テレビコマーシャルでひっかかった言葉

 メメントモリ

 たぶんゲームか何かの名前。この言葉を読み上げてる人は半分「なんとかの森」みたいなイメージを思い浮かべてるんじゃないかという気がする。ラテン語は知らないのだけど、赤信号が灯っているのを感じるのでインターネットで探ってみた。("i.e."って何のこと、とかは知ってる気でいるんですけど、それはラテン語知ってる、には入らないと思うので。)

 間違えてたらごめんなさい(というか教えてください)なのですが、次のようなことらしい。Memento! は memini(remember)の命令法現在単数、mori は morior(to die)の受動相不定法現在で、「死ぬことを忘れるな。」と言っているようである。そのあたりを見ている間に気づいたのだけれど、語末の o と i の上にはそれぞれ長音を表すバーがついていた。だから読み上げると「メメントー モリー」ということになるかと思う。

 絶妙かな

 給湯器の宣伝で、やはり若者の語調には「~かな?」という気分がこもっている気がする。赤信号を感じるのはそれだけではないと思われるので考えてみようとした。

 似た表現を捜してみようかと思ったところで謎は解けたようだ。石川五右衛門の南禅寺の楼門でのセリフが「絶景かな」だった。あとは古語辞典が教えてくれる。「かな」は体言または活用語の連体形につく、のだ。「景」が名詞であるのは明らかだけど、「妙」は名詞だろうか。名詞でないとすれば「絶妙なるかな」と言ってもらわなくてはならない。ところが手元の同じ辞典には「筆端妙をふるふ」という用例が載っていた。従って若者は「妙」(めう、技術の粋)を賞でているのであった。今回の赤信号は擬陽性であった。

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