第1回作者当てコンテスト感想

作者当てコンテストに参加しました。早解きでは切り捨てられがち(?)な作者の気持ちをじっくり考えることができて楽しかったです。こういう発想は確か以前ホームさんかえすきゅんさんがやっていたでしょうか。こういう場で何を考えたのかというフィードバックはやるといいかな(というか単純にやりたい)と思ったのでその辺りと、また私は作問もやったのでそちらの解説もあわせてまとめたいと思います。

自作の解説

コメントの通り、カウンティングを考えて作った問題でした。この問題の鍵となるのは、右上と左下に共通する2×3の丸の集合です。ちなみにこれを目立たせるためにそれ以外はできるだけ簡素にしてみました。

左下の4×6の領域を図のように分けて、赤マスが他のマスによってどのように消費されるか考えてみます。まず青の丸がある6マスですが、それぞれ2方向に伸ばす必要があるうち領域外に伸ばせない分としてそれぞれ緑数字の数だけ少なくとも赤マスを拾います。
続いて黄色マスですが、これらは青マスによって拾われないためそれらとは別の領域を形成します。L字を作るためには領域外に出たり他の黄色マスとくっついたりしなければいけませんが、それらがなされるたびに赤マスが1個ずつ消費されるので、基本としては黄色マス1個につき赤マスが1個必要です。ただし、L字が領域内で閉じる場合(なおかつ端点がいずれも黄色の場合)にはn個の黄色マスをn-1個の赤マスで繋ぐ形となるため1マスの節約が可能です。今回の場合、黄色マス部分で計2個の赤マスを節約しようとするとVペントミノを2個置くような形となりますが、そうすると青のL字がどこかで組めなくなるのでこのケースは否定されます。したがって、6個の黄色マスは少なくとも5個の赤マスを占有します。

以上により、赤マスは青マスによって7個、黄色マスによって5個消費されることでぴったり使い切られます。したがって青マスから伸びるL字の枝は可能な限り外側に向けなければならず、上図のように右上で突破口が開けます。あとは黄色マスの制約に注意しつつ進めていけるかと思います。

せっかく同時にコンテストをやっているのだからできるだけ関わりたいなと思って作問から参加したいとなったものの、さしがね制作はほぼ経験がないので最初はどうしたもんかと思っていました。なかなか手を付けられずにいましたが、格子状に丸が並ぶ状況がなんとなく思い浮かんだのでとりあえず試してみて、すると意外と面白い性質が見つかったのでできあがったのが本問です。もしかすると私がさしがねに詳しくないだけでこうした事実は常識なのかもしれませんし、少なくとも既出ではあろうと思うのですが、その辺りはどうでしょうかね。もしカウンティングではない説明が主流だったりするとコメントと繋がらなくなって壊滅だなあという心配はありました。あるいはこの機構自体の被りすらあるかもとまで思いましたが、少なくとも問題の色自体は目立ってくれているのではと見ています。余談ですが、当初は 作者 ー コメント+問題 のマッチングだと思って別のコメントを出しており、出題版のは問題募集が終わってから出しました。

作者当ての提出過程

作者当てラウンドの方をどう考えていったかをメモ的に記します。まず問題の特徴や特性を並べ上げ、次いで作者(+コメント)からありそうな問題傾向を予想して当てはめるという形でまとめています(作者は何となく予想立てやすい順)。正答率半分を目指すならみんなもっとコメントで絞ってくるかなと思っていましたが、全然コメントから情報を拾えなかったのでかなり難航しました。これでも自作ペアが抜けてまだ助かっている方なんですよねえ。作者のお名前については以下敬称略です。

パズル盤面

1.コンパクトで綺麗な表出。解き味もちゃんとオーソドックス。
2.カウンティング的最大詰め。予想してなかったわけではないが、これ票吸われるだろうなあ。追加LがないことからR4C5を引っ張るとかでいいだろうか。
3.表出数字にも気が配られた線対称性の高い問題。解の対称性は67から崩していく。
4.丸と矢印を区別しない系点対称その1。ただし全体的に見ると概ね対応しているので作者の本意じゃない可能性もある。
5.すべての表出ヒントも含めた完全点対称で非常に芸術点が高い。解き味もやや上級寄りではあるが理詰め範囲。
6.数字なし矢印だけで何とかした系。十字配置による風車など展開にも味がある。
7.丸と矢印を区別しない系点対称その2。かわりに(?)ヒント数字6縛りで見た目の統一感が出ている。
8.初手で決まる大きい数字はこの中だと特徴かもしれない。一回ハタンやらかしました。
10.個人的にへえとなる展開が多く入っていた。ラストもびっくり。解き筋特化型という感じ。
11.けーえぬわいさんおらんやんけ!楽しい発想で好き。ニコリ的と言えるかは詳しくないのでわからない。
12.出たな圧倒的闇問。自分がやったように外周の丸で拾えないマスを考えると制約自体はきついんだけどそこから解ける感じでもない。
13.前問が前問だけに癒しを感じる。丸と矢印も考慮した点対称問。

作者予想

nazoac: この人が作りそうなのが12しかない。逆に12を作る人自体は他の可能性も排除できないが、ここズレてるともう駄目ですね。
saki: パズスク遡ると作風はけっこう多彩だなあ。ハニアの人なので7で。
ななろくふ: あまり作者としてのイメージが掴めてないのでどうしたものか…と思ったら3の盤面に書いてあったのでここは素直に乗る。
EKBM: 最近は枝豆美術館のイメージが強いがそれっぽいものはない。オールラウンダーなのでとにかく困るが何らかはやってきそうなので5とか…?
Hazakura: オーソドックスな作風で何らかの対称性も意識してきそう。解き筋も自然な13で。
_AtomicNeoN_: パズスク見ると直近で丸矢印非区別点対称問がある。ベーシックな手筋をきっちり入れてくる印象に加え、10×10以外の盤面チョイスも多い気がするので4はいいんじゃないか。
にしなんとか: コメントの情報量としては最大なんだけど右上にさわりが来る問題にあまりピンとこない。もっともこの書き方は展開としては突飛ではないのかも。多分違うよなあと思いつつ幅2の長方形を分ける1でどうか。
UNP: イメージはニコリ寄りでHazakuraに近いが割と何でもやってくる。一ネタ入れつつ展開が印象的な6。いつも通り作ったというところに違和感はあるが…。
電卓: 解説付きの毎日投稿をされていた方でしたか。手筋重視と読んで10にしたが、コメント逆張りの6もワンチャン感じて悩ましかった。
凍み豆腐程度の能力: パズスクにはいらっしゃるが作問情報はあまり持っておらず。お絵かき系もあったので11にしてみた。
鳳: 作風は豊かでコメントの意味も思いつかず厳しい。何となくカウンティングはお好きそうなので2。1234は数えようって意味だったりしません?
TangentOfA: タイの方ー!大会とかでは名前をお見掛けするけどそもそも作った問題に辿り着けなかった。消去法で8にするけど11とかだったら笑う。

答え合わせ

いや合わへん(しってた)。

最大の悔しいポイントは6と10を逆にしたことですね。ここはかなり悩んだところだったので取れる可能性はあった。あとそこそこありえるかなと思った組み合わせはネオンさんのKNYかな。
逆に単独で取れたのはEKBMさん。こういった完全対称はトケタ?でよく見るのでそのあたりが濃いかなとは思っていました。
自作はめでたく零答…。後付けコメントにしてはいい塩梅かなと思っていたのですが。

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