Pre-PGP 2022 R5 作問後記

Pre-PGP 2022 R5 に作問その他で関わらせていただきました。今回は主に取りまとめとして動き、作問に関しては賑やかし程度の参加でした。取りまとめは最終的な問題の採用決定権を持つわけですが、今回は軽めにしたいという意識を持っていたため、いくつかは初期版より易しくしてもらった問題になっています。私のも含めて……。そのあたりも込みで自作を中心に個別の話をしていきましょう。

Snaky Loop (Nonogram) (例題)

わりと闇深なルールという感じがしますが、例題なので当然基本的な考えで進めるように。今回例題でピックアップしたのはイラロジ手筋とSnake挙動を用いた壁際の議論です。ループの形が単調なのでもうちょっと窪みとかあるようにしたかったなという気持ちはありましたが、解き筋との両立を目指すほどの労力もかけていられないので中身を優先しました。

Tents (Double) (例題)

こちらも癖の強いルール。テントの基本的議論がいろいろ歪められてしまうので作るのも解くのも大変です。この問題も序盤の展開などで通常テントに準ずるような手筋を意識はしていますが、どうしても難しくなっているような印象はありますね。到達を見るのは普通のテントだとなかなかできないですが、小盤面&Doubleルールのおかげで入れ込めました。

Magnets (Double Length)

今回唯一の作成した大会問題です。pPGPでのMagnets系には縁があるのか、作問はこれで3度目くらいだったと思います。ちなみに3回とも一度作ったのち難易度を下げるためにサイズダウンする羽目になっています。学習しないなコイツ。初期版はこんな感じです。
https://puzsq.jp/main/puzzle_play.php?pid=23040
このバリアントはそもそも1×4のブロックをいい感じに配置するのが難しかったです。例えば全部のブロックが縦向きだと普通のMagnetsと変わらないわけで、バリアントの味を出すためにタテとヨコをなるべくごちゃ混ぜにしたいという気持ちがあります。しかしこの1×4というのが敷き詰めようとすると単調になりがちでして、特に盤面が小さいほどこの問題は深刻になります。当初10×12という大きめなサイズで作っていたのには一応そういう理由がありましたが、やはり普通のMagnets以上に見にくいところにサイズが合わさりちょっと使える難易度じゃないなとなった経緯がありました。
バリアントの味と書きましたが、Double Lengthならではという動きはT字路周囲の性質かなと思っています(逆に言えばそれ以外はけっこう普通、見にくいけど)。出題版における大域二択はそれを意図して入れたものでしたが、結局それだけでは決まらないとなってしまったのでそこに引っかかってしまった方がいれば申し訳ありません。見える人であれば二択を置かなくても脳内で全部処理できるとは思いますが、私は実際に仮定しながら作りました(解説でもそういう流れにしています)。

他の方の作っていただいた問題の話も。

2. Snaky Loop (Nonogram): 最初解いたときは全然解き方が分からずヤバ問だと思っていましたが、解きなおすとちゃんと制約があっていい感じに探索できる良問だなと印象が変わりました。発想がいいですよね。

3. Loop (Double or Nothing): 本家で解いたときに自己交差禁を正しく使えなかったトラウマ(?)からかかなり厄介なパズルという認識です。初見だと詰まるというのはわりと共通だったと思っているので、当初より難易度を下げてもらいました。

5. Twopa: 初手をどこにするかが肝というのは割とこのパズルの特色ですかね。アンサーキーが大変なんですよね……。

6. Cross the Streams: パズルとしての魅せも解き味もよい上手いテーマでした。

8. Skyscrapers (Double): ダブり有ラテンがキツイのは宿命です。本家の配点もけっこうそんな印象でした。易化をお願いするのも考えましたが、手筋としては基本に忠実なので最高配点として修正はなしで採用しました。

10. Kropki: Skyscrapersが高配点というのもあって泣く泣く初期版から変えてもらいましたが、元バージョンのギミックは私もお気に入りでした。

13. S-Policy: 当初Sが逆になってしまっていたミスがあったのですが、私含め数人が見落としていて危うく不備を生むところでした。反転むずかしい。

実は今回中の人都合などでスケジュールが1週ズレになっていたのですが、無事に大会を開催出来てホッとしています。ところで、そろそろPre-PGPのプロジェクトが始まってから約2年経過したことになりますね(私自身は途中からの参加だったりしますが)。開催のたびにPre-PGPはパズルのいろんな面を知れる貴重な機会だなということを実感しているので、これからも長く継続させていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?