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22.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(沢北栄治、深津一成、南烈、岸本実理、???)


主人公佐藤アキちゃん、雑誌編集部で働いてる。山王工高出身


沢北:アキの幼なじみ 山王工高出身 


深津:東京のプロチーム所属 沢北の先輩 山王工高出身 


南:大阪のプロチーム所属 豊玉高校出身
岸本: 大阪のプロチーム所属 豊玉高校出身

リョーコ:深津の幼馴染


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完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な男女として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。


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「本当に冗談じゃなかったんだ。」
南さん達が所属してる大阪のプロチームの試合観戦チケットが雑誌編集部宛に届いた。
しかも最前列。

水原さんが大張り切りで、撮影班を引き連れて会場入りする。

南さんを取材した特集が載るにはまだ時間があるので試合中の写真を今回は使用することにした。
撮影もするし、試合を見た編集部の感想企画も新しく編成する。

大きなアリーナを見わたして、深津先輩を思い浮かべる。
こんなところで試合してるんだいつも…。

大阪出張が決まってからは、目が回る忙しさだった。

南さんの特集構成を、今回の出張で編成する事になり、てんてこ舞いだ。

あれから、深津先輩とは寝る前の電話を
たまにする程度で会えてない。
大阪に行く話もしそびれている。
不安と、浮かれてる気持ちが忙しい。

水原さんが招待してくれたスタッフに挨拶しながら、最前列へと向かう。
撮影班はコートにもっと近い撮影場所へと移動する。
ここまできたらあとは試合を今は楽しむだけ。
そう思ってやっと息をつく。
水原さんが先ほどからチラチラ私を見る。
視線に耐えきれず話しかける。

「どうかしましたか…?」
「佐藤さん…もう知ってると思うけど…」
そう言って試合のパンフレットを渡す。
「南選手のチームの対戦チーム見たよね?」
「対戦チーム?」

南さんから差し出された今日の試合プログラムに目を通す。
「えっと…東京のチーム?」
名前を見てはっとして水原さんを見る。
「深津先輩のチームですか?!?!」
「…知らなかったのね。」

盲点だった…。
忙しすぎてバスケットの試合の内容まで把握してなかった。
ここは撮影班が打ち合わせしてたので、
観戦楽しもう。くらいにしか思ってなかった。

大阪行く事言えばよかったな。とガックリ肩を落とす。
深津先輩とは、あまりバスケの話をしていない。
なんとなく、高校生の時に距離をおかれた理由が
バスケをするためだったんだろうな。と
察していたから、そこに深く足を踏み込まない方がいいかな。
と思っていた。
そこが私の1番の悩みの種ではあるんだけど。
また、いつ深津先輩に距離を置かれるかわからない…。


「Bリーグでは1番深津選手のチームが人気だから、私試合見るの楽しみにしてたのよね。」
水原さんが珍しく浮かれた様子で言う。

「はぁ…。」
私はそわそわしてそう答えるのがやっとだった。
私たちの席は、大阪チームよりのベンチ側。
試合が近くで見える席だった。
私たちの会場入りは少し遅かったので、
ウォーミングアップは終わっていて
各選手は会場入りしていた頃だった。

もう深津先輩もいるって事だよね…。

話せないかもしれないけど、深津先輩を見れるんだ…!
そう考えて
今日のメイクと服装を改めて確認する。

深津先輩のユニフォーム姿見るの、高校生以来だなぁ。

定刻通りに会場が暗くなり、オープニング演出が始まる。
炎や光のレーザービームで会場が盛り上がる。

ナレーションの声と暗転する演出に
思わずドキドキする。
大阪チームが軽快に名前を呼ばれてコート内へ登場していく。
南さんと岸本さんも、なんだか別人みたいに見えた。
プロの選手なんだな。選び抜かれた。と思うと
心から試合を見にこれてよかった。と思った。

暗い会場だから流石にこちらは見えないか。と
思いつつ、盛り上がっていく会場を尻目に
コートと予想以上に近くて、南さんと目が合う。

気づいてから南さんが岸本さんの肩を叩いて、
2人が目を凝らすジェスチャーをして
こちらに手を振った。
「ははっ。」
思わず笑いがあふれて、
水原さんと2人で手を振る。

