アイマスのパズル同人誌を頒布した話

こちらは私タイガーアイによるペンシルパズルA Advent Calendar 2019の3日目の記事になります。

タイトルの通りです。先日、アイドルマスターをテーマにした自作のパズルをまとめたコピー本を作成し同人即売会にて頒布したので、そのことについて記録します。途中ペンパの記事かこれ?となる部分もありますがご了承ください。

要約
・アイマスのパズル本作って頒布したよ!
・オンリーイベントもいいよ!
・ガチパズル本でもそれなりに見てもらえるっぽいよ!


経緯とイベントについて

ペンパアドベントなのでパズルの説明はいいのですが、一応アイドルマスター(略称アイマス)について説明すると、プレイヤーが「プロデューサー」としてアイドルを育成するゲームとそれを中心としたメディアミックスシリーズのことです。二次創作や同人活動も盛んで、コミケでもジャンルとして存在するほか各種オンリーイベント(特定コンテンツを対象にした同人即売会)も多く開催されています。

アイマスはTwitterで #デレマスパズル部 などのタグがあるなどパズル界隈でも存在感を見せています。私も両者を趣味としていることから、これまでにいくつかアイマスをテーマにパズルを作成してきました。一方でアイマスの同人活動にしばらく買い専として触れるなかで、これらをパズルに馴染みのないアイマス界隈に向けても発信できないかということをぼんやりと考えるようになりました。昨年末~今年年始にアイマスの方でTheater Challengeというキャラクター投票企画があったのですが、その際にTwitterに投げてみたパズルへの反応が思った以上に好感触であったのも後押しして、今年実際にサークルとして参加することを決めました。

頒布するイベントは11/3に開催されたISF08というオンリーイベントを選びましたが、これにはいくつかの理由があります。

①コミケは避けたかった
まずコミケではなくオンリーイベントとしたのは、コミケだと規模が大きすぎることが理由です。毎回アイマスジャンルでホール貸し切りみたいな状況の中で、1つ1つのサークルまで見て回るというのは(私はやったりしますが)かなり大変です。基本的には事前に調べた箇所を回ることが多いなかで、無名サークルとして出たときに足を止めてくれる人はあまり多くないと思っています。それよりは、オンリーイベントの方が会場全体を見て回る人の割合も多く、新規性で手に取ってくれる人も多いのではと期待しました。とは言いつつ、コミケは純粋に規模が大きくて気後れしたというのが大きいです。

②ジャンルの都合
アイマスにはFateとかプリキュアとかみたいに(?)いくつかのタイトルに分かれています。それぞれのタイトルで独立して楽曲やゲームを展開しており、登場キャラクターも基本的に別です。ちなみにデレマスは「シンデレラガールズ」というタイトルの通称で、パズル界で随一の知名度を誇る成宮由愛ちゃんやウサミンこと安部菜々さん、あとは昨日アドベントBで誕生日をお祝いした喜多見柚もここに登場します。一方、私がこれまで作ってきたのは主に「ミリオンライブ!」や「シャイニーカラーズ」がテーマのパズルなので、参加する即売会としてはそちらに寄った場所を選びました。ISFはミリオンライブのオンリーですが、今回はちょうどシャイニーカラーズのオンリーであるSSFも併催されていたので、まとめて出す大義名分も立って非常に都合がよかったです。
また、少しセコいのですがISFはスペースの配置の仕方が完全にキャラクターによって決まることもメリットと捉えました。これまで複数のキャラクターをテーマにしてパズルを作ってきたので、それをまとめてサークルで出すとなったときにコミケや他のアイマス系イベントである歌姫庭園とかだとオールキャラや評論のスペースに配置される・登録する可能性が高いでしょう。私自身はあまりそういうところは熱心に回らないので、できれば避けたいと考えました。一方ISFでは申込時に必ず誰か一人メインを選んで登録しなければならず、それによって配置が決まります。逆に言えばこれによってイラストや小説のサークルの中に入れるということで、目に留まることも増えるのではないかと期待しました。ただし評論あたりを回る人をターゲットとした方が購買率が高いかもしれないので、そこはどちらがいいのか分かりません。

