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憧れのおかまバー

人類だれしも『死ぬまでに一度は行きたいあの場所』を心の中に秘めていることだろうと思います。
わたしももちろんそう。
わたしが死ぬまでに一度は行きたい場所。
そのひとつがおかまバーです。

昨今のコンプラ的に「おかま」はNGワードなんでは、と思ったのですが、マツコ・デラックスも「アタシ達はオカマだからいいのよ」的なことを言いますし、Google先生に尋ねてみたところ、屋号として「おかまバー」を掲げているところもあるそうなので、このまま突き進みます。
ある日突然記事が消えたらそういうことだったんだ、と察してください。

さて、本題。
わたしがおかまバーに興味を抱くきっかけとなったのは、とあるテレビ番組でした。
もう10年以上前になるでしょうか、2種類のおかまバーを比較して紹介するという企画を観ました。
誰のどんな番組だったのかは全く思い出せないのですが、おかまバーのことだけは今でも鮮明に記憶に残っています。

2種類のおかまバー。
つまり、「全身工事済みの方も多数在籍している、めちゃくちゃ綺麗なオネェさんが接客してくれたりショーを見せてくれたりする高級店」と、「フレンドリーな接客と会話でお客さんを楽しませてくれたり、時に叱咤してくれたりする大衆路線のお店」です。
わたしが興味を惹かれたのは、俄然後者でした。

仕事や家庭の悩みを打ち明けたら、ママが「そりゃアンタが悪いわよ」とか「オカマのアタシにそんな話してどうすんのよ」とか毒を吐きつつも、その豊富な経験から身になるんだかならないんだかよく分からないアドバイスをしてくれる。
その場にいる他のお客さんも神妙な顔つきで頷いたり、酔っ払い特有の訳のわからなさで絡んできたりして、不思議な一体感で包まれている、小さなお店。
そんな空間に、あの時から心をとらわれています。

楽しそう。

そのおかまバーで出てくるお酒は、色とりどりのカクテルなどのおしゃれなものではなく、ハイボールや焼酎に違いありません。
初めてでドキドキしていると、常連さんの話題に「アンタはどう思う?」と強引に引き込まれるかもしれません。
常連になると、何か注文しても「そこにあるから自分でやって」と言われることでしょう。
ママの人柄に惹かれたお客さんが、老若男女性的指向問わず集う……。

やっぱり、楽しそう。

しかしながら、わたしはあまりお酒が飲めません。
まったく飲めないわけではないのですが、アルコールの回りが極端に早い体質です。
最初の1杯で陽気な気分になり、その後すぐに「頭痛い気がする」感じがして、「あ、やっぱりなんでもないわ。なんでさっきあんなにゲラゲラ笑っていたんだろう」という境地に至ります。
その間、2時間。
飲み会でいうと、1次会の間に愉快になり、二日酔いからアルコールが抜け切るまでの気分を体感している、ジェットコースター仕様です。

そんな女がおかまバーに訪れても良いものなのか。
1杯しか飲まない、常連になるかもわからない一見の女。
お店にとってはなんの旨味もない、さっさと帰ってほしい客の筆頭ではないでしょうか。

一度、アルコールに強い夫を誘ったことがあるのですが、

「昔行ったことあるよ。ドア開けた瞬間におっさんにでっかい声で『いらっしゃいまんこー!』って言われて、すごい怖かったからもう行きたくない」

そう断られてしまいました。

なにそれ羨ましい。
わたしも「いらっしゃいまんこー!」って迎えられたい。

悲しいことに、わたしの交友関係にこんなあいさつをされてもゲラゲラ笑って受け流せるような友人はいないのです。
わたし自身が「下ネタ無理そう」と思われている側の人間です。
自分の本性を曝け出しているのは、noteだけ。
職務に邁進する真面目でしっかり者の小学校教諭というのは、世を忍ぶ仮の姿なのです。

お酒が強くて、クセがすごい出迎えのあいさつをされても一緒に面白がれる方。
わたしと一緒におかまバーに行ってくれませんか。
なんのはなしです課の取材として経費で落ちると聞きましたので、有志を募りたいと思います。
行けるよ! という方はコメントを残してください。
こちらで日時と場所を調整したいと思います。

コンプラ的なアレで記事が消されるとしたら、「おかま」よりも、「いらっしゃいまんこー!」なんでは、という気がしないでもない。


なんのはなしですかま


参加しています。65日め。

あしたでおしまい!