雰囲気がまた変わって、東京のチームがコートへ入場する。
選手の名前が呼ばれていく。

会場中央に吊るされた大きなセンターハングビジョンにもでかでかと名前が映し出される。

「三井 寿」

その名前がでると黄色い声援が耳をつんざく。
水原さんも声を出していたので、
いつのまに好きになったのだろうか。と横目で見つつ、すごい人気の選手なんだな…と思う。

「仙道 彰」「流川 楓」と名前が続き、さらに女性の声援が大きくなっていく。

こんなに人気のチームだったなんて…。
と少し怖気づく。
確かに特集を考えたチーフのセンスは間違いない。と思った。

その時、聞き慣れた名前が聞こえる。
「深津一成」
心臓がドキっとする。
なんで名前だけなのにこんなに
ドキドキするんだろ。

深津先輩がコートに入場した時、
思わず立ち上がって声をだした。
それを水原さんに見られて、おとなしく席に戻る。
外国人選手の名前が呼ばれて、選手紹介が終わる。

え、ちょっと待って…。
深津先輩、本当かっこいい。
真剣な顔に見惚れる。
思わず口を手で抑えた。

今コートで立っているあの人が、私の家にいたなんて信じられない…。
あ、やばい見過ぎかなと思っていたら水原さんが三井選手を同じように見つめていたので、唖然とした。
深津先輩の名前を呼ぶ声が聞こえて、やっぱ、女性ファンも多いな。と再認識する。

コートが明るくなり、試合が始まろうとする。
「見てろや!」
岸本さんがこっちを指さして笑うので、思わず吹き出して手を振った。
南さんも片手をあげて、口角をあげる。
あはは、と手を振っていると
東京チームが岸本さんの方を見た後に、なんとなしにこちらに視線が行くのがわかった。

深津先輩さすがに、気づかないよねと思いながらちらちら深津先輩を見る。

その後けたたましいファンファーレが鳴ってそれぞれ監督の元に駆け寄る。
ベンチ側なので大阪チームととても近かった。

完全にコートが明るくなって、
東京チームの方に目をやると、急に心臓がなった。
気のせいかもしれないけど、
いや、多分そうだ…。
目が離れなくなる。
「なんで…。」
思わず小さく声が出た。

東京チームのベンチの方にリョーコさんが立っていた。
長かった髪はバッサリショートカットになっていたけど、美人な顔が際立っていた。

仲良さそうにチームメンバーに声をかけている。
一気に心がモヤモヤする。

リョーコさんはずっと深津先輩のそばにいたんだ。
そう思うと、心がとても暗くなった。

少し上の空になった時、試合が始まる。
南さんがディフェンスを突破して3Pをきめた。
かなり攻めたオフェンスに会場がざわめく。
そのどよめきではっとする。

「勝つで。」
そう言って深津先輩を指差して戻っていた。
いつも通り無表情の深津先輩がそれを見つめる。



「あらら。カリメロ、深津にバチバチじゃねーか。てっきり流川に来ると思ったが。」
三井が手ぐすね引いて待つ。
「あいつが抜かれるの珍しいな。」
そう仙道に話しかけた。

「あわてるこたーない。見ろよ。」
仙道が深津を顎でさす。

「なんかあいつ今日違うぜ。」
深津が黙ってディフェンスの姿勢に入る。

「確かに元気そーだな。」
ははっと笑って三井がポジションに戻った。

また南が切り込むのを深津があえて誘う。
気づいた時にはボールがカットされて
深津が3Pを決めていた。

深津が何も言わずに南を見ながら通り過ぎる。

「なんや。お前もバチバチかいな。」
南が深津にそう言った。



試合の休憩時間になった。

「はぁ〜〜」
私と水原さんが椅子に倒れ込む。
すごい…息をつく間もない位、シュートの応戦で興奮しすぎちゃった。
こんなに試合ってハラハラするんだな。

「佐藤さん…バスケの試合ってこんなに凄いのね。ハマりそう。」
「…そうですね。」
2人ともすでにぐったりしていた。
毎回見にきてたら、深津先輩がかっこよくて身がもたなそうだ…。

その時、イベントが始まる。

場内カメラとビジョンを使って観客席を映し、
撮影いたします。
というアナウンスが入って、水原さんと大きなセンターハングビジョンを見つめる。

水原さんが叫びながら大きく手を振った。
すると大きな液晶に私と水原さんがズームで映し出される。
「え。」
一瞬フリーズする。
「笑顔でアピールお願いします!」
会場を盛り上げるアナウンスが始まる。
映ってしまったのでしょうがなく、私も作り笑顔で手を振る。

岸本さんと南さん達がそれを見て笑っている声が聞こえた。


「あれ?沢北君の彼女さん?じゃないの?」
リョーコが深津に液晶を指差して話しかけた。
ん?と深津が液晶を見て一瞬止まる。

「…ちがうぴょん。」それだけ言ってドリンクを飲んだ。
「あ?なんだ知り合いかよ。」
三井がリョーコに話しかける。
「絶対そうだよ!山王の子よ。」

「北沢の彼女?」仙道も液晶を見て言う。
「沢北君ね。」リョーコが付け足す。

深津が大阪チームに目を向けると、南が後ろをやたらと気にしていた。
ベンチの後ろに座っている見覚えのある子に目が止まる。

「勝つで。」
そう言った南が頭に浮かんだ。

「付き合ってないぴょん。」
そう言って、みんなを尻目にコートに戻る。

「なんだ…あいつ。」
三井がきょとんとする。
リョーコは違和感を覚えた。

「流川。」
深津が流川に近づく。
「南はまた俺を挑発してくる。俺がのった振りしてドライブで抜かせるから、お前がカットするぴょん」
「…うす。」
ポジションにつくと
後ろから「ナガレカワ久しぶりやな!」
という威勢のいい声が大阪チームから聞こえてくる。
流川は南に一瞥して頭を下げた。




