Pre-PGP 2022 R7 作問後記

Pre-PGP 2022 R7 に作問その他で関わらせていただきました。先月はUTPCの開催などもあり運営の都合がつかず、2カ月ぶりのPre-PGP開催となりました。今回も取りまとめを担当しましたが、忘れている段取りなどもちらほら…。ひとまず無事に開催できてよかったと思います。今回も振り返りをやっていきましょう。ところで、UTPCも自作問コメントとかいろいろしたいとは思っていますが、実現できるかどうか。UTPCの問題は全てwebで公開されているので、参加されてない方も是非解いてみてください。

Akari (Diagonal Clues) (例題)

忙しくても少しは例題作っておこうかなと思い、初手で手を付けました。ひとまずルールを端的に表したいということで、中央に4を置く大胆設計です。一方これによって盤面が完全に4展開に分かれてしまったので、それはどうなんだという気持ちもなくはありません。

Araf

今回の出題ラインナップは作者陣の作りたい/欲しいものを選んでもらう形で決めたのですが、私がチョイスしたのがArafでした。上手く言語化できないのですが、ArafとかCompassとかのマス取りをやるような領域分割系が個人的な好みです。
では自分が作るならさてどうしようかとなったのですが、今回本家PGPの問題が特徴的な配置をしていたのでそれをオマージュして作りました。使用数字は1~8を4セット、さらに配置まで固定しているということでそれなりに作るのは難しく、できたと思ったらパターンを見落として決まっていなかったということもありました。最終的には、pPGPに出せる難易度で正方形内の数字順もそこそこ綺麗という満足のいく問題になったと思います。左上と左下は展開が似ていて普段であればあまり嬉しくないのですが、pPGPのような機会だと大会コンセプトともマッチしていて雰囲気作りに貢献していたのではないかと思います。ちなみに本家PGPでやってた全体カウントですが、盤面81マスに対して領域最小56-最大88ということでやや大きめブロックを意識したいという制約でした。当然そこから決まるようにはなっていませんが、作問時にはこの辺りも考えたいところです。

Akari

Arafをそこそこ上の難易度で出したので、簡単を作れるものをということでクラシックなAkariを選択。とはいえ作問の取っ掛かりが掴めずしばらく放置していたのですが、Hidatoの配置揃えを見て先に上がっていたDiagonalの黒マス配置をお借りすることにしました。Diagonal例題と同様序盤で盤面が分断する形になってしまったのはちょっとよくなかったかもしれませんが、難易度的には想定通り組めました。
余談ですが、左上の展開はどのように考えたらいいでしょうかね。右の縦11と合わせたカウンティングはとりあえず無視して、理論的にはR3C1,R3C2,R4C2で作るチェインが一番自然という感じがしますが、個人的にあまり直観として形成できていません。私が解いてて処理するときは「R4C2に入れないとダメ」と考えることが多い気がします。

今回は非参考勢の躍進が目立ったような印象があります。全体的にマイルドな回だったかなとは思いますが(満点も下げるか迷いました)、それでも想定以上にフィニッシュが出ました。セットとしてなかなか気に入っているので、他の問題の感想なども話したいと思います。

2. Easy As (No Singles): Easy Asは基本的に大の苦手なんですが、このバリアントは結構好きかもしれない。テンポよく作られてるのがいいですね。

5. Slitherlink: こういう展開を自分の中にストックして作問に活かせるようになりたいなあと思いました。

6. Slitherlink (Corners): これもコンセプトがよくて綺麗。

8. Hidato (Knight): ナイトルールって個人差の出やすい部分だと思うのですが、私はかなり苦手寄りです。両端が見えているのが救い。

10. Araf (Anti): これ良かったですね。クセの強いルールを鮮やかに料理されていました。自分でパズルを入れることにした手前誰も作らなかったらどうしようと思ってこっそり習作をやっていましたが、結果これが見られてよかったと思います。

11. Doppelblock: テーマの使い方がうまい。最初見えなくてちょっと苦戦しました。

12. Doppelblock (Product): この盤面サイズだとゴツくなりそうなところを表出でバランス取ってるのがいい調整でした。

今回出題した2問はどちらも別の問題を元ネタにして作りましたが、私としてはこういう何らかの制約がある方が作りやすいなと感じます。Pre-PGPを作っていると他の人がどのように作っているかということも伺えたりして、それも大会運営の楽しみの一つですね。

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