宮島訪問税前払い証ときっぷ収集、宮島訪問税とフリーきっぷ制度との相性の悪さ2題

 2023年10月1日より、宮島訪問税の徴収が開始された。
 これに伴い、宮島へ【渡航するごと】に100円を、渡航開始前月10日までに500円を一括納付すれば、渡航開始予定日より1年間(きっぷの制度のように、例えば4月15日から有効の場合は翌年の4月14日まで有効)は1年分一時納付証明書(前払証とする)の提示で渡航できる。

宮島訪問税1年分一時納付証明書

 詳細は各自で廿日市市ホームページの「宮島訪問税の概要について」のページを御覧いただきたい。また、宮島訪問税の条例についても一度ご覧いただくと良いかもしれない。

証明書読取部がある宮島松大汽船の券売機

 1題目。前払証の使用方法は2つあり、1つはQRコードを読ませるパターン、もう1つは係員の目視により通過するパターンだ。
 まず、QRコードを読ませるパターンについては、宮島渡航利用客の大半が利用する宮島口~宮島間航路のうち、JR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船の2社の券売機での乗船券購入について使用するのと、IC乗船時に減算するパターンである。
 この場合、QRコードは端末がオンライン照会され、OKであれば証明書にて税なしで運賃収受ができる。

JR西日本宮島フェリー発行の税なし乗船券

オンライン照会される内容が明らかではなかったが、今日発覚したのは「有効期限等」だけではなく「使用状況」による有効無効の設定だ。
 これは証明書の使用履歴がサーバーに記録され、一定時間証明書の使用が不可能になる仕組みである。
 発覚したのは、趣味購入で税なし券を購入した直後、証明書使用できる画面をもう一度見ようと証明書をかざした所「この証明書は使えません」というエラーメッセージが出現。
 理由が分からなかったので、改札係員に正直に「きっぷ集めで使用したら使えなくなったけど何が原因でしょう?」と言って見てもらったところ「使用時間エラー(うろ覚え)」などというメッセージ。
 ちょうど今日は廿日市市の担当者さんがたくさんおられ、その人に聞くと

 【】;私の発言
 「」;廿日市市担当者様の発言

 「不正使用(要は証明書を使って何人分も券を買って乗船する)を防止するために、一定時間の再使用を禁止するようになっています。」
 【それはどのぐらいの時間?】
 「そこは、セキュリティの問題で答えることは出来ません」
 【明日とかには使える?】
 「それは大丈夫です。」
 【これから定期券を使うのだけれども】
 (宮島フェリーの方に確認した上で)
 「定期券については目視で通過できるので、問題はありません」との回答であった。

 時間制限があるため、税なし券の趣味購入は1回限りの仕様となるだけでなく、その後ICカードでの利用も不可能になることをしっかり考えてきっぷを購入するべきである。
 しかし、使用履歴のネガデータはあるものの、前払証に紐づけされた年齢と購入乗船券の大人小児の照合は行っていない模様で、いい大人が小児の税なし券を購入することが可能であった。
 また、定期券は目視通過であるため、前払証のネガデータは確認できず、不正の可能性も若干あるのではないか(同行者に自分の前払証で券を購入し、自分は定期券で通過)と思われるが、このようなケースはほぼないだろうと思われるので、無視しているのかもしれない。

 2題目。その廿日市市の担当者さんと話したところで、以前から気になっていた件を聞いてみました。

瀬戸内シーラインの1日フリーパス(訪問税込)

 【】;私の発言
 「」;廿日市市担当者様の発言
 ※実際とはちょっと違う流れですが、内容的にはこういう感じの話をしました
 【瀬戸内シーラインや松大汽船にある1日フリーきっぷでは、宮島訪問税を予め100円支払うタイプになっていて、これは宮島訪問税1回分であるが、1日フリーきっぷの性質上宮島へは何度も渡航できる。しかし、宮島訪問税は1回の渡航につき100円の税を納めるが、これでは2度目以降の渡航が可能になる】
 「実はフリーきっぷの性質上、対応できていない。」
 【宮島訪問税は1回でなく1日に100円の納税?条例を見た感じでは1回につき100円となっていたが。】
 「1回で100円です」
 【やはりこれらのフリーきっぷは宮島に1回のみ渡航するだろうという予測?】
 「その通りです。」
 【それではフリーきっぷには1回目の渡航の際の訪問税のみが含まれており、2度目以降渡航する場合は別途支払わないといけないということ?】
 「その通りです。」
 【正直2度目は旅客の”善意”で支払うことになる?】
 「いまの現状ではその通りになっていて、フリーきっぷでは宮島渡航時に既に渡航されているのか、されていないのかがチェックできないので、どうしても2度目以降の渡航時に訪問税を請求し辛い。係員が渡航されたかどうかを確認するしかないが、実際にフリーきっぷを利用して2度目の渡航するようなケースは稀であろうと考えている」

宮島訪問税券(瀬戸内シーライン宇品港発行)

 まとめると、
◯宮島訪問税は1回につき100円支払う(原則)
◯フリーきっぷ類でも同様である
◯訪問税込みのフリーきっぷは訪問税の支払いの手間を軽減する目的
◯しかし、訪問税券が別途添付された形となったフリーきっぷでないため、2度目以降の訪問税支払いの逋脱(ほだつ)が可能になってしまっている
◯現状フリーきっぷの2度目以降の訪問税納付は旅客の善意か、係員の注意に頼ることになる

私案1日乗船券(宮島訪問税込み券)

 個人的には2度目の訪問かどうかを確認するには1日フリー乗船券の横にミシン目を入れた訪問税券を発行すれば済む話で、最初広電の1日乗船車券の話を聞いたときにそのような券を作るのでは?と思っていたが(もしくはQRのようなものがついていて読み込むのか?)プレスリリースの券をみても切り離しはできるようになってなかった。
 しかし制度上2回目以降の渡航で宮島訪問税がかかるのであれば、フリー乗船券の注意書きに「宮島訪問税込み」ではあるが2回目以降の渡航時には訪問税がかかる旨の記載をすればよいのであるが、不思議なところである。

 以上2題、2023年10月1日、宮島訪問税徴収開始初日に宮島へ渡航した際にわかったことを記載してみました。訪問税が導入されましたが、ぜひ皆さんも宮島に渡航してみてくださいね。

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