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複腕胸郭部材『Oenothera v2』

・概略

fig. 1 レンダリング (プレーン)
fig. 2 レンダリング (長手甲)
fig. 3 作例
fig.  4 作例
fig.  5 作例
fig. 6 キット内容物

 fig. 1-6は3Dモデルのレンダリングと出力品の作例写真、キットの内容です。
 本キットはメガミデバイスを複腕にするトップスセット相当のもので、通常素体に対応しています。内容物は胸郭、BJを含む首、前後の肩です。キット以外で必要なパーツは置換部分を除くメガミデバイス素体一式です。

・注意点

 本キットはUVレジン製です、通常のレジンキャスト製ガレージキットと同様の洗浄煮沸処理を行うと破損する可能性が高いです。二次硬化とIPAによる洗浄を行っています。ご自宅での洗浄を行う際はあまり強力でない中性洗剤等を使用して常温で行ってください。
 パーツ補償などのアフターサービスはいろしか様で購入したものに関してはいろしか様の店頭で受けることが出来ます。Boothで購入したものに関しては必ずBoothからアフターサービスを要請してください。
 保持力を持たせるため、かなりシビアな嵌め合いになっています。後述もしますが、肩甲骨ブロックと肩BJとの嵌め合い調整は十分に行ってください。
 旧版ではポージングにかなりの難があったため、今回はベリルスマッシャーを保持できる程度には保持力があります (fig. 7)。しかしながら、胴体側の関節の渋みを強くするなどの加工を行わない場合、上半身の重量に負けてしまう可能性があります。

fig. 7 ベリルスマッシャー保持

・工具類について

  1. ニッパー、デザインナイフ
     長手甲verを製作する場合、非常に細かい部分を加工する必要があるため、作業しやすいものを用意してください。

  2. やすり、コンパウンド
     240-1000番があるといいかもしれません、曲面なのでスポンジやすりが便利です。サフ吹いて削ってを繰り返して良い感じにします。

  3. 瞬間接着剤
     少量でも強力に接着できるものがお勧めです、僕はwaveの3Sを使っています。

  4. グリス、筆
     摺動部に潤滑油を塗布してください、摩耗による嵌め合いの悪化を緩和できます。塗り過ぎてフリクションが弱くなった場合は綺麗な綿棒などで拭き取りながら渋み調節をしてみてください。

  5. 塗料、筆、エアブラシ等
     出力品ですので塗装が必要です。強い有機溶媒を使うとクラックが入る可能性が高いのでサポート材などにお使いのシンナーを塗布して様子を見てください。

・追記 (22/12/29)

 肩甲骨ブロックと肩のBJの差し込み時に破損しやすいため追記です。

  1. 嵌め合い調整をしなかった

  2.  付属のものでなく、メガミデバイスの肩BJを差し込んだ

  3. 嵌め合い調整をしたが塗装時にBJや受けにマスキングをしなかった

  4. マスキングをしたが塗装後にグリスを塗布しなかった

 肩甲骨ブロックが割れる場合、上記の状況がおおよそ当てはまると思います。上記の原因を全て取り除いても保持力のため圧がかかっているので、割れるリスクは完全に排除はできません。
 割れの回避策として肩甲骨ブロックを温めるというものがあります。50-60℃程にドライヤーやヒートガンで加熱するとほんのり軟化します。その状態でグリスを塗布した肩BJを差し込むと多少割れるリスクを抑えられると思います。
 あかんかったり予備使い切ったらbooth等でお問い合わせください。

・パーツ配置と軸について

fig. 8 パーツ配置

 プレーンも長手甲も肩回りの配置や首の接続などに違いはありません。前部肩甲骨ブロックは軸で、後部肩甲骨ブロックがBJで胸郭と接続されています。後部肩甲骨ブロックから嵌め、体幹に近い方から組んでいってください。
 また、前後の肩甲骨ブロックに肩のBJを差し込む際、強い抵抗感があった場合は絶対に嵌め合い調節を行ってください。肉厚に余裕がないため、無理に押し込むと確実に割れます。気合いで調節してください
 肩と首の関節は付属の2mmプラ棒で接続します。プラ棒を嵌めた後、接着し適宜表面処理を行ってください。
 ここからは長手甲についてです。

fig. 9 長手甲差分パーツ
fig. 10 色分けサンプル

 長手甲では色分けのためにfig. 9, 10のようにパーツに分割が入っています。チューブトップと長手甲、肌の色分けを行う際は適宜マスキングと塗装をお願いします。
 fig. 11のように、胸郭上部のパーツは出力の都合上接着面にサポート痕があります。慎重に除去してください。

fig. 11 胸郭のサポート痕処理例
fig. 12 胸部パーツの詳細

 長手甲の留め紐ですが、ほぼ確実に折るため3セット含まれています。ラフトを留め紐とそれ以外に分割してから作業を行ってください (fig.14)。分割の際に、分離したラフト上にサポートが残って引っ張られる場合があります。適宜切り取りながら気合いで折らないように頑張ってください。
 ちょうちょ結びの輪になっている部分のサポートは他の部分のサポートを除去せずに行う方が楽かもしれません。

fig. 13 留め紐詳細
fig. 14 割り方
fig. 15 分割前の切断位置
fig. 16 分離完了

 輪の部分の処理が終わったら、サポートから切り離し、留め紐単体にします。指先にマスキングテープを裏返して輪にしたものをつけ、慎重に表面処理を行ってください。

fig. 17 留め紐表面処理

・気合いリカバリー

  1. 紐を折った場合
    折れますね、心。
    まず折れた部分を根本から除去します。

fig. 18 やらかし
fig. 19 除去

 予備から欠損部分を切り出します。飛んでいかないようにマステで押さえて置くと幸せになれます。リカバリーしてる時点で幸せではない。それはそう。

fig. 20 欠損部分切り出し

 欠けた部分と合わせて調整し、接着します。最後に極細の筆で気合い塗装して終わりです。気合いの要求量が大きすぎる。

fig. 21 フィッティング
fig. 22 接着完了
fig. 23 リカバリー完了

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