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7.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(沢北栄治、深津一成)

主人公アキちゃん、2年生設定
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完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な高校生として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。
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一ノ倉がヘトヘトになって寮に着く。
河田達に質問責めにされながらも、何も答えなかった。
河田達は、沢北とアキちゃんが付き合ってるとかいい感じだとか深津に話していた事に青ざめていた。
まぁ、なんとかなるだろ。
と巻いていそいそと1人で寮に帰ってきた。
2階の自炊用キッチンと併設しているフリースペースに、深津の姿があった。
一ノ倉は明日河田達が質問責めにする前に…と深津の元に近づく。
「深津…」
一ノ倉が深津の前の席にすわる。なんで切り出そうか…と思っていると
深津は一ノ倉の顔をみるなり、何か言いたそうな様子だった。
「…?」一ノ倉が話を切り出す前に深津の様子を伺う。
深津は周りを見渡したあと、ポツリといった。
「アキちゃんに…好きって言われたぴょん」
深津が人の話より自分の話を切り出すのは珍しい。
呆然とした様子で節目がちに言うので、
「えっ…いや、アキちゃんは深津の事好きだろ?」
と拍子抜けして言った。
あ、まぁ沢北との関係があるからちょっと複雑なのか?と一ノ倉も言った後に考え込む。
「いや….」
とボソボソ呟く深津。
深津の目の前には麺がふやけたカップラーメンが置かれていた。もう食べるのをわすれている様子だった。
「で、なんて言ったんだ?」
「…。」
深津が黙りこむ。
「なんも答えてないんだな?」
「…沢北はアキちゃんの事すきだぴょん」
「うーん。でもアキちゃんが沢北と付き合ってもいいわけ?」
アキちゃんと寮で会ったり、あんな不機嫌になったり、沢北にボールをぶつけたり、深津はらしくない行動をとっている。
深津はその質問には答えず怪訝な表情をした。
深津の言動と行動が噛み合っていない。
この時初めて、沢北の事を考えて自制しようとしていた深津に気づく。
「沢北と話した時は付き合ってなさそうだったぴょん。」
「カップルコンテスト1位とってたけどな。」
深津は自分でも無自覚に、さらに怪訝な表情をとっていた。
「沢北は押し強そうだからなぁ。」
少し一ノ倉が意地が悪くいいすぎたのか、深津は苛立った様子だったけど、何かを思い返して我に返ったのか一瞬にしていつもの顔に戻る。

「…沢北の気持ちはわかるぴょん。ずっと絶対的な味方がそばにいてくれることは大きい。だからその気持ちを優先させてあげたくなるぴょん。」
一ノ倉はその言葉を聞いてモヤモヤする。
深津が自分に置き換えてるような気がしたからだ。

「深津…リョーコちゃんは確かに長年深津のそばで深津を応援してきたよ。でも深津がそれに囚われる必要ないよ。」
深津が何も言わずにカップ麺を食べようとしたので、一ノ倉はカップ麺のカップを取り上げる。

「…支えられたところがあったのは本当ぴょん」
「でも、深津はリョーコちゃんの事好きなわけじゃないだろ?」
深津の動きがとまる。
上目遣いでチラッと一ノ倉をみる。
すごく言いにくそうに口を開いた。
「…好きってよくわからないぴょん。」

なんだそれ。と思ったが
一ノ倉は静かにうんうんと頷く。
「リョーコはずっと小さい頃から俺を応援してくれるから無下にできない。その気持ちに応えてあげなきゃって思う。でも…」
自分でも確かめるように言葉を紡ぐ。

「…アキちゃんといる時は自然と笑えるぴょん。」
子供みたいな顔をする深津。
その後に表情が曇る。
「なんでかリョーコは1年位前から、俺にキスしてきたり部室にいたら迫ってくるようになったぴょん」
一ノ倉は飲んでいたペットボトルのお茶を吹き出した。
「…なるほどね。
リョーコちゃんも独占欲が出てきたわけね。」
「…こないだ、そういう事すんの辞めないかって言ったら、嫌いになったのかって泣かれて」
深津は頭を自分でゆっくりさする。
「謝られて、もうしないから会わないっていうのはやめてって言われたぴょん。」

