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33.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(深津一成)


主人公佐藤アキちゃん、山王工高出身、大手雑誌編集部で働いている。


沢北:アキの幼なじみ 山王工高出身 アメリカ在住


深津:東京のプロチーム所属 沢北の先輩 山王工高出身 

南:大阪のプロチーム所属 豊玉高校出身
岸本: 大阪のプロチーム所属 豊玉高校出身

リョーコ:深津の幼馴染 東京プロチームのマネージャー
三井: 東京のプロチーム所属リョーコの彼氏


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※成人指定※

※直接的な表現ありなので、苦手な人はご遠慮ください


完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な男女として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。


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またあの日の夢を見てる。
夏祭りの日だ。
もうすぐ花火が上がる。

また花火が上がったら、
あなたが
私に好きだよ。って言う。

いつも返事をする前に目が覚める。
言葉の続きを待つ。

「俺の彼女になってほしい。」

世界は私たちを待ってないと知る。
それなのに酔いしれそうな言葉を聞くと
期待してしまう。未来を。

その言葉の次の展開を、
私は知らなくて
怖くて目を閉じた。
不思議とまた目を開ける時
心が躍った。


大きな腕で腕枕をされていた。
上目遣いで、深津先輩の顔を見る。

腕枕をしていない方の手で携帯を見ていた。
私の視線に気づいて、携帯を置いて頭を撫でる。

なんで裸なんだろうと考えながら
大事な事に気づく。

「今何時?」
はっとして深津先輩に聞いた。

「‥2時」

深津先輩が恨めしそうに言う。

寝てしまっていた!
そう思って項垂れる。

新横浜の取材から全然寝てなかったせいかな。
そう考えながら、まだお風呂も入ってない〜と
深津先輩の胸の中で考える。

「あのタイミングで…よく寝れるぴょん」
深津先輩が私の髪の毛をかきあげながら
眠そうに言う。
バツが悪そうに深津先輩を見る。

センターパートの髪、よく似合うな。そう改めて思った。
二重の目が眠そうに瞬く。
私が動くので、白い肌を隠すように布団をかける。

見惚れてから、やっと言い訳をする。
「一昨日から全然寝てないから…」
焦ってそういうと、そっか。と言って私をまた抱きしめ直した。布団を私にかけ直す。

あと…攻められすぎて…。
思い出して顔が赤くなる。

私の頭に、深津先輩が頭をくっつけてよしよしする。
「アキちゃん、頑張ってるぴょん。」
あんな事しておいて
優しいのってずるいよね。

思わず、深津先輩の脇腹から手を伸ばして私も抱きつく。
大きい背中。

「…深津先輩の方が練習たくさんしてるし…」
今チャンピオンリーグだし…。と
私邪魔してないかな。と心配になる。

「私…邪魔してない?」
恐る恐る聞く。

「電話さえ返してくれれば全然大丈夫。」
そう頭の上から聞こえてくる声はお願いされてるみたいだった。

「…ごめんね。」
謝る私を見て不思議そうにした。
「アキちゃんは悪くないぴょん。」
そう言って背中をひいて私の顔を見る。

「これから誤解されないように気をつける。」
そう言って私のほっぺを摘んだ。

これから…。
そう言ったのを聞いて
私告白、されたんだ。という
実感が湧いてくる。

「…アキちゃんがよければだけど…。」
深津先輩が目をそらした。

その後、私の揺れる黒目を見て顔を掴んでキスをする。

「深津先輩って…なんで、」
そう切り出す私を「ん?」と見る。
「私とセックスするの?」

単純な疑問だった。高校生の時も。
今も。
深津先輩は無表情でなんて言うか考えている様子だった。

腕枕をしながら、肩を抱いて天井を見る。
横顔を見つめてると私の方を見つめて言った。

「セックスする方が、言葉にするより簡単だから。」

全然簡単じゃないよ!!!
そう思いながら
「言葉にできない事があるってこと…?」
思わず問い詰める。

確信をつかれたような顔をして
また天井を見る。

「俺って、試合中はよく喋るぴょん。」
「うん…?」
突然何を言い出したのかなと思う。

「ポイントガードだから、喋るしかない。」

指示を出すからか。と理解しながら
言葉の続きを待つ。
「試合中は1秒先だって、どうしたらいいのか
よくわかる。だからスラスラ喋れる。」
そう言った後言葉に詰まる。

