Season5 Ep08”幼稚園再び”

Amethyst
よお かわい子ちゃん

スティーブン
今忙しいか?

Steven
今 台所でしてることの中で
一番見られたくなかった瞬間だよ

Amethyst
おい ペリのやつ
まだトイレで塞ぎ込んでんのか

Steven
うん ラピスが納屋ごと——

宇宙に行っちゃったのを
まだ引きずってるみたい

もう少し一人の時間が必要かもね

Amethyst
いや もう十分だ
引っ張り出すぞ

Steven
待ってよ


Steven
あー ペリドット

ちょっとは良くなった?

Steven 
その どうしてたかなって


よく聞こえないんだけど


Peridot
何も


Steven
トイレに篭りきりすぎだよ

外の空気を吸おう

Peridot
何のために


Steven
気分転換に…?

Amethyst
なあペリドット

そんな姿見てらんないぜ

Peridot
そんなって?

Amethyst
家から出ようぜ

幼稚園に行かないか

宇宙で他のアメジストたちに
会ったんだ

そいつらもあたいと同じ
岩から出てきたんだってさ

幼稚園に戻って
ご近所周りに行くんだ

Steven
楽しそうだね
どうかな ペリドット

Amethyst
またあたいらの知らないこと
教えてうんざりさせてくれよ

Peridot
懐かしいな

Amethyst
よっしゃ 決まりだ

トイレから出るぜ

Peridot
音楽も持って行きたい

Amethyst
だめ




Peridot
なぜこんなオンボロの
旧式船を使うんだ

幼稚園には転送装置が
あるじゃないか

Amethyst
いい景色だろ?

Steven
ねえ こっちで見ようよ
すごく綺麗だよ

Peridot
断る

地球の美しさで
目を引こうとしても無駄だ

私の納屋があった場所こそ
完璧だった

だがそれも今は宇宙の彼方だ

着いたら教えてくれ





Amethyst
我が故郷 幼稚園!
あの時のまんまだ


何にも変わってないのに

今は全部違って見えるぜ

前まで空っぽだと思ってた
ただの穴も今じゃ——

一度はちゃんと埋まってた
穴に見えるんだぜ



宇宙であった
アメジストたちは皆

ここにいたんだ!


私が土の中にいる時もな


ようやく穴とあいつらの
顔を見比べられる

どれどれ


これは8XJのだな

8XK!

8XL!

Peridot
番号は上から下に
割り振られる

そこが8XJだ

Amethyst
まじか?

Peridot
ああ 
縮れ毛のだろ

Amethyst
ああ なんでわかるんだ

Peridot
鉱床の配置から見分けられる

その下は8XLだ

Amethyst
流石だな ドット


Peridot
これが私の当たり前だった

命は幼稚園で生まれると思ってた

形も行き場のないエネルギーを
ジェムに作り替える


だが命はここで始まるんじゃない


ここで終わるんだ

沢山の植物に触れてきた

虫や風や陽射しにも


ここはそういうものの
命を吸ってできてる

アメジストの生産が終わった今
ここはただの抜け殻だ

アメジストたちはもう居ない

Amethyst
おい!


Peridot
ああ

“よくできた”アメジストたちは
もう居ない

Amethyst
マシになった


Peridot
ここではもう何も育たないんだ

この花もな


Amethyst
待てよ

ここで何か咲いてるの
初めて見たぜ

5000年もここに居たのに

なあ こいつ元気そうだぞ

Steven
地球の力だね
きっと土壌が回復したんだ

Peridot
どうだろう

ただの例外かどうか
テストをしてみるか


Steven
何か植えるつもり?
農業なら得意だもんね

Amethyst
そうさ
楽しそうじゃん


Peridot
興味深い実験には
なりそうだな

Steven
イエー!
幼稚園を植物園にしようー!











Peridot
水は昨日の分で十分だろう

だが私が読んだ教本によると

もう根が定着を始めてるはず


Amethyst
それで?

Peridot
今日行って出来るだけ早く
確かめて…

スティーブン!
まだそんな格好してるのか

さっさと着替えろ!

Steven
ああ 了解




Steven
一晩で育ったかな?

Amethyst
ああ!
きっと見違えてるぜ

Steven
もっと何か植えようよ

次は何がいいかな?


Amethyst
アジサイなんかどうだ?

Steven
それってどれのこと?

Amethyst
わかんね
でもなんかかっこいいじゃん

Steven
どうかな ペリドット



Peridot
なあ 

一緒にしてくれて
ありがとう

Amethyst
おいおい なんだよ

Steven
楽しいよ


Peridot
また何かを直せて嬉しいんだ


Amethyst
ああ
幼稚園は前より良くなってるぜ






Peridot
不思議と驚きはないんだ

希望など
持つべきじゃなかった

Steven
でも 次はうまく行くかも…

Peridot
行くわけないだろ!

うまくいきっこないんだ!


Amethyst
おい! 投げやりになるなよ

慰めようとしたんだ


Peridot
おかげさまで
最高の気分だ!


何もかも良い方向にいかない!

何もかも台無しのまま!

何も取り戻せやしない!

家も ラピスも!
痩せ衰えた地球もな!

全部ゴミ箱に捨てて私たちも
飛び込んでしまえばいい!

皆どうしようもない
ゴミなんだからな!


Steven
ペリドット
ひまわりはダメでも

ここに育ってる花があるじゃないか

Peridot
この間抜けはまるで私達だ

こんなところに咲くなんてな!



ああ 好きにしろ!


Steven
ペリドット!


Amethyst
手伝うか?

Steven
やろう!


Peridot
トイレに行きたい





Amethyst
あんたが正しかった

幼稚園はほんとに死の土地だ

Peridot
あそこに命を育めると
考えた私がバカだった

Steven
続けて

Peridot
ああ そうする

今回のことは気晴らし程度に
考えていたんだ

納屋とラピスを失い——

毎日私に付き纏う絶望感から
逃げるためのな

だが台無しになったものは
一生そのままだとよくわかった

二度と元に戻ることもないんだ

Amethyst
なんとなくわかる


Steven
でも これは?

Amethyst
花だな

Peridot
へえ

たしかにここは美しいな…

だがそれがどうした

私は幼稚園に
こうなって欲しかったんだ!

Steven
どこか一つの場所が
どうしようもなくても——

地球にはまだ沢山花が咲いてる

Amethyst
そうさ

他の場所で
また何か植えてみないか

幼稚園で育てるより
簡単かもしれないぜ

園芸の才は枯れてないだろ?


Steven
枯れてない
花だけにー!

Peridot
意味はわかる!

Amethyst
それで やるか?

Steven
やろうやろう やろうよ!

Peridot
いいだろう
他にやることもないしな

together
いえー!


[END]












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