pre-PGP 2021 R8 作問後記

pre-PGP 2021 R8 に作問その他で関わらせていただきました。いよいよ今期最終ラウンド。今回も本問のみの作成でしたが、さっそく振り返っていきたいと思います。

Tapa

簡単な問題もしっかり作らないとということで、易問枠としてTapaをチョイス。Tapaは簡単な問題を作るのがけっこう楽しいパズル種だと思っています。↓は以前作ったやつ。
https://puzsq.jp/main/puzzle_play.php?pid=2348
今回出題したものも、入り口から順当に黒マスを伸ばしていけば解ける問題でした。この難易度であってもTapaらしい黒マスの発生や連結、2×2禁が使えるところが好きです。1問目という配置順もあってか、大会では(誤答はあったものの)見事全員解答となりましたね。

Magnets

こちらは結構解説の方で言いたかったことを言っていて、出題意図としては全表出Magnetsに触れてほしいというものでした。海外では定番と言っていい出題頻度のMagnetsですが、PGPでの出題歴を見るとそれなりの割合で全表出タイプが出題されています(今回振り返ってみるとざっと半分近くという印象でした)。全表出だと件の差分手筋が非常に大きな情報となってかなり解き味が変わるので、これまでのbpconやpPGPの問題、また今回出題されたバリアントであるToroidalとも差別化されていたかなと思います(Toroidalだと差分手筋は厳しくなりますね)。
https://puzsq.jp/main/puzzle_play.php?pid=17451
この差分手筋ですが、解説でも紹介した通り大域としてだけでなくローカルにヒントを使っていくことでも理解できるので、手筋難度としては問題ない範囲という判断でした。当初は8×8での出題でしたが、解きチェックで思いのほかこの手筋が気付かれず、難しいという意見が多かったためサイズダウンを行いました。ただ、6×6だと小ささの影響で偶奇が非常に強力で、全表出だとそれで解かれないようにするのはほぼ不可能というレベルになっています。今回の問題では思ったよりは他の解き筋に対策できたものの完全には排除されておらず、解説を見るとどうしても鶏に牛刀を持ってきた感は拭えません。また、反動で差分手筋の後の道がそこまでスムーズではなかったということも気がかりとなっていました(R5はもうほとんど偶奇)。結果的には易化のおかげで正答率も悪くなかったですね。
ちなみに上記の没問についての余談ですが、初期版で謎垢さんより「どこが黒マスかだけ考えて突破できる」という指摘をいただいたため若干の修正を行っています。この修正過程では、PGPやトケタから全表出Magnetsを引っ張ってきて+-ヒントを足し合わせた状態でどこが黒マスか考えるというのを5問ほど試しました。結論としては小さい盤面の方がそういう状況は起こりやすいもののちゃんとコントロールすれば対処可能ということが分かり、全表出問題で解き筋を誘導するのは非常に大変なんだなあと痛感するとともに作問者の皆さんに頭が下がる思いでした。

セットの他の問題についても感想など語っていければと思います。今回の難易度はちょっと運営としても読み違えてしまったのかなという反省がありますね…。前回の反省で易問枠をしっかり確保したもののこんどは難易度の二極化が激しくなってしまったので、作問サイドとして今後もどう改善していくか考えていきたいと思います。

4. Yajilin (Battleship): いい理詰めでした。ヤジリンということもあって比較的皆さんにも触っていただけたようでよかったです。

6. Masyu (Colorblind): 各ヒントに対して仮定を繰り返していく手合いのルールは苦手ですが、これは小ループなどもうまく活用されていましたね。

7. Masyu (Colorblind) + Yajilin: 好きな発想だったんであんまり強く言わなかったんですが、まあ難しいですよね…。

9. Magnets (Toroidal): 問題選定のときは通常Magnetsとの解き味の違いが分からずだいぶルールに対してボロクソ言ったんですが、ちゃんと違いますね。失礼しました。そして見にくい！

今回をもって今期8ラウンドを無事走りきれたということで、参加していただいたみなさんには改めて感謝をお伝えしたいと思います。私としても半分以上に運営サイドで参加しましたが、貴重な経験をさせてもらい大変勉強になりました。この後のことはまだ個人としても未定ですが、今後とも大会が継続していくことを願っております。なお、作問やってみたい！という方は公式TwitterのDMなどでコンタクトを取ってもらえればと思います。