東京ヴェルディサポが横浜Fマリノスの試合を見に行き…感じたゴール裏の文化の違い②

さて、先日の記事でお伝えしたように、東京ヴェルディサポとしての身分を隠し横浜Fマリノスの試合に行ってきたわけですが、申し上げた通り普段は自分は東京ヴェルディのサポーターで、通常は熱烈なサポが集まる場所と呼ばれるゴール裏が主戦場で、アウェイにも近隣の試合は行くようにしています。

通常アウェイに行く場合はあくまでも「東京ヴェルディサポ」としてきているため、スタジアムで場内アナウンスやMCがホームのサポ向けに行っている試みなどはあまり気付かず、こちらのチャントを歌ったり他のサポさんと談笑しています。

しかし、今回は最初は物見遊山目的とはいえどちらかというとホームチーム寄りで見ていたので、いろいろな発見がありました。

それを踏まえて、自分が感じたことを今回は伝えたいと思います。


・「サポーターが作る応援」と「クラブが作る応援」

ヴェルディの試合ではGKやFP(フィールドプレイヤー)が入場すると音量が小さめのBGMが流れ、サポーターが「オイ!オイ!」などと声出しをして選手を迎えていますが、マリノスの場合はQUEENの「we will rock you」が大音量で流れており、サポーターの声はあまり聞こえなくなっていました。

ただ、これ自体は全然「あり」だと思ったんですよね。あの曲は気分が高揚しますし。要するにクラブ側が著作権や設備などの問題をクリアして、選手を送り出す雰囲気をサポーターとともに作っていると。サポーターが主導としている応援では、当然これは出来ないことです。アウェイなどではそれぞれのチームのやり方に合わせているのかもしれませんが、少なくともここ日産では、これが応援の文化なんだと。

そして、試合前には前節のハイライト映像や、クラブのイメージソングをそれまでの試合映像とともに流していました。まさにこれはクラブでしかできない「応援の形」なんですよね。東京ヴェルディでも今季からアカツキさん制作の高品質のPVが作られ、なかなか好評ですが、前節のハイライト映像や応援歌に乗せてのPVとかのアイディアがもっとあったらいいな、と見ながら思いました。

じゃあ、サポーターさんはそれに乗っかっているだけ?そんなことはありません。この日は動員試合ということもありゴール裏も満員御礼。一体感のある「碇を上げろ」チャントや「バモマリノス」チャントは迫力ありましたし、チャンスの時の手拍子もシンプルでみんな真似がしやすく、おそらく自分と同じく新規の人が多いであろうバック自由席の人たちも合わせて手拍子していました。

そして勝利の儀式「トリコロールパラダイス」。ゴール裏のサポーターの人々が揃ってトリコロールカラーのパラソルを回転させるセレブレーションはまさに圧巻です。ナイターの試合ではセロハンとペンライトで試合入場時に一度暗転したスタジアムをトリコロールカラーに染める幻想的なセレブレーション、「トリコロールギャラクシー」が行われます。これもサポーターを巻き込んだクラブ主導による応援の形です。本当に素晴らしいと感じます。

・なぜ「ゴール裏」の応援には抵抗があるのか

ただですが、じゃあ「ゴール裏」で次から一緒に応援したいかというと、そういう感じではないのです。

そもそも自分がヴェルディサポだからとか、昔の因縁があったからだとかそういうのはあんまりないんですよ。そもそもそういう関係だったのは昭和末期から平成初期の時代なんで記憶にほとんどなく、今のマリノスさんは、観光地横浜において、いろいろな娯楽や横浜DENAベイスターズなどスポーツ上のライバルも多い中、地域に密着しこれだけ多くのお客さんを集めている、尊敬すべきクラブです。

その上で、なぜかというとそこには、マリノスさんのゴール裏ならではコミュニティがあり、初心者がふらっと入れるような空間ではないと感じたからです。

マリノスさんのチャント、最後のセレブレーションといったゴール裏の文化は何年もの時間をかけ、試行錯誤ののちに構築されたものであると考えます。ただ、これは自分がバック自由の二階で見たこともあるかも影響しているかもしれません。もしこれがゴール裏で最初から見ていたのなら、まったく印象は違っていた可能性もあります。

でもおそらくそう伝えると、「ゴール裏って応援する人のための席でしょ?当たり前の事じゃないの?そもそもあなた普段はゴール裏の人なんじゃないの?」と言われると思います。

そう考えると、もし初見さんがうちの試合をバクスタから見るようなことがあれば、同じようなイメージを持つのかもしれません。

でも、東京ヴェルディのゴール裏って、他の大都市のクラブとはちょっと違うんです。

長くなってしまったので、次回の記事では私たち東京ヴェルディのゴール裏がどんなところなのかをお伝えしたいと思います。



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