら、ぜひ購入させてください。あ、もしこの商品が人気で、他の購入したいお客様の妨げになって迷惑であるなど、貴店にご都合が悪ければ、今売られているものだけで結構です。」

店長「かしこまりました。ちょっと、在庫を見てきますね。少々お待ちください。」

(数分後)
店長「お客様、まとめての購入していただいても大丈夫ですよ。」

私「本当ですか!?ありがとうございます!!」

店長「いえいえ、こちらこそありがとうございます。ちなみに、何本ご購入されますか?」

私「買える分だけ買いたいのですが…。何本までなら購入できますか?」

店長「うちにはたくさん在庫があるので、何本でもいいですよ。」

私「本当ですか。うーん(そうか、でもいきなり「100本ほしいです」なんて言いづらいしなあ…。とりあえず、「10本」って言ってみるか。)、じゃあ、10本でお願いしてもいいですか?」

店長「かしこまりました。少々お待ちくださいね。」

私「あ!ちょっと待ってください。ちなみに、もう少し買って行ってもいいですか。家でも食べたいので。」

店長「全然いいですよ。何本にしますか?」

私「じゃあ(もっと買っていいのかよ、今日はついてるじゃないか。今日は、とりあえず15本にしとくか。)、15本でお願いします!」

店長「承知しました。少々お持ちください。」

(数分後)
店長「こちらになりますが、まとめて袋に入れますか?」

私「はい。お願いします。(おお、こんなにたくさん買えたぞ!ご飯を食べて「おいしい!」と思える時間が、この本数分だけ定数倍されるのか。もしこの先疲れても、これを食べれば元気が出るぞ!)」

こうして、私はこのおいしいヤンニョムチキン串をどっさりと買うことができたのだった。このお店の方には、感謝しなければならない。(なにしろ、いきなり15本も準備するのは相当大変だったろうから。)一本200円弱ぐらいの値段であったが、気にせず支払いを済ませる。(我ながら、だいぶ金遣いが荒いな。)その後、袋詰めを待っている間に店長の方と少し立ち話をした。「今日食べきらなかった分は、家で一週間ぐらいかけて食べる予定です。本当にこのヤンニョムチキン、おいしんですよ!」と私が言うと、先方は「そうなんですか。それなら長持ちするいい方法がありますよ。それはですね、・・・」と丁寧にその保存方法まで教えてくださった。おかげ様で、その後の一週間はヤンニョムチキンが我が家の食卓に並び、そのメインディッシュとなったのであった。

それから一週間後、それが昨日のことなのであるが、その店に再び足を運ぶと、その店長がレジに立っていた。レジで作業をしていたようなので(大量の札束を持って両替か何かをしていたようだった。)、その手が空いた隙を見計らい、こちらから話しかけた。
「先週はどうもありがとうございました。アドバイスしていただいたとおりに冷蔵庫で保存したら、家でヤンニョムチキンをおいしく食べることができました!」とお礼を伝えた。その後に「もしまだ、ヤンニョムチキンが余っていたら買いたいのですが、…」と言ってしまった。それほどまでに、私の舌はこのヤンニョムチキンの味を求めていたのである。私のその言葉を聞くと、先方は、少し笑って「全然いいですよ。何本にしますか?」と承諾した。

私「あと在庫はどのくらいあるんですか?またたくさん買いたいのですが、他のお客さんで同じものを買いたい方がいたらと思いまして…」

店長「うちには、まだ在庫がたくさんあるので何本でも大丈夫ですよ。」

私「本当ですか!?ありがとうございます!!じゃあ、…」

そうして、私は先週と同じようにそのヤンニョムチキン串を15本まとめて購入したのである。長持ちする方法も教えてもらっているので、自宅でおいしくいただく予定である。(店長さん、ニ週間続けてお世話になりました。ありがとうございました。もちろん、またあのヤンニョムチキン、買いに行きますよ。もし余っていたら、ぜひ購入させてください。あと、廃棄になりそうな物があったら私に行ってくださいね。私が全部買って帰りますから。)

購入後にその店長の方に教えてもらったのだが、私が食べているヤンニョムチキンは、残念ながら「期間限定」の商品のようである。(なんと、嘆かわしいことよ。)

次回このお店に行ったら、私はヤンニョムチキンを30本買うつもりでいる。(余っていたらの話だが。)
一度でいいから、いつかはこのお店か別の知り合いの方がやっている店に行って、そこにあるなんらかの(あまり売れていない)商品を全て購入して「欠品」状態にし、店側から「どうしてこんなに買うんだ」と逆に「クレーム」を受けてみたいものである。(興味がある人、ぜひ一緒に買いに行って店主を困らせましょう。笑。)

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