③有志による宣伝生放送がある
はっきり言ってこれが一番大きいです。ISFでは有志の方が宣伝生放送というのをやっていて、サークルから頒布物情報や宣伝文を募集してニコ生やYoutube Liveで紹介してくれるという神みたいな場があります。絵が一切ない本を会場で初めて見たとして、特にパズルに触れたことのない人が買うところまで行くかというと少し難しいと思っていたので、あらかじめ影響力のある方々に言及していただける機会は非常にありがたかったです。過去の例から、生放送だと珍しいものでも「なんか面白いことやってんな」と好印象で受け止めてもらえるのではという感覚もありました。そもそもこれがなかったらサークル参加なんてしていなかったと思います。
今回は3日間で約10時間かけて100超のサークルを紹介されており、売り手としても買い手としても非常に嬉しい放送でした。延べですが数千人の視聴者があり私のものにも気になるというコメントがつくなど、宣伝効果は高かったと思います。

本を作る

そんなわけで、7月に申し込みをして無事スペースをいただきました。作る本のイメージとしては、基本的に過去作をまとめつつ解答解説を付し、主にパズルに馴染みのない人(というか即売会に来る人はほとんどそうだと思う)に見てもらおうという考えです。こうしたコンセプトと、大爆死したらリアルに関係のある人たちに伝えるのは恥ずかしいという理由で、言いたがりを我慢してこっそり進めていました。

10月に入ったあたりから原稿をwordでちまちま作り始めました。私の性格上ギリギリまで完成しないと思っていたので、イベント前日である11/2のJPCはこれのために断念しました。過去作から7題と、新しくクロスワードとシークワーズを作って(シークワーズはアレな出来になってしまいましたが…)、また解答解説を用意します。前に作ったあれとかあれとかを引っ張り出してきて…

スクリーンショット (3)

一般客にお出しして大丈夫???

いやまあちゃんと解説付けるから…

スクリーンショット (4)

ほんまに大丈夫???????(これアイマスの同人誌なんすよ)

解き方の他にも、どういう考えでパズルを作ったとかどうテーマをパズルに落とし込んだかとかを書いたり、さらにはラテン方陣の説明やTapaのダイマなどパズル自体に触れる内容も多めに入れて本を作っています。ちなみにwordだとオブジェクトの位置合わせが面倒だったので、多分powerpointの方がいいと思います。でもpowerpointはページの偶奇でフッターを分ける機能とかがなさそう?まあ普通にもっといいツールがあるはずですが…。

結局11/2にJPCの打ち上げTLを見ながらコンビニでコピーしてきたものをせっせと製本していました。

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あなたはバカなのですか?(見本誌になりました)

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上のを除き10部用意しました。この量でも手作業だとそれなりに大変。表紙やタイトルは勘弁してください…(一番困ったところ)。表紙を作るときはコンビニコピーだと端まで刷れないのが地味にネックでした。ちなみにタイトルグリッドは何かのパズルにしようとも思いましたが大マスが邪魔すぎたのでやめました。

私は同人誌買うときは値段ほぼ度外視な人間でワンコインだと楽だな~とか思ってるので当初はこれも何も考えず頒布価格500円で告知していたのですが、他との相場を考えるとさすがに高い気がしたので(トケタとか他のアイマス同人誌とか、そもそもこれはコピー本)300円に下げました。欲しいのは承認であってお金ではないので…。

参加レポ

さていよいよ当日。連れとして当てにしていた人が同日開催のサンクリに持っていかれてしまったのでぼっち参戦です。

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イベントは12時開場でしたが、サークル入場のため到着した11時ごろには既に一般参加者が何百人も並んでいたように見えます。

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こちらの会場に約500サークルがひしめきます。

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設営といっても布も何も用意しなかったので寂しい。左右はどちらも一方的に知っている方でイラスト本を用意されていました。コミュ障なので話しかけるわけにもいかず店番のお供に持ってきたトケタvol.5を開いて開場を待ちます。balance loopの最後を終わらせsnake pitのラストと闘ってました(もう残りが5+しかない…)。どちらもとても美しい問題で自分のと比べて凹んだりしました。今回痛感しましたがトケタが1500円そこらで買えるのはお得とかいうレベルじゃないので、万一持ってないパズルクラスタの方がいたら今すぐ買いましょうね。

