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拡張体幹部材『lallemantia』製作ガイド(いろしか様委託分)

・概略

fig. 1 レンダリング
fig. 2 キット内容物

 fig. 1, 2は3Dモデルをレンダリングした図と、キット内容物の写真です。透明装甲は5パーツ、フレームは14パーツ(一部予備有)と磁石16個とジョイント、スチール線十分量、M2ボルトとM2ロックナット各2個で構成されています。キット以外に必要なパーツは首BJパーツを含む頭部、手足、メガミデバイス手首軸です。
 いろしか様委託分は固定式の背骨と透明装甲のセットです。 通常のスタンドパーツが使用できないため、前述した骨盤のボルトとロックナットに接続するジョイントが付属します。

・追記1

addnl. 1 出力品の透明装甲

 fig. 2のパーツ一覧と後述の注意事項についての追記です。透明装甲の生産方法が変更になりました。サポート痕や表面の処理が少し面倒になりますが、体温による軟化は多少マシになってると思います。水に長時間浸漬する事は避けてください。

・追記2 レイヤー装甲の組図

 通常メガミへのフィッティングを行っていないため、レイヤー装甲はこのキットでしか恐らく使用できません。ほぼおまけパーツですがアホ程出力がしんどいので1000円でなんとか許してくださいのやつです。
 まず表面処理を終わらせるまでが辛いですがなんとか乗り切ってください。サポートを一部残したまま表面を整えると楽な部分があるかもしれません。

addnl. 2 腹部追加装甲

 addnl. 2で青くなっている部分で接着します。白化しない事を祈りながら流し込み瞬着を使用するか、素直に低白化瞬着を使用してください。

addnl. 3 腹部追加装甲の磁石配置

 addnl. 3の青で示されている部分は埋まりがちなのでΦ2mmエンドミルやスピンブレードで貫通に気を付けつつ掘り直してください。その後付属の磁石を接着します。スカート装甲との磁石の向きに気を付けてください。

addnl. 4 スカート装甲の磁石配置

 スカート装甲も同様にΦ2mmで掘り直し接着して下さい。かなり肉厚に余裕が無いので慎重に作業してください。

addnl. 5 スカート装甲の配置

 磁石を接着した後、左右のクロス帯を青く示された部分で接着します。

addnl. 6 実装1

 胸郭を外した状態でスカート装甲と腹部追加装甲を被せます。この時点で脚部のポージング変更はかなり難しくなるため、先に調節する事をお勧めします。

addnl. 7 実装2

 胸部追加装甲は肩と首を外した状態で乗せるだけです。
 本体への固定ポイントはありません、半透明に仕上げてブルタックで固定ないしは気合いでなんとかします。しんどい、誰やねんこれ設計した奴、ほんまに申し訳ない。

追記3 可動背骨の組図

 これもほぼおまけパーツです。通常の固定背骨を可動化するためのパーツですが当然固定背骨よりも自由度が上がる分ポージングがしんどくなります。以前boothで販売していたv1.0よりマシですが、それでも設計者に対してしばくぞという気持ちがわいてきます。ほんまに申し訳ない。

addnl. 8

 見ただけでしんどいですね。青く示されている部分にスチール線とΦ2mmの磁石を接着していきます。磁石の向きはあまり気にしなくて大丈夫です。
 背骨の前後傾きはクリック式で調節するため適宜潤滑してください。捻り軸は左右に15度程度、レール関節で背骨の反りなどむりやり頑張るとジャックオーポーズがとれたりします。脚が長いとかなり難しいと思います、気合いの要求量が大きすぎる。

・注意事項

 フレームはUVレジン製です、通常のレジンキャスト製ガレージキットと同様の洗浄煮沸処理を行うと破損する可能性が高いです。二次硬化とIPAによる洗浄を行っているので、ご自宅での洗浄を行う際はあまり強力でない中性洗剤等を使用し常温で行ってください。
 透明パーツはクラフトレジン製です、直射日光に当て続けると黄変する可能性が高いです。離型剤が残留している可能性があるため、塗装する際は様子見をしつつ作業してください。
 パーツ補償などのアフターサービスはいろしか様で購入したものに関してはいろしか様の店頭で受けることが出来ます。Boothで購入したものに関しては必ずBoothからアフターサービスを要請してください。