一ノ倉もそれを聞いて、うーんと両手の手のひらで自分の後頭部を支えて椅子にもたれかかった。
「最初は彼女ができるまでそばにいていいかって言われた時から、俺のことそーゆー風に見てたのかって気づいて。俺もバスケばっかりだからそのままズルズルきちゃったぴょん。」
深津は優しすぎる所がある。でもそれが本当の優しさじゃない事に気づくべきだ。
あとお前、先に肉体関係になりすぎ。と思いながら深津を睨む。

「あと…」深津が腕を組んで遠くを見た。
「沢北はもうアメリカに行くし。それまで沢北の気持ちを優先させてあげたいぴょん。」

それを聞いてさらに一ノ倉はうなだれた。
「優先させたいなら、教室でアキちゃんとキスするなよ。」
「…。」
深津の表情は変わらなかったが、見られてたのかという顔をしていた。
一ノ倉は心の中で、深津がアキちゃんと付き合ってリョーコちゃんとさよならしたらいい。沢北の問題はアキちゃんが深津を選ぶなら、それはしょうがない。
という結論がでていた。

「深津…バスケでは相手の弱点を徹底的に突いて心をボキボキに折るのにな。」
「それ、悪口ぴょん。クレバーって言ってほしいぴょん」
「リョーコちゃんと沢北の気持ち考えすぎだろ。自分の気持ち優先にしないと、どっちも傷つけることになるぞ。」
深津の顔を見ると節目がちに考え事をしていた。
「アキちゃんだってそれで傷ついたんだし」
そう言った途端、深津が頭を掻きむしっていた。
「沢北は、多分今日の感じだとガンガンアピールしにいくと思うぞ。ちょっと考えておけよ。」
「…。」
「後悔するなよ。」
一ノ倉はあとはお前が決めろ。と立ち上がる。
深津は伸び切った麺を眺めて立ち去る一ノ倉を見送った。


「2年の修学旅行、ディズニーシーになりました」
子犬みたいにはしゃぎながら沢北がランニングシュートをする。
「えー、俺らどこなんだろなー」
それを聞いた河田が沢北がシュートしたボールを拾って3Pをきめる。
「ディズニーシー行ったことないんですよね?どんな感じなんですかねー?」
それを聞いていた一ノ倉がそうだなぁ。と答える。
「ディズニーシーはほぼカップルと家族連れしかいないな。」
それを聞いたみんな振り返る。
「景色も綺麗だしなぁ。薄暗いところも多くてロマンチックっていうか…。」
とチラッと深津の方を見ながらいう。
「えー!そんな感じなんすね。へー」
沢北が目を輝かせていた。
深津はマネージャーから今日の練習メニューを聞いていた。
「ホテルも、シーの中にあるホテルなんすよー。」
「そうか、そこで1泊か。羨ましいな。」
松本が少し気を遣いながら言う。
「集まるぴょん」
深津が両手で手招きしてみんなを集める。
空気がピリッとする。
みんなあれから質問責めにするつもりだったが、深津のピリッとした空気に誰も突っ込めなかった。
「今日は…えっと。ごめんもう一回ぴょん。」
深津がマネージャーにもう一度確認する。
再び説明して練習のために散らばった後

「沢北は、多分今日の感じだとガンガンアピールしにいくと思うぞ。ちょっと考えておけよ。」
一ノ倉の言葉が頭を巡った。



あれから深津先輩と話せてない。
最悪のタイミングで告白してしまった。
まさか人が入ってくるなんて。と考えて
声にならない声をだして机につっぷした。
でもあの後、手を繋いで私の教室近くまで戻ってきて深津先輩は家まで送っていこうか?と言ってくれた。
私は実行委員会の仕事が残っていて、そのままバイバイしてしまった。
「もっと一緒にいたかったな。」
ポツリとつぶやいた。


休み時間に廊下を歩いていると
その途中で3年生を見かけた。無意識で深津先輩いないかなと探してしまう。
そのまま、少しだけ様子を見にいく。
3年生の廊下が見えるところまで行くと、人がたくさんいて怯む。
「佐藤ちょっと」
その時委員会の時仲良くなった3年生担当の女の先生に呼び止められた。
「はい?」
「ちょっと修学旅行のしおりが多くて、運ぶの手伝ってくれない?」
細身の先生なので確かに大変だ。よく話すのでたのみやすかったのだろう。
山積みになったプリントの山を二等分して、先頭を歩く先生の後に続く。
あれ?…もしかして。この教室って。
教室の教卓まで運んで持っていくと、深津先輩のクラスだった。
教室の中まできちゃうとさすがに直視して探せない。
はやく置いて帰ろう。会話心半分に会釈して帰ろうとする。
焦ってプリントの角がぶつかってバラバラとしおりが落ちてしまった。
本当ドジ…。先生が大丈夫?と声をかけた時に
しおりを拾ってくれる人がいた。
深津先輩だった。
いつも通り無表情だったけど、私はありがとうございます。っていうのが精一杯だった。
文化祭の日、この教室でキスした人が目の前にいる。
そう考えるとドキドキして止まらなかった。

