23.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(南烈、三井寿)

主人公佐藤アキちゃん、山王工高出身


沢北:アキの幼なじみ 山王工高出身 

深津:東京のプロチーム所属 沢北の先輩 山王工高出身 

南:大阪のプロチーム所属 豊玉高校出身
岸本: 大阪のプロチーム所属 豊玉高校出身

リョーコ:深津の幼馴染


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完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な男女として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。


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「え…ここって。」
私はUSJに来ていた。

南さんから呼び出されて、集合場所が
ユニバーサルシティ駅になっていたので
おかしいな。とは思ったんだけど。
キョロキョロしながら南さんの姿を探す。


すると肩に肘が置かれたので、思わず振り向く。
「佐藤ちゃん。きたで。」
南さんがキャップを被って、いつものように口角を上げて笑っていた。

「南さん!ちょっと、ここUSJですよね…?」
「せやで。」
そう言って先に進むので、追いかける。

「もしかして…いくんですか?」
「当たり前やろ!」
そう言って、私に携帯の画面を見せる。

「エクスプレスパスとっといたで。」
「えっ?全部乗れるやつですか?」
それを聞いてニコッと笑う。
「入場時間決まってんねん。急ぐで。」

落ち込んでた気持ちが少し
前向きになる。
「あっ、でも新幹線。」手持ちの新幹線チケットの時間を確認する。
「ええよ。佐藤ちゃんの分もとるから、俺が。」
「だからユニバつきおうてよ。」

そう言われて先を行かれるので、どうしよう。と思いながらついていった。


「えー!マリオ!」
私が目をキラキラさせて指を指すので、南さんもつられて笑った。
「ちょっと写真とらへん?」
そう言われて、ハテナマークを押すジェスチャーをする私。

その様子を見て南さんが手で私のポジションを調整する。
その後、2人でマリオカートに乗って、年甲斐もなくはしゃぐ。

「佐藤ちゃん、絶叫系乗れるん?」

次のフライングダイナソーを携帯の画面で2人で見ながら、南さんが私の顔色を伺う。

「あー、乗れないんですけど。なんか…乗りたい気分です。」
「なんやねんそれ。」
私の顔色が一瞬曇ったので、南さんが何かを察する。
ぽんっと背中を叩いて、
「じゃあ、今日はとことん楽しもうや。」
そう言ってジュラシックパークのエリアまで歩く。

少し並びができていて、南さんと順番を待つ。
南さんが自然と、歩きやすい方に誘導してくれた。

なんか、南さんとそんなに会った事ないのに、
2人でいても自然だな。とふと思った。
デートってこんな感じなんだな…。と考える。

そう思った後、デートなのかな、これ。と
少し恥ずかしくなる。

「佐藤ちゃんといたら、気使わんくて楽しいわ。」

南さんが笑いながら私の顔を見て言う。
頭の中で考えた事、聞こえたのかなと思って南さんの方を見る。

「バスケばっかりやからな。たまには可愛い子と遊ばんと。」
そう言って口角を上げて笑うので
顔が赤くなる。

「試合、すごかったですね。」
ふと、思い出してそう言う。
「勝たんと意味ないけどな。」
そう言ってキャップを被りなおす南さん。
「勝ったら100倍楽しいもんな。」
南さんは子供みたいな表情をした。

「私、プロの試合初めてだったんで、凄い楽しかったです。」
食い気味で言う。
「南さん、すごかったですよ。シュート。」
私がしゅっとシュートする振りを見て、
急に手首を触られた。

「佐藤ちゃん、意外にスナップ強そうやね。」
南さんが何も考えてなさそうに触りながら言ったけど
私は触られてびっくりしていた。
少し動揺してよろける。

腰を掴まれて支えられた。

「きぃつけや。」
南さんは特に何も考えてなさそうだから、
1人だけドギマギしてて、恥ずかしくなる。

「佐藤ちゃん、深津と付き合うとるの?」
急にそう聞かれて、腰を掴まれながら固まる。

「つき、あってないです。」
「付き合わへんの?」

真っ直ぐ目を見て聞かれて、素直に言葉がでる。
自分でも考える。
私深津先輩と、どうなりたいんだろう。
好き。
どうしようもなく。
でも、深津先輩の足手纏いになりたくない。
卒業式のサヨナラと言った深津先輩が
頭の中でループする。
深津先輩は私とどうなりたいんだろう。

