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18.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(沢北栄治、深津一成)

主人公アキちゃん、山王工高出身

沢北 アキの幼なじみ アメリカ在住 山王工高出身 

深津 プロチーム所属。沢北の先輩 山王工高出身 

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完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な高校生として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。


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昨日の家に帰るまでの記憶が全くない。
深津先輩の寝顔を見上げながら固まる。

深津先輩の事は考えないようにしていたのに、
今深津先輩の胸の中にいて、懐かしい高校生の気持ちでいっぱいになる。

どこかで望んでたのに、いざ目の前にあると怖くなる。
また勝手に期待して、深津先輩が離れていったら
立ち直れないかもしれない。
その瞬間、私は傷ついていた。
と気づく。
別に付き合ってる訳でもないし、自分も一途でいた訳じゃない。
手に入りそうになると、いつも私達はダメになる。

でも、もうこんな瞬間こないかもしれない。
私は深津先輩にまわしていた手に少し力をいれる。
ずっと会いたかった。心からそう思った。

私が動いたので、深津先輩が腕を動かす。

目がかすかに開いて、私と目が合う。
段々大きく開く目。
…明らかにきまづい。
なんて声をかけたらいいかわからない。
私が戸惑っていたからか。
目が途端に優しくなったので、なんだか安心する。
「…おはようぴょん」
深津先輩がゆっくり起き上がって
固まる私を見下ろす。
「体大丈夫?」
前に一度言われた事を思い出して自然と顔が赤くなる。
「え…、深津先輩、私もしかして、何かしました?」
喋るたびに頭がガンガンして起き上がれない。
深津先輩が、ん?と言う顔をして、少し考えて、あー。と声を出す。
「アキちゃん、すごかったぴょん」
立ち膝して腕をのせてため息をつく深津先輩を見て、「え、えー?」と頭をおさえる。

「覚えてないぴょん?」
寂しいような安心したような表情を見て、嘘をつくか迷ったけど、すぐバレそうなので「はい…」と言った。
深津先輩が体操座りをして、あらためて私の部屋を見渡す。
なんだか急に恥ずかしくなる。
私の部屋に明らかに深津先輩は浮いていた。
深津先輩が、後ろにあるウサギの人形を手に取る。
「…あ、それ。」
私が急に顔を赤くしてその人形をとりあえずようとするけど、それは叶わなかった。
人形と私を交互に見る。
「ピョン吉おはようぴょん」
そう言って私を見たので、なんでその名前を…と顔をシーツにうずめた。
もうお酒飲みたくない…。
走って逃げたくなった。

深津先輩が肩を揺らしていたので、チラッと見ると笑っていた。
思わず見惚れた。
深津先輩が笑っていると幸せな気持ちになる。
私の視線を感じて、口角を上げてこちらを見る。

「アキちゃんがよければだけど…」
手の中のウサギに視線をうつして、真剣な顔をする。
「たまに会わない?」
ぴょんと小さく付け足す。
なんだか自信がなさそう。
え。と思わず声が漏れる。
「いいんですか?」
すごい二日酔いなのできっと今、顔はひどいだろう。
体調も悪いし、気持ち悪い。
でも心はすごい踊っていた。
こんな気持ちになるの久しぶり。

「会ってくれるぴょん?」
「はい…。」
安心したようにこちらを見て口角を上げる。

「あと、アキちゃんさ。」 
ウサギを置いて、私に体を向ける。
言いにくそうに私の様子を伺う。

「飲み会の日、電話してぴょん」
「え?深津先輩にですか」

思わず、上半身をあげる。

「家近いし、おくってくぴょん。」
「それは悪いです……さすがに。」
深津先輩、家近いんだ。
ぐちゃぐちゃの髪の毛を整えながらいう。
「いやだ?」
「いや…ではないです」
深津先輩ってダメって言わせない何かがある。
自然にだけど。
思わず頷く。

「昨日、男の人に持って帰られそうになってたぴょん。」
「え。」
深津先輩が、まっすぐ心配そうに私を見るから動揺する。
そんな事今までないですし。大丈夫だと思いますよ〜とヘラヘラしてみる。
その後、守ってくれた?って事?と気づく。

「アキちゃんが、可愛いからだぴょん。」
目を合わせないで言われる。
可愛い…?私が…?
フリーズして深津先輩を見る。
深津先輩に可愛いって初めて言われたので顔が赤くなる。
ん。と携帯をだされたので、きょとんとする。
番号を打ってって事か。と気づき番号を打つ。
うち終わると深津先輩が着信を鳴らす。