試合後のセレモニーで勝者インタビューが始まる。
キャプテンの深津先輩が、液晶に映し出された。

しっかりと話す姿を見て、違う深津先輩の一面を目に焼き付ける。
ずっと日本一のチームの主将だったんだもんね。
なんだか本当に、芸能人みたいだな。と
気が引けた。
それと同時に、
私達の関係ってどうなっていくんだろう。と
不安を覚えた。

女性ファンの観戦もあいまって私は萎縮する。

みんなの歓声が鳴り止まない。
アップテンポの曲が鳴り響いて盛り上がりがマックスになる。

深津先輩がベンチに戻っていく姿をなんとなく目で追う。
何やらスタッフお話している様子が目にはいる。
スタッフがびっくりした様子で
バックにいるスタッフを呼んでいた。
どうしたんだろう。と思っていたら
前方から声をかけられて振り向く。

「佐藤ちゃん負けてもうたわ。」
「南さん!」
コートからフェンスに寄りかかって話しかけられた。
「水原さんもわざわざ来てもろたのに、すんません。」
とても面白かったです。と水原さんが会話を進める。
「南さん、明後日からの東京取材前のりされますか?」

「え?南さん東京くるんですか?」
「せやで。西日本のプロチームが練習入りするから運営スタッフと会うねん。そのついでに水原さん紹介しよおもて。」

水原さん…さすが抜かりない…。
凄いなと思って水原さんを見る。

「あ、佐藤さん南さん東京まで引率してあげてね。」
「え?」
はい、新幹線チケット。と2人分をポンと手渡される。
「ええ?!」
「俺、1人でいかれへんもん。佐藤ちゃんよろしく。夜連絡するわ。」
そう手を上げてコートに戻って行った。

「水原さん…。」
「ごめんねー。南選手が条件で佐藤さんを東京までの引率で付けてっていうからー。」
手を合わせてお願いされる。
連絡先教えておいたから。と段取りがされていて何も言えなくなった。

呆然としてると、水原さんが急にはっとして左を見ながら立ち上がってお辞儀する。
どうしたのかと目を向ける。

フェンス越しに深津先輩が手を置いて、手招きする。
家で会ったぶりなので、思わず深津先輩だ…。と胸が高まる。
水原さんを見ると、行って来なと言ってくれたので、近づくのをためらいながら近づく。
「大阪くるなら言うぴょん。」
無表情だけど少し嬉しそうな深津先輩の顔を見て一瞬、マイナスな感情がふっとぶ。
当たり前だけど、いつもの深津先輩だった。
「まさか深津先輩のチームだと思わなくて。」
ああ。と言う顔をしてなんとなく、仕事で大阪チームの件で来たのか。という雰囲気を察してくれた気がした。
「これ、あげるぴょん。」
「なんですか?」
手渡された、二つのミニバスケットボールを受け取る。
そこには深津先輩のサインが書いてあった。
「液晶に顔が映ったらそれ、もらえるぴょん。」
ああ、さっきのイベントか。と思い出す。
もう一つの方は三井選手のサインだったので、水原さんにあげようと思った。
「…ありがとう。」
ん。と言って手を振って戻っていく。

後ろから、
「え、あれ普通受付でもらえるやつだよね?」「直接選手からもらえるの?」
「やばくない?」
というどよめきが起きていたので、
そうなんだ…。
と思っていそいそと席に戻る。
戻っていく深津先輩を南さんがじっと見つめていた。

案の定水原さんがボールを見て大はしゃぎするので、それを見て嬉しくなった。

深津先輩の方を見るとリョーコさんと話していて、感情が忙しかった。


「一成。直接渡しにいったの?」
リョーコがそう聞くので「ぴょん」とだけ言う。
ふぅーん?と不思議そうに相槌を打った。

「やっぱり、あの子だよね…?」
首を傾げる。
「沢北君と別れたって事かぁ?」
リョーコが独り言いうのを遮って三井が話しかける。
「腹減ったー。リョーコ飲み行こうぜ。」
「おっ、どこいく?」
「大阪よくわかんねーよ。」
「わかった調べとくわー。」
携帯をいじりながら、深津の方をチラッとまた見る。
「なんか、機嫌いいな?」
顔を見てつぶやいた。

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