「…わかんないです。」
その答えが少し意外だったのか、
「なんやそれ。」
と南さんが腰に添えた手を離す。
「沢北から聞いたで。色々佐藤ちゃん達のこと。」
「えっ。なにをですか…?」
私が動揺する。
深津先輩が飲み会に迎えに来た日、
南さん達あれから沢北と飲んでたんだ…と
この時気づく。

「いや。好きなんやろ。お互い。」
「…。そう、なんですかねぇ?」
私が煮え切らないことを言うので、はぁーとため息をつく南さん。
「なんや、めんどくさいのぅ。」

そう言って私の手を握った。

「自分の中で大事なもんは決めたら突っ走るだけやで。」

あ、ちょっと。
そう言う私の顔を見てフライングダイナソーの乗り場に連れていく。

ニコッと私の顔を見て笑うので一瞬ときめいたけど、凄いスピードでアトラクションが進んだので叫ぶのに精一杯になった。



げっそりする私の様子を見て
「ちょっと待ってて」
と言ってどこかへいく南さん。

やっぱ…絶叫系乗れないわ。私。
と改めて実感する。
頭の中のモヤモヤを消したくて
乗ってみたけど、やりすぎたかも。と思う。

「佐藤ちゃん。近くのレストラン空いてたからいこか?」

顔色が悪い私の手を引いて、先を歩く南さん。
なんか、南さんて積極的だなぁ。と急に意識する。
私もこんな風にはっきり色々行動できたらな。
と自分が嫌になる。

テラス席に通されて、気分が落ち着く。
南さんがメニューを出して
なんでも好きなの食べ。
と私の顔を覗く。
「パンケーキもあるで。」
一生懸命進めてくる様子が可愛くて思わずふふッと笑った。

「なんで笑うねん。こういうの好きなんやろ。女子は。」
笑いが止まらない私の様子を見て南さんが、安心したように見る。
「じゃあ、俺は探検隊セットやな。」
「南さん、それ子供用ですよ。」
「本当や!俺これ1番食べたかったんやけど。」
ははっと2人とも笑った。

南さんてクールなイメージがあったからこんな所あるんだな…。と面白かった。

結局パンケーキを頬張る私を、
じっと見つめる南さんの視線に気づく。

「何、悩んどんの?深津の事やろ。」
その名前を聞いて驚きながら、また表情が暗くなる。

「…私の問題だと思うんですけど、自信なくて」
思わず言葉が出る。
「周りの人は深津先輩がどんどん有名になってる姿を見てたのに、私は見てないし。」

リョーコさんが頭に浮かぶ。
南さんがジュースを飲みながら黙って聞く。

「深津先輩は私が近くにいるのを、望まなかったし。」
ジュースがなくなってズーッと音が響くと、南さんがグラスを置く。

「何言うてるか、ようわからん。」
それを聞いて私がガクッと肩を落とした。
そうですよねぇ…とヘラヘラする。

「本当に望んでると思った事が、いざそれに向かって走っとると、実は望んでる事から遠ざかる事って、よくあんねん。」

南さんがポテトをつまみながら遠くを見た。
「深津もそれが正解やと思ってたんやろ。その時は。」
知らんけど。と付け足す。

「バスケしかしてこうへん男なんて、余計そんなもんやで。」と笑うので、はぁ〜。と私が相槌を打つ。
まぁでも。と付け足す。
「要はタイミングやな。」
私の顔に手を伸ばして、ほっぺを親指でなぞられた。
固まってる私に、指についた生クリームを見せられる。
ついてたのか…と恥ずかしくて
すみません。と言いながら顔を手で拭く。

「深津も、グズグズしてると、横からかっさらわれるで。」
きょとんとする私。

「そう、言うといたるわ。」
南さんが笑った。

冗談なのか本気なのか。私も困りながら笑う。
でも南さんの真っ直ぐさになんだか元気が出た。
相談してよかったかも。
と私は呑気に考えていた。

「あっ。大阪の、南じゃねーか。」
あ?と南さんが反応する。

席の後ろを見ると思わずギョッとした。
「おー。三井やん。」

南さんも流石に驚いて見ていた。
リョーコさんが三井選手と数人のグループが同じレストランにいた。

リョーコさんがちょっと。と呟いて三井選手を小突いていた。
触れない方がいいという顔をしていたので、
はは。。と愛想笑いをする。
三井選手が話しかけてしまったので
「沢北君の…!えと…幼馴染の子よね?」
言葉を選びながらリョーコさんが話しかけてくれた。