「それが得意な事だから、よく比較できて。
でもアキちゃんの事は、全然わかんなくなるぴょん。どうしていいかも、わかんなくて。何をして欲しいかもわかんなくなる。」

一生懸命、言葉を紡いで喋る深津先輩。
なんだか愛しくなる。

「感情だけが前に走って、コントロールできなくて
この状態が、好きって事なんだなって。」

そう言って私の目を見つめる。

「難しいから、もうアキちゃんに触りたくなるぴょん。」

私は頭がぐるぐるまわった。
でも今、さりげなく好きって言ったよね。

「深津先輩、私の事好き、なの?」
そう聞いた私を一瞬難しい顔で見る。
この状況が耐えきれないみたいだ。
何も言わないで軽くキスをされた。

「……彼女になる?」
唇を離して不安そうに聞く。
「…うん。」

なんか、夢みたいだ。
心の中が急に浮かれだして
不安になる。
初めて会った日、目が合った瞬間を思い出す。

明日の事を考えると、急に世界が変わったようだ。
全部が煌めきだして、疲れ切った体も
目の前にいる虚な目をした深津先輩も。
不完全な全てが、特別になる。
文句のつけどころもない。

「アキちゃん、泣いてるぴょん?」
急に少し焦り出す声。
「うん。嬉しくて。」
そう言って深津先輩の胸に顔を埋めた。
「…俺も嬉しい。」
全然嬉しそうじゃなくて、思わず笑った。
本当?そう小さい声で聞く。

「うん。でも…」
涙を拭いて顔を見る。
黒目がゆれていた。
「バスケも沢北より上手くないし、身長もあいつの方が高い」
私の驚いた顔を見てから、急にむっとして
「でも頭は俺の方がいいぴょん。」
そう付け足したので笑った。

「大丈夫だよ。深津先輩かっこいいから。」
私がそう言って背中に手を回した。
深津先輩がまたぎゅっとする。

「深津先輩の、後ろからくるくるするパス好きだよ。」

ふふっと深津先輩が笑う。
「なんで笑うの?」
私が深津先輩の顔を見上げる。
「初めて会った時も言ってたぴょん」
私が理解するまでにラグがある。
暑い日だった。
君を見つけた日。
お互い傷ついてて、若くて、全然完璧じゃなかった。

「ずっと覚えてたよ。」
そう言われて、また泣いた。
その言葉が何もかもを完璧にする。
会えなかった時間も、私を傷つけた時だって。



なんだろう体が軽い。
いつも通りのコンディションなのに。
そう思ってバッシュの裏を拭く。

頭の中でセットプレーを練る。
けたたましいファンファーレも
やけに派手なスポットライトも
何も気にならない。

仙道がスクリーナーになって、
流川のマッチアップ相手の動きをブロックする。
その隙を突いて、自分から三井へパスを出し、
三井が有利な状態からスリーを打たせる。

何度もやってきた。
南にはこれがいいだろう。

なんでだろう。
どうしようもなく浮かれそうな心を落ち着かす。
根拠のない自信がある。
目の前の瞬間が楽しく思える。
抱えきれないと思っていた事は
抱えてみると、こんなに自分を奮いたたせた。

アリーナで、今日聞いておいたアキちゃんの席を探す。
少し、心配そうな君。
その顔を見る。
こんなにたくさん人がいるのに。
君のことはすぐ見つける。

足が軽い。
当たり負けなんかしない。
挑発的にオフェンスする南をインサイドに引き付けて
シュートする振りをしてビハインドパスをする。
インサイドアウトだ。
スリーのラインにいる三井にボールが渡る。
綺麗なフォームを見て、ボールの行き先を見ずに次を考えた。

