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心で舵を取り、頭でオールを漕ぐ

僕の二十代前半の最大の挫折は、頭で舵を取って来たことかもしれない。

どうやら自分という船は、ガソリンとか電気とか無機質なもので動いてるわけではないらしい。定規とコンパスで行き先を決めても、心という動力に頼っている以上なかなか辿り着かない。それどころか、気づいたら座礁しかけていた。

こないだ、ハウルの動く城を最近金曜ロードショーで観た。どうやら俺自身は、カルシュファーが動かしてくれてるようだ。カルシュファーのご機嫌を損ねては船は進まない。逆にカルシュファーが欲しいものをぽろっとあげれば、宇宙を飲み込めるくらいの膨大なエネルギーが湧き上がる。しかも、カルシュファーが欲しいものは、意外と身近にあったりする。
意味が全くわからない人は、とりあえずハウルの動く城を見てほしい。シンプルにくそおもろい。あと個人的に最後の空飛んじゃう家に住みたい。

そう、空だって飛べるのだ。TOKIOもそんな歌歌ってたな。

心で舵を取ると困るのは、他人に説明するのが大変なことだ。お前はなんでそれをやってるんだ?お前は何になりたいんだ?お前はどこに行くんだ?
知るかボケうるせぇな。お前の知ったことか。なんか気持ち良さそうな方に舵を取ってるだけだよ馬鹿野郎。理由もクソもあるか。
とはなかなか言えない。そこで頭でオールを漕ぐ。

いやぁ、こうやってこうやって、こういう風になりたくて。そのためにはこういう事が必要で。スムーズに気持ちいい方に行くために必要なオールだ。そこらへんはテキトーにあしらって。

どうやら船が進み出したみたい。そう感じたら心で軌道修正しつつ、頭でぐんぐん進む。こうしたらもっとオモロいんじゃないか。あれをすればもっと仲間が増えるんじゃないか。

カルシュファーが燃えさかっていれば、もはやオールすらいらない。気づいたらふわっと水面を飛び出し、雲の上でまったりお昼寝してるかも。

雲の上にさえ出てしまえば、雨も雷も気にしなくていい。毎日お天道様とダンスするんだ。

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