Pre-PGP 2022 R6 作問後記

Pre-PGP 2022 R6 に作問その他で関わらせていただきました。シーズン中は運営事情によりスキップしてしまっていた回だったので、無事埋められて安心しています。また、前回のR8は難易度ヤっちゃってて大いに反省したのですが、今回はちゃんとマイルドな回になっていたのではないかと。今回は作問も担当したので振り返り記事も書きたいと思います。

Letter Weights (Balance) (例題)

Balanceに限らないLetter Weights系全般の悩みですが、Pre-PGP向けにしようとすると使用文字や使用単語を多くできないなかでどう形にするかというのが作問にあたっての最大の難関になりますよね。単語として何らかの繋がりは欲しいが、普通にやると2,3単語使っただけで10文字くらい現れて大変…文字の識別を付けなきゃと単語数も増えていく…という流れになりがちです。特にこれは例題だから可能な限り削らなければと思っていたところ、眺めていた「トケタ?Vol.8」のConsecutive ABCにpanistaさんの論理演算子を使った問題があったのでそちらのアイデアをお借りしました。その威力はさすがで、これもとてもよくまとまってくれたのではないかと思います。ちなみに、penpa-editorの作図において目盛は枠→自由→実線を使っています。そのためよく見ると目盛がマス境界と合っておらず、全部微妙に支点側に寄っています。

Blackout Dominoes (例題)

これはまあすぐ作れたというか、3までのドミノセットだと変なことは起きようがありません。一応、マスを囲むような数字配置によって気持ち手筋的な意識が出るかなと期待はしましたが、外周だけでドミノ分割が終わってしまうのでそんなでもないです。Blackout Dominoesの外周黒隣接禁止って独特な印象がありますがどこから来たんでしょうかね。

Snake (Memory)

persistence of memoryというやつですね。WPCのSerkan氏のラウンドでこれの難しいやつが出て、時間内には解かなかったんですが後で強い人たちに聞いたら「パターン少なそうなブロックをn択試すのが正着だろう」と言っていました。Serkan氏でもそうなんだったらまあこのパズルはそういうものなんでしょうから私も真似してみたかったのですが、作り方が分からないのでやめました。かわりにいつもの「私が簡単ではないループパズルを作るときの手筋一本型」となっています。手筋の適用はみんながすぐ見えるというほどではないと予想しているのですが、全体の傾向としてどのように解かれたのか気になるところです。

Letter Weights (Balance)

例題作った時点では本題を担当する気はなかったのですが、気付いたらできていました。緩めの縛りで単語を拾ってこれたのがよかったですね。
別に天秤のおもりを一対一にする必要はないのですが、4単語だと式2本は寂しいということでこんな感じになりました。一対一の場合は(作図上)全天秤を簡単な比にしなければならないのが少し難しかったです。また、この場合最初に全部のおもりの比を出されてしまうというのもあまりよくないポイントかもしれません。取っ掛かりが掴めなかったのか運営解き直しでかなり時間がかかるケースが複数出たので配点を上げましたが、解答状況などを見るとここまでしなくてもよかった感はありますね。

今回は中配点帯が薄いかなと少し心配していましたが、Balancing Actも取りやすかったようなので結果的にはいいセットになっているんじゃないでしょうか。ただし配点付けは少し外してしまっていたかもしれません。そうか、Tapa(Twilight)が最難になるのか。

1. Tents: 普段の大会ではあまり使わせてくれない手筋が出てきたので盲点を突かれたみたいになってよかったです。

2. Easy As: 実は{A,B}でも解けたりは…しないか(2021R7参照)

3. Scrabble (Initials): ScrabbleもPre-PGPとしてコンパクトにまとめるのは技術がいりそうと個人的に思っているパズルです。これはInitialsのルールも上手く料理されていて好きな問題です。

4. Tapa (Twilight): 割とどうしようもねえルールの中でも一貫したテーマが感じられてよかったです。終盤は解がなくなりそうでヒヤヒヤしました。

5. Voxas: 解くときはサラッと流しちゃいましたがいい表出だと思います。

8. Japanese Sums: このサイズながらなかなかハード。自分は解説のルートは見えなくて左下経由で進めました。

11. Island Nations: この領域分け好きですね。自分がやると先に10×10盤面を用意しちゃうからなかなかこういうのが出せない。

欠番も埋めてこれで無事Pre-PGPも2022年を完走できました(Finalがあるかはまだちょっと分かりません)。PCJPに場を移しましたが、もう3年目と考えると長く続いているコンテンツだなと思います。これからも多くの方に楽しんでいただいてほしいなという思いと、最近中の人サイド続きだったので参加者側としても楽しみたいという気持ちと両方ありますね。いつでも作問メンバーお待ちしていますよ(本気)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?