アキちゃんを見る。
手すりに捕まって前のめりでこちらを見る視線。
思わず指を指した。
戻り側にふふっと笑う。
アキちゃんの好きなパスだから。



「佐藤さんいい事あった?」
試合後、東京チームの元へ取材に行く途中
水原さんがそう切り出した。

「なんでですか?」
階段を降りながら、大きい声が出た。

「ずっとにこにこしてるから。」
「はは…。」水原さんにはお見通しか。
「いい事ありました。」と笑顔で答えた。
「よかったね。」
そう言われて、そういえば水原さん今日
三井選手で騒いでなかったな。と気づく。
少しの違和感を感じた。

「水原さん…。」
「ん?どうしたの?」
「そういえば、行き帰りの新幹線のチケットって、水原さんが手配してくれてたんですね。」

そう言ったのを聞いて、水原さんが目を逸らす。
「そーだったかなー。」
「…ありがとうございました。」
色んな意味があって、
そう言われた水原さんが笑顔になった。
わざと、深津先輩の隣取ってくれたのかな。
水原さんには敵わないなぁ。と思いながら
どうやってわかったんだろう。と考えこむ。

選手と合流する。

ベンチの近くの選手に駆け寄る。
深津先輩を見つけた。
あ、なんか昨日の今日で照れくさい。
未だに信じられない。
この人と付き合ってるなんて。

ビブスを引っ張って汗を拭いていた。
腰に手を当てて、仙道選手と話している。
こちらに気づいて会話をやめる。

「パス見たぴょん?」
「あ、え。」あの事だと気づく。
こっちを指差すから、ドキドキして
気づかれたらどうしようって無駄な心配をした。

「くるくるパス?」
それを聞いて頷きながら深津先輩が笑う。
あっ。珍しい。私でもそう思った。

みんな深津先輩が笑ってるので
一瞬視線をこちらに向けた。
隣にいた仙道選手が目を丸くした。
私を見て笑う深津先輩が可愛くてときめく。

私がアタフタしながら、インタビューの事を切り出してなんとかその場を誤魔化した。



帰りの新幹線、東京へ帰るために重い荷物を持って指定席を探す。
行きと比べて、嘘みたいに心が軽い。

少し淡い期待をする。
指定された2人席を見つける。
リョーコさんと三井選手を見かけて会釈する。
試合を除いたら部屋で会ったきりなのでお互いきまづい。

席を見つけると、奥にキャップを深く被った深津先輩が座っていた。
水原さん…本当にどうやって席把握したんだろ?
不思議に思いながら、
こちらに気づいた深津先輩の表情が緩むのを見る。
思わず笑顔になる。

しばらく何も言わずに私の隣で足を広げる。

緊張の糸が切れたように私の肩に寄りかかる。
「深津先輩…見られるよ。」
「わざとぴょん。」

「南さん達は大阪だから、これに乗ってないよ。」
そう言うと、寄りかかりながら私の顔を見た。
なんだ。と言う顔をしながら
そのまま、不貞腐れた子供みたいな顔して頭をわざと押し付けて肩に寄りかかる。

ガードが緩い深津先輩が可愛い。

「今チャンピオンに独占インタビューするぴょん?」
無表情で言ってのける深津先輩が
誇らしかった。

「それは…贅沢すぎるね」
「セックスしてくれたらいいよ。」
上目遣いでそう言われて、ちょっと。と周りを見る。
「嘘ぴょん。」
顔を赤くしてしばらく
快適な沈黙を過ごす。

「…アキちゃん好きな食べ物なにぴょん。」
思わず、深津先輩の顔を見る。

セックスは恥ずかしくもなさそうに言葉に出すのに
こう言う事聞くのは恥ずかしいんだ…?
深津先輩って変わってる。
そう思いながら考える。

「お魚かなぁ。」
「魚かぁ。」
深津先輩が携帯の画面を見せる。
たくさんブックマークがあるGoogleマップを見せられた。
その中の一つのお店を見せる。
「ここ行くぴょん。」
「ご飯?」
うん。と頷く
「アキちゃん、大丈夫な日。」
ぎこちなく目線を逸らす。
やりづらそうな深津先輩が面白い。
誘ってくれた事が嬉しくて頷いた。

満足そうに携帯を置いて目を閉じる深津先輩。

「東京に帰ろう。一緒に。」
そう呟いた深津先輩は
遊び疲れた子供みたいだった。

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