・工具類について

  1. ニッパー、デザインナイフ
     Φ0.9mmのスチール線を切断できるものが必要です、アルティメットニッパーは折れるので絶対に避けてください。

  2. やすり、コンパウンド
     240-1000番があるといいかもしれません、曲面なのでスポンジやすりが便利です。サフ吹いて削ってを繰り返して良い感じにします。
     また、透明パーツは800番程度まで磨いた後クリアを吹き、コンパウンドを使って磨くと質感が良くなります。

  3. 瞬間接着剤、クリアパーツ用接着剤
     少量でも強力に接着できるものがお勧めです、僕はwaveの3Gを使っています。透明パーツとフレームの接着にはセメダインハイグレード模型用などが適していると思います。

  4. グリス、筆
     摺動部に潤滑油を塗布してください、摩耗による嵌め合いの悪化を緩和できます。塗り過ぎてフリクションが弱くなった場合は綺麗な綿棒などで拭き取りながら渋み調節をしてみてください。

  5. 塗料、筆、エアブラシ等
     出力品ですので塗装が必要です。強い有機溶媒を使うとクラックが入る可能性が高いのでサポート材などにお使いのシンナーを塗布して様子を見てください。

  6. 六角レンチ、ボックスドライバー
     体幹のキットの骨盤回りはM2のボルトとロックナットにより接続されます。締め込む際にパンツステーとのクリアランスが小さいためフレームを折らないように注意してください。

・パーツ配置と組み順

fig. 3 骨盤

工程1
 摺動部にグリスを塗布しつつ六角レンチでM2のボルトを締め込んでください。樹脂製なので過度に締め込むとパーツが割れる原因になります。

fig. 4 骨盤と背骨の接続

工程2
 背骨パーツと骨盤を接続します。工程1と同様にグリスを塗布しボルトを締め込んでください。

fig. 5 スチール線の配置と治具の対応

工程3
 スチール線を治具を使って曲げます。fig. 6のように根本をペンチで押さえ、ガイドに沿ってスチール線を曲げてください。大まかに曲げを合わせたらパーツに合わせて調整し、長さの調節を行ってください。

fig.6 治具使用方法
fig. 7 骨盤と磁石の配置

工程4
 緑の矢印で示したパーツが骨盤です。背骨下部のスチール線と磁力で接続します。青く示した位置に3mm径のネオジウム磁石を接着してください。

fig. 8 胸郭とスチール線の配置

工程5
 胸郭パーツを背骨のボールジョイントに押し込みます。若干緩く感じる場合はグリスを少しずつ拭き取り、フリクションを調節してみてください。

fig. 9 肩甲骨基部の磁石配置

工程6
 肩甲骨基部には胸郭のスチール線と接続する2mm径の磁石と、肩甲骨と接続する3mm径の磁石を接着します。
 2mm径の磁石から作業を行うと磁石の反発で作業性が悪化することを避ける事が出来ます。配置はfig. 9, 10を参考にしてください。
 3mm径磁石の向きを間違えるとリカバリー不能ですので注意して作業してください。

fig. 10 2mm径磁石の挿入方法参考

工程7
 肩甲骨基部をレールに沿ってはめ込み、肩甲骨を接続します。肩甲骨基部と引き合うように磁石の向きを気を付けて接着して下さい。また、レールの先端部分にキャップ状のパーツを接着してください。

fig. 11 胸郭と首の接続

工程8
 腹部装甲とスチール線保持パーツの位置関係、及びスチール線曲げ治具での配置はfig. 12を参考にしてください。
 実物の写真はfig. 13, 14で、透明装甲なので正面から透けて見えるため慎重に接着して下さい。fig. 14では、接続に両面テープを使用しているためこのような見え方になります。

fig. 12 腹部装甲とパーツ配置
fig. 13 腹部装甲とスチール線の配置
fig. 14 腹部装甲を斜め前方から

工程9
 腹部装甲と背骨の接続には2mm径の磁石を4個使用します。工程2で接着したスチール線の上側4本に磁石を配置し、腹部装甲をfig. 14のように配置してください。

fig. 15 磁石配置

工程10
 腕パーツや大腿パーツ、首などの接続軸にもグリスを塗布してからお手持ちのパーツを接続してみてください。嵌め合い調整が必要な場合はグリスを一度落としてからマットバーニッシュで太らせる、やすって瘦せさせるなどを試してみてください。

fig. 16完成イメージ


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