思わず席を立って挨拶する。
「ほら、私、深津一成の幼馴染!」
そう言って自己紹介される。

リョーコさん…覚えてますとも。もちろん。と
思いながら「お久しぶりです。」
と言う。

前より男っぽいクールな印象のリョーコさんに一瞬見惚れた。
リョーコさんがハキハキ一緒に来ていたスタッフを紹介する。チーム運営のメンバーだそうで、挨拶する。

「私、今マネージャーしてるんだよね。」
そういう事なのか…。と理解しながら
仲良しだなぁ。リョーコさんって明るくて誰とでも仲良くなれそうだもんな。と三井選手の方を見る。

今もまだ深津先輩の事まだ好きなのかな。と思いを巡らす。

「おう。深津はおらんのかい。」
南さんが顔を乗り出して三井選手に聞く。
「深津?あいつ東京に先に帰ったぞ。」
流川達と一緒に。と付け足しながら三井選手が不思議そうな顔をする。

「なんや。おもんないの。」
南さんがそう言うので、ちょっと…。と言う顔でじっと見ながら安堵してる自分がいた。

「お前ら何してんだ?」
三井選手が指を刺して聞く。

「見て分からんのかい。デートや。」
「デートじゃないです。」

私が食い気味に被せて否定する。

「野暮な事聞かない。」
リョーコさんが三井選手に肘を入れる。
「なんでだよ。」
三井選手は不思議そうだったけど
リョーコさんは笑顔で気を遣って撤収しようとする。

「じゃあ、また試合来てね!」
そうだよね。リョーコさんはチームの一員なんだもんな。
そう思いながら、はい。是非と答えた。

みなさん。言いますよね…きっと…深津先輩に。
笑顔を作りながらビクビクした。

「強敵そうやな。」
リョーコさんの姿が見えなくなってから南さんがそう言った。
勢いよく顔を見る。

「確かになぁ。推しが強いのに弱そうやもんなぁ。深津。」
私の方をチラチラ見ながら言うので、
私が思わず嫌そうな顔をする。



「ハリーポッターは大丈夫やったん?」
「あれは綺麗で楽しかったです。」

東京に向かう新幹線で、楽しかった思い出話に花が咲く。
「佐藤ちゃん、楽しかったならよかったわ。」
安心したように車窓に肘をつけて南さんが答える。
ふと、はしゃいで話していた自分に気づいて恥ずかしくなる。
本当だ。私元気になってた。

「あ…。ありがとうございます。」
沢北とはディズニーシー行ったけど、男の人とこういう事するのあんまりないのにな。
南さん一緒にいるのに気使わなくて楽しかったな、と思い返す。
意外と優しいんだな…。
と南さんの顔を見た。

「もう次東京です。」
自分でも言いながらびっくりする。
時間があっという間にたっていた。
「引率ご苦労さんです。」
南さんが私を見て頭を下げる。
いえいえ〜と私が手を左右に振る。



「南さん、ここみたいです。」
タクシーの窓越しに、南さんの窓の方を指差す。
ホテルのエントランスが見えて、タクシーをつけてもらう。
送迎の車の列が出来ていた。

「南さん、楽しかったです。元気出ました。頑張ります。」
そう言って、笑いながら南さんに言う。

「深津の方はあんま頑張らんでええよ。」
「え…。はは…。」
口角を上げて言うので、一瞬止まって南さんの目を見た。

「今日もっと、一緒にいれへんの?」
南さんが窓に肘をついて、私の顔を見て真っ直ぐ言う。
あまりにも、真顔だから
思わず言葉につまる。

一瞬車内の時計を見て、22時を回ってるのを確認する。

「あー、でも、明日仕事なんで。私はこれで。」
「なんや、残念や。」
南さんが座席にもたれて残念そうに外を見る。
そういう意味じゃないって思っても、一瞬ドキドキした。

「深津に泣かされたら、いつでも会いに来てや。」
そう言ってタクシーの人にカードを渡す。
あ、私出しますんで。といった私の手を振り払われて、私の分のタクシー代を運転手さんに渡す。
タクシーの人が領収書をだす間
南さんが私に顔を向ける。
顔をさらに近づけて、私の目を見る。

頭をポンポンされた。
「ほな。またな。」

顔を赤くした私を残して、南さんは手を振ってホテルに入って行った。

キスされるかと思った…。と座席に大きくもたれかかった。

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