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チアーヌ詩集

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チアーヌ名義で書いた詩をこちらにまとめようと思います。 お気軽に感想ください!
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#乃村寧音

どうかわたしにスープを飲ませてください

誰だろう?誰かに見られてる。おかしい。ゾクゾクする。 男だ、と思う。わたしは女だから、見…

知らない体

今日も良い天気 環状8号線から ちょっと入ったところ 思ったよりも静かな 住宅地 不思議な…

はさみ

ずっと泣いていたら とても疲れて 座った場所から 動けなくなってしまった         世…

歩道橋の上で

粘土でできた空飛ぶ天使が すごいスピードで 逃げていく 青空は遠く やたらに暑い ぐらぐら…

たぬき

楽しいはずの デートの帰り 彼が たぬきを轢く たぬきはこげ茶と黒が入り混じった体毛で 牙…

トイレに行きたい

階段を下りて いつもの場所へ出る さあ一日の始まり お水をコップ一杯 ごくごく 今日は雨を作…

電車に乗って

久しぶりに 電車に乗ったら なんだか気になることが たくさん 他の人が持っているものが 全然わからなくて 「それは何ですか」 と 聞きたくても 聞けないし 仕方ないから ただ黙って見ている 気になったのは 斜め前に座っていた 作業着姿の二十歳くらいの男の子 手に何か持って かちゃかちゃやっている 携帯かなと思っていたけど 携帯より大きそう かちゃかちゃやってる 夢中で ゲームかな でもゲームじゃなさそう でもこういうの たくさんあるんだよね きっと わたしが 知

透明人間

気が遠くなるほど 恋をしてしまったとき いや 言い換えよう 特定の 誰かに 欲情してしまったと…

清潔で明るいところ

うちには おとなと こどもと インドホシガメと 魚がたくさんと 植物が 住んでる あと、死んだ…

がんばって

桜舞い散る東京の 住宅街近くのスーパーマーケット どこからか湧いて出た ピカピカの一年生が …

黒ウサギ

美しい女人の影に隠れ そっと白い腹を見せる 黒ウサギ その白い腹は 仰向けにならないと 見え…

捨てる

すぐにいろんなものを 捨ててしまう 思い出になったら 怖いから 思い出になる前に 捨てる …

産婦人科病棟

入院病棟の生暖かい清潔な 空気を吸いこみ眠る 窓の外に見える 看護師寮では 真夜中にドアが何…

向こう側

気が動転し 何も考えられない とりあえずコンビニで そばを買い ほぐしながら 食べる 明日は起きたらすぐ 夜汽車に乗る 場所は向こう側へ 行ければいい こぼれた赤いジュース トイレに沈む携帯電話 おしっこも お風呂でしなくちゃ 立ったまま ぶるぶる震える 窓の外に 悪魔のしるし ほんとに行くのかな 股間から血を 流しながら 向こう側は遠い 初出 現代詩フォーラム 20040405