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腕部置換部材『Wisteria』製作ガイド

23/12/27 追記

 素材と肘の設計を変更しました。
 素材がツイート添付の動画のものに変更されています。それに伴いfig. ad1, 2のように挟み込みによる抜け防止と保持力増加を目的として、肘の関節のパーツ数を増やしました。
 boothでは購入履歴が確認できる方を対象に返品不要の交換対応を予定しています。正式なアナウンスはboothメッセージにて行います、しばらくお待ちください。
 いろしか様での対応も開始をお待ちください。

fig. ad1 設計変更後の構成
fig. ad2 設計変更後の組み立て概要

・概略

fig. 1 伸ばし
fig. 2 曲げ


fig. 3 付属する掌
fig. 4 使用例
fig. 5 キット内容とサフ状態の腕

 fig. 1-5は3Dモデルのレンダリング図とサフ状態、キット内容です。
 皇巫スサノヲの脚の意匠に寄せた腕部です。前腕の装甲がロールに合わせ可動したり、肘の曲げに合わせ肘の装飾パーツや肘と上腕の装甲がスライドする事で、腕を曲げた際に密度感を保つ事が出来るキットです。
 このキットにより「メカ腕の手首をロールさせても前腕の装甲はロールしない」、「前腕をロールさせると肘と前腕の装甲がチグハグになる」という不満を解決できる可能性があります。
 キット内容は両腕で差分予備込みで32パーツ、肘の差分が4パーツ、磁石が4個、Φ0.9mm鉄球4個、Φ4mmワッシャー2個です。キット以外で必要なパーツは腕部を除くメガミデバイス素体一式です。
 可動部が多いため、嵌める際の順番や注意点がいくつかあります、後述の組み順の項目をよくご確認ください。

・注意点

 本キットはUVレジン製です、通常のレジンキャスト製ガレージキットと同様の洗浄煮沸処理を行うと破損する可能性が高いです。二次硬化とIPAによる洗浄を行っているので、ご自宅での洗浄を行う際はあまり強力でない中性洗剤等を使用し常温で行ってください。
 腕全体が左右対称になっているため、パーツは混ぜずに製作する方が楽だと思います。
 パーツ補償などのアフターサービスはいろしか様で購入したものに関してはいろしか様の店頭で受けることが出来ます。Boothで購入したものに関しては必ずBoothからアフターサービスを要請してください。アフターサービスは追加料金なしで受ける事が出来ます。

・工具類について

  1. ニッパー、デザインナイフ
     金属線は切らないので、普通のニッパーで大丈夫です。アルティメットニッパーは折れやすいので絶対に避けてください。

  2. やすり、コンパウンド
     240-1000番があるといいかもしれません、曲面なのでスポンジやすりが便利です。サフ吹いて削ってを繰り返して良い感じにします。
     また、透明パーツは800番程度まで磨いた後クリアを吹き、コンパウンドを使って磨くと質感が良くなります。

  3. 瞬間接着剤
     肘の装飾パーツのおまけで使用します。少量でも強力に接着できるものがお勧めです、僕はwaveのジェルタイプを使っています。白化しないことをお祈りしながら3Sなどの低粘度瞬着や素直に3Lを使うのもいいかもしれません。

  4. グリス、筆
     摺動部に潤滑油を塗布してください、摩耗による嵌め合いの悪化を緩和できます。塗り過ぎてフリクションが弱くなった場合は綺麗な綿棒などで拭き取りながら渋み調節をしてみてください。

  5. 塗料、筆、エアブラシ等
     出力品ですので塗装が必要です。強い有機溶媒を使うとクラックが入る可能性が高いのでサポート材などにお使いのシンナーを塗布して様子を見てください。

  6. ドライヤーやヒートガン
     UVレジンは室温によって硬度がかなり変わるため、嵌め合いがさらに厳しくなる場合があります。フレーム回りの嵌め合いがシビアな部分は全て様子を見ながら加熱し、軟化させて作業してください。

・パーツ配置と組み順

fig. 6 前腕
fig. 7 フレーム構成



 フレーム回りはかなりカツカツです。適宜ドライヤーやヒートガンで温める事、サポート痕なども丁寧に除去する事、グリスをしっかり塗る事で事故を減らすことができます。
 前腕はfig. 6のような位置関係になっています、手首を嵌め込む際にかなり力が要ります。折らないように注意しつつ、付属のグリスを塗って気合いで嵌め込んでください。適宜手首軸の先端を削りながら調整すると事故を減らせると思います。
 また、青く示されているワッシャーを手首を嵌め込む際に必ず挟んでください。Φ2 mmの磁石を前腕に接着してください。
 肘の装飾パーツはクリックで位置決めをする凹部分があります。先端部分のサポート痕処理はほどほどにしておいてください。

 fig. 7の配置で肘関節を嵌め込みます。十分にグリスを塗り、押し込んでください。押し込む際に捻じると受け軸側が割れる可能性が高いです。

fig. 8 肘装甲スライドレール
fig. 9 肘装甲
fig. 10 上腕装甲スライドレール
fig. 11 上腕装甲

 fig. 8で青く表示されているスライドレールに肘装甲を挿し込みます。肘を曲げた状態で作業すると挿し込みやすいです。手前側に2ヶ所の凹部分がありますが、クリックで位置決めするためのものです。装甲側にも凸部分があるので、削り落とさないように注意してください。
 
同様に上腕装甲もfig.10で青く表示されているレールに挿し込みます。こちらも凹凸があるため削り落とさないように注意してください。

fig. 12 前腕装甲
fig. 13 前腕装甲配置

 fig. 12で青く示されているΦ2 mm磁石とΦ0.9 mm鉄球を前腕装甲に接着してください。
 前腕装甲はワッシャーとΦ2 mm磁石にマウントされます。手首のひねりに合わせて傾け、自然な前腕のひねりを表現してみてください。

fig. 14 掌と手首
fig. 15 手首

 本キットで最も繊細な部分です、十分注意して作業を進めてください。
 fig. 14で青く表示されている面で挟み込む事で保持力を確保しています。これらは手首と前腕が水平な状態では挿し込む事が出来ません。手首が90度近く傾いた状態で挿し込み、水平に戻す事で手首の接続が完了します。
 また、挟み込む構造の都合上±30度程の範囲から外れると、通常のメガミ手首より弱い保持力がさらに弱まります。重量物はできるだけ持たせない方が良いと思います。

fig. 16 腕を曲げた際の可動

 肘は150度程曲がります。肘を曲げるとスカスカになるため先述の肘と上腕の装甲、肘の装飾パーツが可動します。
 肘の装飾パーツは45度程動き、装甲パーツは肘側に1 mmずつ動かす事で密度感を確保する事が出来ます。腕の曲げ具合に合わせ、肘の装飾パーツや装甲のスライドをしてみてください。 

・作例

fig. 17 作例
fig. 18 作例
fig. 19 作例

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