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中国で模倣品対策するには、商標権のみでは足りない

知財に関わる人間からすれば、中国での模倣品対策問題は、永遠の未解決テーマです。

一番悪質なのは、正規品と全く同じ形の粗悪品に、LOGOを付けて売り出している製品です。
私はこれを初期段階の模倣品でと称しています。

例えば、以下のようなもの。

(1)正規品と同じものに、LOGOを付けた模倣品

こちらは、プラダ偽物です。
特に、海外の有名ブランドのかばんとかの偽物がこちらに当ります。
このような模倣品は昔から存在し、昔は、北京などの大都会には、模倣品だけを売っている商店街もありました。多くの海外からの観光客に相手に商売をしていました。

ただし、最近の中国では、このような偽物を売る場合、掴まれるリスクが昔に比べ非常に高くなっているので、最近は、このような単純な模倣品は少なくなってきています。

そこで、日本の企業はまだ把握されてない模倣品として、ブランドイメージに悪影響与えるような、正規品では絶対に作るはずがない製品に、LOGOを付けた商品です。

(2)正規品としては絶対作らないはずの商品に、LOGOを付けた商品

これが、正規品としては絶対作らないはずの商品に、LOGOを付けた模倣品です。

これは、シートベルトに差し込むもので、これを差し込むと、車が走るときに、シートベルトしなくても、ブーブー鳴らなくするやつです。

こんな感じで使う製品です。
中国では、このような製品もかなり流通されています。
この製品って、シートベルトをしなくてもいいよ!と言うの製品なので、トヨタが正規品としてこんなものを作る訳がないと思います。
これも、トヨタとしては対策を講じる必要がある製品だと思います。

(3)正規品として作ってもいいけど、作ってない商品に、LOGOを付けた製品

例えば、この製品の場合、正規品として作っても良さそうだけど、実は、正規品としては作ってなくて、他人によって勝手に作られ、市場で流通されている製品です。

これらを止めさせるためには、この商品を含む指定商品や区分でも、中国で商標権を確保する必要があります。

特に、日本企業がメーカーである場合、このように自分はやってないけど、他人がやっている関連製品の区分で中国商標を持ってなくて、模倣品対策ができなくなっているケースが腐るほどあります。

これらの製品も、止めさせるべき製品だと思います。

このように、
中国で商標権を使って模倣品対策をするためには、
自分やっている商品区分だけではなく、
自分はやってないけど、他人がやるかも知らない関連する商品区分でも商標権を確保する必要があります。

このように、
中国では、商標権を侵害している製品も未だに多く存在しますが、
私がここで言いたいのは、
実は、中国では、商標権だけでは、模倣品対策が、十分にできないとのことです。

以下の事例を見ましょう。

(4)スタイルを真似した製品が非常に多い

このように、中国では、LOGOは真似せず、スタイルを真似している製品が益々増えています。

こちらの製品の場合、oannesと言うブランドで、日本のanelloかばんのスタイルを真似しただけで、商標権侵害ではありません。

しかも、こちらの会社は、中国で、18類のかばん関連で、中国でしっかりと登録商標を持っています。

ここまで攻めようとすると、中国で意匠権を持っていないと無理です。

すなわち、中国での模倣品対策って、商標権だけでは足りなく、意匠権の確保も必要になります。
この事例の場合、意匠権侵害品として訴訟を行う必要があります。
しかも、上記のように、スタイルを丸コピーする製品も益々少なくなっていて、微妙に設計変更された製品が増えています。

なので、中国で模倣品対策をするには、
回避可能なデザインまで確保することや、究極的には、特許権確保も必要になります。

中国での権利確保戦略、及び、模倣品対策について、もっと詳しい情報が知りたい方は、気軽にご相談ください。

以上

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