見出し画像

29.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(宮城リョータ、三井寿、深津一成)


深津:東京のプロチーム所属 沢北の先輩 山王工高出身 

リョーコ:深津の幼馴染 深津に片思いしてた過去をもつ三井の彼女 東京プロチームのマネージャー

三井: 東京のプロチーム所属リョーコの彼氏 深津を好きなリョーコに片思いしてた

主人公佐藤アキちゃん、山王工高出身、大手雑誌編集部で働いている。深津と複雑な関係。


沢北:アキの幼なじみ 山王工高出身 アメリカ在住

ーーーーーーーーーーーー


※宮城リョータお誕生日記念のストーリー※

※創作なので苦手な人はご遠慮ください。


完全自己満、あまりバスケに触れず健全な男女として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。



ーーーーーーーーーーーー

いつものように起きて、練習に向かう。
2人だと寝づらさを感じたベッドも今となっては懐かしい。
ニュースをつけると、背伸びをしながらパンケーキを焼いた。
こないだの甘い情事を思い出して、1人息を吐く。

車を飛ばして、いつもとは違う場所へ。
向かう途中、31と言い慣れてしまっている
バスキンロビンスに立ち寄る。

どれにするか迷ったけど
オレンジと黒の1番派手な色のアイスケーキを選んだ。

車を飛ばして、空港へ向かう。
少し待たせているけど、気にしない。
車を停めると、焼けた肌のあいつがバックをショルダーをおでこにつけて、すかしたサングラスでこちらに歩いてくる。

手を振った。

「宮城、誕生日おめでとう!」

「うおおお!」

アメリカに留学にきた宮城リョータと仲良くなるまで、そんなに時間はかからなかった。
実際、そんなに友達がいないので
初めて誰かにケーキを買った。

「沢北、ありがとな!」
そう言って照れ臭く口角をあげるのをみると
こういうのって悪くないな。と思えた。

俺の車に乗り込む宮城を乗せて
バスケットコートに向かう。
宮城が日本に帰る飛行機のトランジェットでロスに1日滞在する。
行ってみたいと言った場所があって
今日はそこに連れていく予定だ。

「プロポーズしたのかよ。」
ケーキをフォークで頬張りながら宮城が聞く。

「したにきまってんだろ。」
そう言って笑う自分を見て
「できるなら、俺もしてーよ。あやちゃんに。」
宮城がそう寂しそうに言った。
その言葉を聞いて、少し沈んでいた気持ちが晴れた。

「そうだよな。後悔してねーよ。」
笑ってそう言った。



「一成。」
練習場の隅で足を伸ばして、音楽を聴きながら壁にもたれて休憩してる深津に声をかけた。

気配を感じてBluetoothイヤフォンをはずす。
目線だけこっちに向ける。

「これ、次の遠征の新幹線チケット。」
手に取って紙チケットの時間を確認する深津にリョーコが不満気に言う。

「いいかげん、次はえきねっとでとりなよー便利だよ。」
「…やり方わからないぴょん。」
そう言って、また壁にもたれる。

「…何も食べないの?昨日も抜いてたでしょ」
腰に手を当てて、立ちながら屈んで言う。

「走ってるんでしょ?食べないとスタミナつかなくてもったいないぞー。」
「…三井に似てきたぴょん。」
そう言われて顔が赤くなる。

「三井も食え食えうるせーぴょん。」
そういった時、コンビニの袋をガサガサさせてサラダチキンを持った三井が深津に声をかける。

「深津!おめーなんも食ってねーな。これでも食え。」
私は恥ずかしくなって何も言えなくなった。

黙って受け取る深津。

「あ、深津、今度俺のツレがアメリカからくんだよ。一緒に練習もするから、オメーもこいよ。」

よくこんなやさぐれモードの一成誘えるよね…。
さすが人たらし…。そう思いながら三井を見るリョーコ。

「誰ぴょん。」
「湘北の宮城リョータだよ。」
深津がしばらく考える。

「ああ…。」
あまり良い思い出のない顔をする。
「小さくて素早い…俺の苦手なタイプぴょん。」

2人は目を丸くした。
「初耳だな。じゃあちょうどいーじゃねーか。」

すぐに三井が宮城に電話をかける。
最近、吐くほど毎日走り込みしてる深津が練習に来る。
と聞いた宮城リョータは案の定電話の向こうで震え上がっていた。



「深津が来るって聞いただけで吐きそうだったよ。」
意気投合?とまではいかなかったけど
練習終わりに深津達と飲みにくる。
「あっ、嫌だったわけじゃないっすよ。緊張で!」
深津をチラ見して付け足す。

それを聞いた深津が特に気にしてない様子で流していた。

「今日も走るぴょん」と言っていた深津は行きたくなさそうだったけど、三井に肩を組まれて連れてこられる。

「そういや、沢北NBAいったんだってな。」
三井が何の気なしに深津にふる。
ただ頷いて、あてを少しずつ食べる深津。

「日本くる前に沢北とロスで会ったよ。」
そう言って、唐揚げをほうばる宮城。

「へー、沢北くん元気でしたかー?」
ちゃっかりついてきたリョーコが沢北を懐かしく思いながら聞く。
「あー。」宮城が言葉を濁す。
「女関係でちょっとね。へこんでたよ。」
自分のことのようにため息をつく宮城。
ずっと興味なさそうだった深津が宮城の言葉に反応する。
リョーコだけがその様子に気づいていた。

