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Partido modificado 8c8+1 Carlo Ancelotti


スペイン語トレーニング分析動画翻訳記事第2弾です

前々回の記事に翻訳記事シリーズの見方を簡単に書いたので、よければ見てください。(2、3分で読み終わると思います)



今回はこの動画


You Tube動画タイトルは「条件付きミニゲーム 8×8+1フリーマン  カルロ・アンチェロッティ」

トレーニング映像が大部分を占めていて途中に2度このトレーニングの解説画像が入るという形式の動画です。

それでは動画の中身に入っていきたいと思います。




カルロ アンチェロッティの条件付きゲームのメソッド分析



これは前からプレッシャーが来ているときのサリーダデバロンの状況



0:42から1つ目の解説画像です


部分ごとに翻訳していきます。


このトレーニングのメソッドの考慮事項


トレーニングの種類
条件付きゲーム

チームの構成
8対8+1フリーマン


このトレーニングを通しての目的(プレーシチュエーション)

攻撃の構築

フィニッシュの構築

攻撃の構築に対しての守備

フィニッシュ構築に対しての守備


整理されたトレーニングの目的(このトレーニングで目的となりうる要素の一覧)
・しっかりつないでの前進。ただロングボール考慮しておく
・ボールと一緒にゴールに向かっていく
・ビルドアップに対してのハイプレッシャー
・ボールに超えられた選手の撤退
・選手達の相互作用の可能性をコーチ陣が感知する
(コーチ陣の目標)


※補足※ (前回記事の引用)

日本でもそうだと思いますが、スペインではよりトレーニングを理論化するのが一般的なので、指導者達が各々色んな定義、名称を持っていることが多々あります。

なのでこのトレーニングを通しての目的(Objetivo Secuencial)と整理されたトレーニングの目的(Objetivo organizacionales)はプレーシチュエーションとこのトレーニングで目的となりうる要素の一覧、というふうに単語、内容、文脈から自分は解釈しました。




一般的なMacroトレーニングの振る舞い。
(補足 : Macroとは個人戦術、グループ戦術、チーム戦術の3つで分けたときのチーム戦術


・1つ目の練習メニューの時は、コーチングスタッフは選手の観察する役割を担う。
選手がトレーニングに集中していたらそれを継続させ、入り始めている選手を感知する。
・コーチングスタッフは観察者の役割があるので、あまり練習に介入してはいけない。
・ある程度の試合を想定したポジションは存在するが、全員ではない(ベナイティアは後方、ベルナットは左にいるがバトュシュトゥバーはフリーマン)


トレーニングの動画に戻ります。


ボールに越えられた選手のゴールを守るための撤退



2:38からの2枚目の画像。

この動画で一番伝えたい部分です。

4つに分けて見ていきます。


逆向きミニゴールとその配置場所



・シュートをするには、最後のゾーンに行かなければならない。
それによって、練習の構造上ゴール(大ゴール)がない中で前進の局面を発生させる。


・前進をして最後のゾーンに入ったら、前進とは逆方向にフィニッシュに向かい、守備側はミニゴールを守りに行くことができる。

・ミニゴールはグリット内にあるので、ボールを持っているチームにとって障害物になることが想像できます。
特にサイドから前進する時に狭く感じるかもしれません。
(ミニゴールがサイド寄りにあるため)
それによって、中央から前進していく傾向にあります。

・このミニゴールはCBからSBのパスラインを切っています。
 これはSBに新しいパスコース作るための動きを促しています。



この部分をまとめて訳すと。

ミニゴールの向きと配置場所によって与える影響

グリットの形(長方形)も影響与えていると書いてありますが、今回協調するのは、ミニゴールの方。



・プレー方向がフィニシュゾーンを定め、ボール回しもそれによって方向付けされる
➡ 有利な状況でフィニッシュゾーンに行かなければゴールできない設定

・ボール回しの障害物
➡ 中央 > 外

・特定の守備の戦術アクションを促す
➡ ボールが自分を超えても守備に関与し続ける=撤退


最後のトレーニング映像です

ボールを失った後の撤退 - ボールを失った後のミニゴールの防衛




思考の寄り道

ミニゴールの位置にここまでたくさんの意図が入ってるのはかなり考えられてる。

プレーモデル、試合のシチュエーション、なぜ、どのように、がはっきりイメージ出来ているから、なせる業だと思わせる。

試合のシチュエーションを切り取り、なるべくそれを練習にできるだけリアルに設計できるのは、一つの大きな才能・能力だと思う

試合に近づけたいのは見て取れるけど、この要素が欠ける、もしくはこれがあると試合のシチュエーションとは別物になっちゃうよ。っていう練習よく見るから。近いんだけど別物だと結局試合に出ないからね。


あと、この練習で撤退が一番重要視しているコンセプト。

撤退する時、どこを守りながら撤退しますか?中を閉めながらだよね?じゃあミニゴールは等間隔じゃなくて少しサイド寄りにおいて、無意識に中を閉めながら撤退させることを習慣化させようというバイエルンコーチ陣の会話が想像できて面白い。

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