私の携帯の着歴に「深津先輩」の文字があって、不思議な気分になる。
番号変えてなかったんだ…。
電話すれば繋がれたんだな、私たちって。
そう思って切なくなる。

「あと、アキちゃん一回鍵貸すぴょん。」
「鍵ですか?」
「今日、動けないでしょ?なんか買ってくるぴょん。」
「ありがとう…ございます。」

そう言って、布団の下にある鞄をあさる。
鍵を見つめて、深津先輩に渡す。
面倒見いいな…。本当に。

「戻ってきたら、俺練習いくぴょん。」
「今日練習だったんですね…」
急に悪い気持ちになって顔が曇る。
深津先輩が立ち上がりながら、私の顔色を見て、頭にポンと手を置く。
何も言わずに部屋をでようとするので、呼び止める。
「深津先輩!私…昨日変な事してないですよね…大丈夫…でしたか?」
「うーん。」
深津先輩が振り向かないで、考える。
「秘密ぴょん。」
そう言って部屋をでたので
私は布団にたおれこんだ。


「ふかっさん。取材どうでした?」
沢北の声が待ってました。という感じで少し腹立たしい。

アキちゃんの家を出て、買い物中沢北に電話をかけた。
「アキちゃんがいるなら、先に言うぴょん」
正直、取材の時までは怒ってやろうと思ってた。
どんな思いで断ち切ったのか、そんな簡単なもんじゃないって言ってやろうって。

「…あれ。なんか想像より上手くいったみたいですね。」
沢北が面白くなさそうに言う。

「てか、深津さんどこにいるんですか?」
「え?」
深津があたりを見渡す。
「…成城石井ぴょん」
ふーんと沢北が言う。

「とにかく、俺が5年間考えて出した結果ですよ。」
「…。」
「プロポーズはします。でも、2人は会った方がいいって思ったんすよ。」
深津が何も答えないので、沢北が続ける。
「なんでかわかります?」
「全然わかんないぴょん」
なんでですかっと沢北が騒ぐ。
「アキに会って、アキの顔見たらそう思ったんですよ!あー言いたくない。」

「沢北。」
「なんすか?」
「ありがとう。」
そう言って、なんからしくなくて電話を切った。




「深津先輩…こんなにたくさん。隔離されるわけじゃないんだから。」
深津先輩が両手に買い物袋を持っていたので、思わずつぶやく。

「とりあえず、レモン絞ったから炭酸水のむぴょん。」
そう言って飲み物を渡される。
「ありがとうございます…」
「冷蔵庫開けていい?冷蔵庫に入れておくぴょん」
は、はい。と言って部屋にある冷蔵庫を開ける。
まずそんなに冷蔵庫に入らないかも。と思っていると深津先輩が冷蔵庫を整理整頓していた。

「深津先輩…お母さんみたい」
私が横になりながら笑う。
「アキちゃん。もう敬語使わなくていいぴょん。」
「え?それは…ちょっと。」
しばらく私を見つめる。
「昨日、タメ口だったぴょん。」
「そうなんですか…すみません。」
「別に、悪くなかったぴょん。」
そう言って、冷蔵庫に中身をいれると、冷蔵庫を閉じる。
自分の事を心配してくれる人が身近にいるのは東京にでてきて初めてだった。
すごく安心して、嬉しい気持ちになる。
布団にぬくぬく入りながら深津先輩を見る。
思わず、顔が緩んだ。

急にこっちを見るので、ドキッとする。
目を合わせながらどことなく嬉しそうな深津先輩。
「…アキちゃんて、昔から俺の事見る時その顔ぴょん」
「え…どんな顔ですか。」
「好きで好きでたまらないって顔。」

顔が赤くなる。そんなこと言われると思ってなくて、動揺する。

「あんまり、煽らないで欲しいぴょん。」
そういってベットの横まで近付いてきたから、心臓がバクバクする。
寝てる私と同じ目線の高さでしゃがむ。
キス…される?
思わずぎゅっと目を閉じる。
ほっぺをつねられる。
「何もしないよ。誰かさんみたくフライデーに撮られるぴょん。」
恐る恐る目を開ける。
むすっとした深津先輩の顔があった。
深津先輩、覚えてたんですね。しかも、怒ってるじゃん…。

しゅんとした顔をして深津先輩を見る。

「私は……深津先輩に、なんかしてほしい。」
思わずつぶやく。
表情が変わらない深津先輩の顔が少し緩むのを見逃さなかった。

「…なに、それ。」目が泳ぐ。
また、いつもと同じ表情になる。
「だから、煽るなっていってるぴょん。」
深津先輩が布団を私の顔まですっぽりかぶせる。

「アキちゃん、具合悪いぴょん。」
そういって立ち上がる音がした。
布団を少し下ろして深津先輩の様子を目だけで伺う。
心配そうな顔、私を見て手を振る。
「なんかあったら電話して。」
ぴょんと言って部屋から出ていくので、寂しい感覚になりながら私も手を振る。

ドアの閉じる音がして、静まり返った部屋に違和感が残る。
深津先輩の匂いがする布団。
ドキドキが止まらなかった。
携帯が鳴る。ショートメッセージが届いた。
「🤙😟」

「…電話してってこと?」
メッセージを見て、ふふっと笑う。
可愛い深津先輩。
すごく体は調子悪いのに、心が躍ってしょうがなかった。

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