「なんだそれ。」三井がそれを聞いて笑う。

「詳しく言えないけど、俺はあいつの気持ちわかるな〜。」
三井の目を見て言う。
「一方的に想うって辛いんだから。」

その場にいる全員が心の中で「たしかに」と思った。

少し前の自分を思い出しながら
三井が、あっ。と気づいたように宮城に聞く。

「お前は彩子と連絡とってんのかよ。」
「あやちゃん…。」
宮城が名前をつぶやいた時、大きく項垂れるのでなんとなく好きな人なんだろうな。と三井以外が察する。

「お前、好き好きってまとわりついてたもんな。」
三井が呆れた目で見る。

「だって、人間って明日には死ぬかもしれないし」
宮城が頼んだレモンサワーを受け取りながら、サラッと物ありげな事を言う。


「会えるうちに好きなら好きって言わないと。生きてる意味ないでしょ。」
そう続ける宮城の言葉を、みんな黙って聞く。
「そうだよね…私もそう思う。」
リョーコが急につぶやくので、三井がリョーコをじっと見た。

「そりゃあ…傷つく事もあるけど。
傷つくのは自分だけだし。」

深津が宮城を見て、
ああ強いな。と感じた。
この考えは自分には無い。
今思えば、自分の事ばかりだ。そう思った。
傷つくのが1番怖いのは自分だ。
だから、欲しいものを手に入れようともしない。

でもなぜか、高校の夏祭りを思い出した。
あの瞬間は何か確信があった。

多分あの時、自分は宮城と同じ目をしていたのかもしれない。
こんなに弱くして、強くもさせるなんて
不思議だ。と考え込んだ。

「好きって言葉は相手を傷つけない。だから、付き合えなくてもいいんだよ!」
そう言い終わった後、みんながそれぞれ神妙な面持ちで話を聞いてることに気づいたようで宮城は急に恥ずかしそうにした。

「あやちゃんが笑ってたらそれでいいよ。」
両手を振って、辞めてやめてというように空気を変えようとする。

そう言って話を締め括ろうとするけど、
さらにみんな真剣に聞くので、ただレモンサワーを飲み干した。

「泣くなよ。」
三井がおしぼりを渡すので
「ねぇ!泣いてないから!」と騒ぐ宮城。

「……ぴょん。」
深津も自分のおしぼりを渡すので「だから、いらないってば!」とまた騒いだ。



へべれけで、三井と宮城が肩を組んで前を歩いている。
それを見守りながら、私と深津が
最寄りの駅まで一緒に歩く。

「楽しそうだねぇ。仲良しだなぁ。」
「山王とは違うぴょん。」

「そうかな?あんた達も仲良かったわよ。」
そう言いながら、

あ。本当に久しぶりに深津と普通に話せてる。と気づいた。

なんだか無性にスッキリしたくなる。

「一成さ、好きな人いるでしょ。」
顔を見て聞いてみたら、深津は私を見て目を丸くした。

「幼馴染をなめるな〜?」
そう茶化すのを見て、深津はため息をつく。

「片思いの先輩として話を聞いてあげよう。」
「……コメントしずらいぴょん。」

ははっと私が豪快に笑うのを深津が見る。
「リョーコ。」
「ん?」
深津が真っ直ぐ私を見つめた。

「ずっと傷つけて悪かったぴょん。」
「…はぁー?」私は急に言われた言葉に動揺する。なんて言おうか迷った後
「自惚れすぎ!」そう言って口どもる。

「最近、お前の気持ち凄いわかったぴょん。」
それを聞いて「え?」と思わず黙る。

なんだか、傷心した顔の深津を見て、意地悪するのは辞めようと思う。
「…私こそ、ごめんね。迫ったりして困らせたよね。嫌、だったよね。」

「嫌じゃなかったよ。リョーコだったから。」
そう言われて、はっとして深津の顔を見る。


「お前はかっこいい女だよ。強いし。バスケしてる時もだったけど、真っ直ぐ俺に向かってくるとことか。」
それを聞いて嬉しくて、ちょっと泣きそうになる。

「だから、俺を好きなリョーコは嫌だった。」
そう言って前を向く深津。

「お前がお前じゃなくなるから。それが一番嫌だったぴょん。」

「なに…それ。永遠の片思いじゃないの。」
それを聞いてはっと笑った。

「三井といる時のお前の方が好きぴょん。」
「うん…そうだね。私もそう思う。」
心がスッキリ軽くなる。
一成と幼馴染でよかった。
そう、思った。


「一成はさ、その子と付き合わないの?」
しばらく沈黙する。

「…付き合う……か。こういうの苦手だぴょん。」

いつにもなく、自信がなさそうなのを見て可笑しくなる気持ちを抑えた。

「んー。」なんてアドバイスしたらいいかを考える。

「沢北君みたく、当たって砕けなさいよ。」
今一番聞きたく無いとでも言うように嫌な顔をする深津。
「リョーコとのフライデーがなかったらな…。」
それを聞いてギクっとする。
「そうか…それも関係してるのね。本当ごめん…。」

うずうずする気持ちが抑えられずに聞く。
「ねぇ、沢北君と同じ子が好きなの?」
深津が、もうそれ以上いうな。って顔で睨むからそれ以上は何も突っ込めなかった。

「もう、このままでも良いのかもしれないぴょん。」
「え?」
「あの子が幸せなら、それでいいぴょん。」
深津が切なそうにつぶやいた。
「そう…。」リョーコが深津の顔を見て
居ても立っても居られなくて
深津に肩を回す。

「一成、大丈夫だよ。上手くいくって!」
そう言った途端に、三井が走ってくる。

「リョーコおめー何、深津に触ってんだよ!」
「違うの!一成可哀想なの!あんたも励まして!」

「ピョン吉へこんでんのか?!」宮城が深津の腰に手を回す。
「おめーなんかあったのか?」
リョーコの反対側から深津の肩に手を回す三井。

ぎゃーぎゃー騒がしい3人に囲まれて、「離れろぴょん…。」と言いながら、あまり深津は嫌がってなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?