拡張脚部部材『dracocephalum』、拡張体幹部材『lallemantia』組み立てガイド
・購入される前に
fig. 1は3Dモデルをレンダリングしたイメージ図です。本ガイドではメガミデバイス、マシニーカ素体脚部を置き換える拡張脚部部材『dracocephalum』及び、マシニーカ素体体幹を置き換える拡張体幹部材『lallemantia』の組み立てを解説します。脚、体幹共に成型色はフレームはグレーのみ、装甲はグレーと透明と白の3種類です。
fig. 2は脚と体幹のフレームにサフを吹き、装甲にクリアを吹いたものです。装甲の固定は再利用するために両面テープを使用していますが、実際の製作の際にはハイグレード模型用などの透明パーツに適した接着剤を使用してください。
大腿部と接続する軸と足首以外、脚は全て磁力式の関節です。素体状態で一応自立しますが、安全のためにスタンドを利用して飾ってください。
また、体幹は肩甲骨ブロックやパンツなど一部が磁力式です。可動式の背骨は複数の方式が組み合わさった接続になっています。
膝に埋め込むスチール線を微調節する必要があるため金属線用のニッパーが必要です。組み立てにはメガミデバイスの手首関節や素体が別途必要です。組み立てや塗装の際に破損した場合や、出力不良が見つかった場合はBOOTHのメッセージからパーツ請求を行ってください。郵送にて対応いたします。
・注意事項
透明色のパーツは露光漏れにより一部の造形が崩れている部分があります。修正を行う必要があるためかなりのつらい作業が待っています。
UVレジン製です、通常のレジンキャスト製ガレージキットと同様の洗浄煮沸処理を行うと破損する可能性が高いです。二次硬化とIPAによる洗浄を行っているので、ご自宅での洗浄を行う際はあまり強力でない中性洗剤等を使用し常温で行ってください。洗浄後はよく濯ぎ、乾燥させてから次の工程に進むと事故が減ります。塗装や洗浄で割れた際はboothのメッセージからお問い合わせください。
・工具類について
ニッパー、デザインナイフ
Φ0.9mmのスチール線を切断できるものが必要です、アルティメットは折れるので絶対に避けてください。やすり、コンパウンド
240-1000番があるといいかもしれません、曲面なのでスポンジやすりが便利です。サフ吹いて削ってを繰り返して良い感じにします。
また、透明パーツは800番程度まで磨いた後クリアを吹き、コンパウンドを使って磨くと質感が良くなります。瞬間接着剤、クリアパーツ用接着剤
少量でも強力に接着できるものがお勧めです、僕はwaveの3Gを使っています。透明パーツとフレームの接着にはセメダインハイグレード模型用などが適していると思います。グリス、筆
摺動部に潤滑油を塗布してください、摩耗による嵌め合いの悪化を緩和できます。塗り過ぎてフリクションが弱くなった場合は綺麗な綿棒などで拭き取りながら渋み調節をしてみてください。塗料、筆、エアブラシ等
出力品ですので塗装が必要です。強い有機溶媒を使うとクラックが入る可能性が高いのでサポート材などにお使いのシンナーを塗布して様子を見てください。六角レンチ、ボックスドライバー
体幹のキットの骨盤回りはM2のボルトとロックナットにより接続されます。締め込む際にパンツステーとのクリアランスが小さいためフレームを折らないように注意してください。
・脚部組み立て
梱包されているRとLのパーツは刻印もなく、かなり見分けがつきにくいため、混ぜないことをお勧めします。マスキングテープによるタグ付け、管理する箱を分ける等の対策をとってください。
fig. 3はサポートを外したパーツです。抉れが発生しないように丁寧にニッパーで取り除いてください。サポート痕を処理すると、グレーのフレームと装甲はfig. 4のようになります。
問題は透明装甲です。fig. 5の赤で示した部分など、サポートやパーツ下部の造形が露光漏れにより崩れている部分があり、修正は手作業で行う必要があります。
サポート痕の処理とエッジの修正は気合いでなんとかしてください。だいたいの造形が知りたい場合はグレーの装甲をリファレンスにするといいかもしれません。透明装甲の表面処理は内側にも積層痕があるため、ピンセットで細かく切ったスポンジやすりを挟んで削るなどかなり難儀です。フレームとの接続ガイドは残しておいてください、リカバリー不能になります。
また、膝装甲と膝関節の接合部でも露光漏れにより形状が合わなくなっている部分があります。fig. 7で膝レールの赤く示した部分を削ることで対応してください。グレー成型の装甲は加工せず嵌ると思います。
上くらいの崩れ具合だとこの程度まで削れば入ると思います。少しずつ削って調節してみてください。
磁石を接着する際の注意ですが、基本的にはちゃんと吸着する方向で嵌めるくらいです。膝関節回りが少し複雑なので解説します。
まず、膝レール部分の掘り込みにスチール線を接着します。
次にマイナスドライバ―の先などでスライド膝関節に2mmの磁石を隙間から挿しこみます。この時の向きはそんなに気にしなくて大丈夫だと思います。
内側の磁石を付けたスライド膝関節をfig. 13の向きでレールに挿しこんで、キャップを接着します。この際に、レール部分に少量グリスを塗布しておくと摩耗が防げます。フリクションが足りないと感じた場合は綿棒などで拭き取って調節してみてください。
大腿部分はfig. 14のように引き合う向きで磁石を接着して下さい。足首に使用するメガミデバイスの手首関節はデフォルトだとかなり硬いため、グリスを少量塗布してから使用するとフレームに負荷がかかりにくいです。
素体の腿との接続軸はデフォルトだとかなり緩いため、マットバーニッシュなどで渋み調節を行ってください。
・体幹組み立て
パーツの切り出しで注意する点は全体的に脆い以外だと非可動背骨にあります。fig. 16の赤の部分を除去するとfig. 17の状態になります。fig. 17の赤の部のサポートがパーツと接触しているので、慎重にデザインナイフやニッパーで除去します。fig. 18のようになれば完了です。
fig. 19はスチール線の曲げ治具です。1番左が腹部装甲のステー用で、2番目がパンツと接続するステー用、真ん中が可動背骨用、次が腹部装甲裏面用、最後が胸郭の肩部レール用です。左下の穴は可動背骨で使用する3mmプラ棒を2.4mmに切断するためのものです。
非可動の背骨にスチール線などを接着した状態です。腹部装甲はステーに磁石を置き、そこに腹部装甲裏面のスチール線を吸着させ配置します (fig. 20, 21)。
fig. 22のように椎間板に治具で切り出して断面を整えたプラ棒を押し込み、2mmの磁石とともに接着します。BJのパーツにも2mmの磁石を接着します。右の円にある突起はクリック関節に必要な部分ですので切り落とさないでください。摩耗しやすいため十分に潤滑してください。
治具の真ん中の部分で曲げ具合を調整したスチール線をfig. 23のようにレールパーツへ挿入し接着します。
胸郭へBJを接続する際はfig. 24のようにピンセットでつかみながら十分に潤滑して挿入してください。レールに接続した状態で挿入しようとすると摩耗が激しいため避けてください。
背骨を構成するパーツを組み合わせるとfig. 25のようになり、レールに沿って背骨を伸ばすとfig. 26の背をそらせるような状態になります。左右には20°ずつくらい傾きますが軸の摩耗が激しいため十分に潤滑し、慎重に動かしてください。
気に入ったポーズで背骨を接着してしまうのも良いかもしれません。
・ギャラリー
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