「深津君、2年生のしおりも混ざっちゃってたみたい。佐藤と一緒に運んでくれない?」
「1人で大丈夫ですっ!」
流石に焦って先生を止める。
「ぴょん」
と言って先生からちらしの束をもらう。
先に深津先輩が行ってしまったので
2人で無言で教室から出る。
人があまりいない階段で、深津が振り返って話しかけてきた。
「アキちゃん、ディズニーシーいくぴょん?」
「…そうです!すんごい楽しみですー行ったことなくて!」
思わず笑顔になる。あまり明るい表情じゃない
深津先輩が何か言いかけたので待っていると、何も言わずに私が持っていたちらしも全部持ってくれた。
「アキちゃん、シーに行って薄暗いところにいったら絶対目閉じちゃダメぴょん。」
危ないから。と付け加えて真顔でいう。
「え…そういうアトラクションあるって事ですか?」
キョトンとする私を見て深津先輩は、はぁーとため息をついた。
「アキちゃんちょっと待って」
「なんですか?」
深津先輩がじーっと私の顔を見た。
もういいぴょん。と言って歩き出すので、
「なんですか?」と聞く。
「アキちゃんの顔、見たかっただけぴょん。シーいっちゃうから。」
そう付け足して私の教室に向かう。
「…3日間いないだけですよ。」
顔が真っ赤になる。
「3日って2泊3日…」
深津先輩が急に曲がり角の資料室を開けて入っていくので、あっ教室あっちですよ。とついていく。
深津先輩がしおりを机に置いて、入り口にいる私の方に歩いてくる。
きょとんとしてると私の後ろの扉を閉めて、そのまま私をじーっと見つめた。
眉毛が垂れてて心配そうな顔、初めて見た。
「どうしたんですか?」
「やっぱ無理ぴょん。」
小さくそう言って深津先輩が私を抱きしめた。
「ええっ。」
私がすごくびっくりして声を上げる。
「深津先輩誰かきますよ。」
後ろをチラチラ見つめる。
あまりにもぎゅーっと抱きしめるので、なんだか可愛く思えてくる。
深津先輩急にどうしたんだろう。
抱きしめたあと、屈んで私のほっぺにちゅっとキスする。
ビクッとする私の表情を見ながら、私の首に唇が移ったので私は声にならない声をだした。
抱かれた日を思い出してドキドキする。
首に何度かキスされた後、急に吸われて
驚く。気持ちいいけど少し痛い。
首のあと鎖骨に唇を移すとまた同じように吸われた。
廊下を誰かが通り過ぎたので、深津先輩の背中をパタパタ叩く。
私の様子を見て、深津先輩が顔を上げる。
私の制服と髪の毛を整えて、くるっと机まで歩いていくとチラシを持ち上げて、いつもの表示に戻った深津先輩がいた。
「これでオッケーぴょん。」
「何がですかぁ…」

真っ赤な顔で深津先輩を少しにらむ。
こんな顔で教室戻れないよ…。
そんな私の体の後ろに手を回してドアを開ける。
私の教室に歩いていく深津先輩の後を、自分の制服の乱れを気にしながら戻る。

沢北が深津の姿を見てお辞儀する。
深津が沢北に気づいて片手をあげた。
教卓にしおりを置くと教室から出ていく。
身長が高くてみんな深津先輩を見つめていて、後から入る私に目もくれていなかった。
通り過ぎがてらありがとうございます。と伝えると
みんなに見えるように、私の頭をポンと触って出ていった。
その様子を見て少しコソコソ話すクラスメイト達。
沢北はそれを見て少しむすっとした。
深津先輩‥なんか変。どうしたんだろ。
私はバタバタと席に戻ったけど気持ちが落ち着かなかった。

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