12時になりいよいよ開場です。いつも通路で歩く側だったのでスペースで待つ側なのは非常に新鮮です。緊張で手が震えてトケタが持てないので仕方なく閉じます。

どの程度手に取ってもらえるのかなかなか予想がついていなかったのですが、開場数分後に早速手に取っていただけました。どなたか存じませんがカントリーマアムの差し入れまでいただいて自己肯定感がバグります。ありがたいことにその後も続々捌けていき、イベント終了15:30を待つどころかめでたく12:45頃に10部が完売しました。

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多くの方は直接「一部ください」と声をかけてくださいましたが、見ての通りおよそ表紙買いするような代物ではないため、生放送の効果が大きかったのだろうと思います(1人は「宣伝生を見て~」と言ってくれました)。一応Twitterにもほぼ動いていないアカウントで投げてはいましたが、インプレッション的にもそちらはせいぜい1~2人でしょう(投げたのが前日夜というのもあります)。逆に完売までに中身を確認していってくれたのは2人でしたが、そのうち1人は購入してくれました。

一人だし直前にガシャで爆死したし今回は他の本は買わないでおこうかなと思っていたのですが、完売に浮かれて席を外しいろいろ見て回りました。うちが完売するくらいなので買えなかったものも多かったのですが、気付けば朝財布に入っていた15k+本日の売り上げが消えていました。おかしいな…?その後14:30頃までスペースで戦利品を読んだりしながら過ごし、イベント終了を待たず撤退しました。

感想

ひとまず持ち込んだ部数が全て捌けたという非常に嬉しい結果となりました。もちろんある程度手に取ってもらえるだろうという見込みはあって参加しましたが、3割くらいの確率で全部持って帰る覚悟でいたので、その点は杞憂に終わってよかったです。

10部というのは例えば宣伝を1000人が見て1%が興味を持てば完売する量なのでなくなる可能性も考えてはいたのですが、残った場合持ち帰って受けるダメージを考えつつ設定していました。実際に作業すると製本が思ったより面倒でやりたくなかったので、まあこんなもんだろうと思っています。それでも他の人に話したら少なすぎと言われたので、これからは全文公開したから10部くらいしかないと公言する人を見てアホやな~とか考えるのはやめようと思います。出す側もいろいろあるのでしょうということ。

ひとつ贅沢な悩みなのですが、中身を実際に見た人がどのくらい買っていくのかがあまり分からなかったことはもったいないと感じました。もう少し遅い時間になれば徐々に見て判断する人が増えたはずですが、ちょっと捌けるスピードが想定を超えていました。一応事前にpixivリンクを示してどういうのが載っているか確認できるようにしていたので、ある程度は内容を分かって買っていただいたとは思うのですが。

同人イベントは他の参加者との交流の場でもあるので、事前にSNSで同趣味の人と繋がっていればいろいろ話すこともできると思うのですが、今回そこまでのやる気はありませんでした。アイマスには名刺交換という文化があり(名刺に○○担当プロデューサーとか書く)そこから知り合いになるケースも少なくないようなので、コミュ力がある人はそういうことも試すといいと思います。

コンテンツ表現媒体としてのパズルがそれなりに興味を持ってもらえるということが分かったのは、今回の最大の収穫でした。特に同人界隈はかなり多様な表現が認められる場所(と思っています)なので、相性はいいはずです。ちょっと興味はあるけれどという人に対してもいいフックになるのではないかと思います。軽く調べると過去にコンテンツ×パズルの同人誌としてはイラロジやクロスワードなどの商業誌からの流れを汲むものはいくつか他ジャンルで出ているようです。

私自身はあまり多産な人間ではないので今後同様のことをすることはないと思うのですが、パズル同人誌のポテンシャルは感じられました。これを書いているうちにもどうも冬コミで動きがあるようで、そちらも楽しみにしています。コンテンツとパズルの融合がこれからも様々な形でなされていくことを期待しています。

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