pre-PGP 2021 R5 作問後記

pre-PGP 2021 R5 に作問その他で関わらせていただきました。R5は見覚えある制作者も多いJapanラウンドだったということで、個人的にも盛り上がった回だったと思います。今回もそんな制作過程を自作を中心に振り返っていきます。なお、いまちょっと今年2月以来4カ月ぶりにアカン感じで生活を壊してしまっているので、できるだけ手短に行きます(でも書く)。

Hiroimono (例題)

なかなかJapanらしいこのチョイス。ニコリでも碁石拾いは例外的に複数解が認められているように、明らかに作るのが大変そう…。ということで、本問を作らなくてもいいようにさっさと例題を埋めに行きました。なお、例題を作った人は本問を作らないみたいなルールは特にないです。
どういう形が唯一解になれるかと考えたらT型になったので、テトロミノで組んでみました。見栄えを気にした結果の無駄な行(中央の横線)にはまあ目を瞑っていただければと思います。右下起点が本家PGP例題と被るかなという気持ちもあったのですが、一番左上に石を置くことを優先してのこの向きとなっています。

Four Winds

私は重いもん取りがちだから簡単なものも作らんとなあと考えてのFour Windsの選択でした。しかし、いざ作るとなると押し出しと吸い込みだけの問題だとつまらないかもという気持ちが頭をもたげ、直近のBPConでの出題と被ってしまうという言い訳をしながら気付けばギミック一点特化型のものを作ろうとしていました。
最初は外周でカウンティングをさせるようなやつを考えていましたが、あまりうまい回収が思いつかず断念。いろいろ触っていた中で出てきた形をメインにすることに方針転換して、今回出題した問題ができあがりました。ギミックとしては、そこまで陳腐な感じはなくなおかつ難易度も控えめといういい感じのものだったのではないかと思っています。似たような発想はフィルオミノで時々見かけますね。
途中で10×10から8×8にサイズダウンしましたが、これが難易度調整だけでなくギミックに集中してもらうという点でもよかったです。また、非常に問題盤面の対称性が高いところからのそれをあまり感じさせない解答盤面というところもお気に入りポイント。両対角線に対して非対称ヒントがそれぞれ1個/2個だけというのは、手前味噌ながらけっこう美しくできたんじゃないかと思います。

Statue Park

先にFour Windsだけ作った後もう一問は最後に残ったものを作ろうと考えて、その結果回ってきたのがStatue Parkでした。Statue Parkは割と好きなパズルだったのですが、リストを決めるところでけっこう悩みました。pre-PGPではペントミノセットだとややボリューム過多になってしまう印象があるものの、一回り下となるとあまりいいリストが思い浮かびません。迷った結果ペントミノフルセットを使っていいか運営メンバーに聞いてみると、今回他の問題は比較的穏やかなものが集まっているからいけそうということで、お許しをいただいて作問に取り掛かりました。
Statue Parkはやはりペントミノセットが私の一押しなので、難易度を抑える中でどれだけそれらしい面白さを詰め込めるかというバランスを考えながらの作問でした。ナナメ連結によるZとWの予約は比較的早い段階で入れていたギミックでしたが、確定のさせ方やユニークネスの排除(全部ではないです)は苦労したポイントです。黒丸による大胆な盤面の分断はpre-PGPらしい作りだったかなと思っていますが、本家問題と若干通じるところでもありましたね。ナナメ連結を使いまくるのもpre-PGPならよしでしょう。最終的にいい具合の難易度に落ち着き、予約ももう一つ出てきたり最後にちょっとした気合いを入れられたりとStatue Parkらしさも出せたので、仕上がりには満足しています。ちなみに、「ペントミノ問題の最後は試行錯誤」というのは、昔panistaさんに教わりました。
後から思いましたが、36文字もアンサーキーを入力させたことについては申し訳ありませんでした。


ここから他の方の問題についてです。軽めに軽めに。

3. Hiroimono: 個人差はトップクラスだったでしょう。運営メンバーでは3人ほどだいばくはつしました。私もその一人で、解き直しで14分かかっています。一度答えにたどり着いてしまえば、なぜ見えなかったのか不思議になるんですがねえ…。元々は最高配点でしたが、高度な政治判断(別にやましいものではない)の結果が113点です。

6. Akari: 運営で問題を管理するところには難易度を自己申告するところがあって、普通は「低」とか「中~高」とか並んでいるんですが、一個「引き」と書いてあってコワ~となりました。引きというよりは全検を頑張るという印象でした。私は誤答しました。

14. Ripple Arrows: 中央の八方矢印は定理として面白いですね。これの解き直しで気をよくした私は、本家PGPのRipple Arrowsに飛び込んで大撃沈することとなったのでした。

全体としていいセットができたと思います。ご参加いただいた皆様ならびに本家PGPを制作いただいた皆様、ありがとうございました。

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