Juego de posición 3c3+2 Pep Guardiola スペイン語動画翻訳
スペイン人指導者のトレーニング分析動画の翻訳記事です。
前回の記事でこの動画をアップした指導者の紹介、この記事の見方を簡単に書いたのでそちらを見てからこの記事を見てください(3分あれば見終わると思います)
動画の形式を説明すると、トレーニング映像が大部分を占めていて途中に数回、トレーニングについての画像が入るという形式の動画です。
この記事では、トレーニング中のテロップと、途中に入るトレーニングについての画像の翻訳を書いていくので、動画を見てもらいながら、この記事の翻訳を見てもらえればと思います。
今回はこの動画
バイエルン時代のペップの3対3+2フリーマンのポゼッションの練習です。
ちなみに僕の行ったスペインの指導者学校にはポゼッションの練習が3つの種類に分かれていました。
Rondo(ロンド)、Conservacion(コンセルバシィオン)
そして今回紹介する練習は、Juego de posición(フエゴデポジシィオン)
各々、定義、特徴もあるんですがそれはもし質問があればTwitterにてお願いします。
では本題に
ペップ・グアルディオラのJuego de posicionのメソッド分析
タレアの種類
Juego de posicion (個人レベル)
チーム構成
3対3+2 フリーマン
このトレーニングを通しての目的(プレーシチュエーション)
攻撃の構築
攻撃の構築の妨害
整理されたトレーニングの目的(このトレーニングで目的となりうる要素の一覧)
・ボールを失った後のプレッシャー
・ボールを奪い返した後に深さを作る(縦と横の深さ)
・ボールを奪い返したあと幅を使ってプレッシャーから抜ける
・定位置攻撃で中から外、外から中でプレーする
※補足※ 日本でもそうだと思いますが、スペインではもっとトレーニングを理論化するのが一般的なので、指導者達が各々色んな定義、名称を持っていることが多々あります。
なのでこのトレーニングを通しての目的(Objetivo Secuencial)と整理されたトレーニングの目的(Objetivo organizacionales)はプレーシチュエーションとこのトレーニングで目的となりうる要素の一覧というふうに単語、内容、文脈から自分は解釈しました。
この練習でいうと、攻撃の構築がビルドアップなので、攻撃側がビルドアップ、守備側がビルドアップの妨害というシチュエーション。
その二つの中に
・ボールを失った後のプレッシャー
・ボールを奪い返した後に深さを作る(縦と横の深さ)
・ボールを奪い返したあと幅を使ってプレッシャーから抜ける
・定位置攻撃で中から外、外から中でプレーする
があり、これらがこのトレーニング目的にあたります。
そして次に翻訳するトレーニングのテロップが、ペップが選手に伝えていること。
これらがキーファクターにあたります。
翻訳に戻る
個人レベルのコンセプトについての介入
体の向き
ボールホルダーに対して斜め後ろのサポート(攻撃のカバー)
このトレーニングで獲得する目的に沿って止めて、プレーについて言及する。
これは、一つの練習メニューではなく一つの1日トレーニングセッションを豊かにする。
1:58からの解説画像
いくつかに分けて翻訳します
このトレーニングの考慮事項
・ビルドアップの局面で、試合を想定したポジション。もし、両チーム違うプレー方向という構造だったら、外のフリーマンの左右の方向性がなくなってしまう。
・この試合を想定したポジション、選手組み合わせは、ビルドアップの連携を高める一方、選手間のポジション争いの緊張感は失われる。
監督になるとは優先順位をつけること ➡ 各シチュエーションとプレーの文脈の目的によって。
グアルディオラはこの練習で、この選択肢を選んだ(優先した)
青い四角(優先したもの)
ボールを持っているときの連携(ポジションを考慮している)
オレンジの四角(省いたもの)
同じポジションの選手間の競争
ほかのポイント
守備側の選手のポジションの高さ - 守備の三角形
反対側の選手達にパスを出させない
同じメニューで、違うスペース、他の選手の組み合わせ
外側と奥のフリーマンがいて、ライン上でプレーする
横方向(ライン上)に動いてプレーする
みんなが給水している間もベナイティアは練習し続けている
4:09から2枚目の画像。分けて翻訳します。
チーム戦術を発展させるために、個人技術・戦術を重要視することの大切さ
・個人戦術の発展だけが質の高いチーム戦術を可能にする。
体の向き、サポートの角度・距離、パスの角度の様な基本的なことに注意を向ける。
全体 = 一部 + 関係性 ?(つまりここでは、全体は一部と一部の足し算で構成されているのか?という問いをしている)
一部と一部は一つ一つが足されていくのではなく、非線形性に相互作用していく(図の左側のように)
一部分同士を繋げあう方法は、もしそれが組織的である場合、全てを強化する創発特性を生み出す。
全体を強化する最速の方法は、部分をより良くすること。そのためには、一部分は・特殊性が含まれていなければならない。
最後にトレーニング動画に戻って終了。
思考の寄り道
最後は凄く複雑な表現や単語が含まれていましたが、つまりは、プレーモデルがしっかりしていて、それに沿った個人技術・戦術をしっかりトレーニングすれば、それらをプレーモデルの中で応用していける。そしてそれが全体を強化する一番の近道という解釈です。
ネットで見つけたトップレベルの練習メニューをコピーして、グラウンドで行うのをスペインでも目にしますが、練習の目的や意図を理解していないと意味を持たないとよくいいます。
それに加えて、本当にこのレベルになると、プレーモデルが整理されてるため、個人技術・戦術レベルの練習でも、どのシチュエーションのこのアクション、この戦術アクションの目的はこれというように、傍から見たらよくあるインターセプトの練習だけど選手たちはいつ、どのように、なぜ使うかが分かっているので試合で活きる練習になる。少し前にTwitterで見たシメオネの練習を見てやっぱりそうだよなと思いました。
僕もサーキットトレーニングでプレーモデルを入れたくなる人間なんですが、子供の選手たちに、戦術とかはいいから普通にサッカーがしたいと怒られます。
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