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チアーヌ詩集

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チアーヌ名義で書いた詩をこちらにまとめようと思います。 お気軽に感想ください!
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白い水

踊って 踊って 踊り疲れたら 眠りましょう 指の間を 通る 白い水 ざぶん 流してあげる 初…

練習

それは たとえば 売られていく ときの 球根の感情に 似て ぬるい コーンスープを 飲む 今日…

野良鶴

甘い甘い時間 向かい逢う鶴の羽 今夜もう少しで 叶えられるところだったのに テレビをつけよ…

透明なお皿

困った どうしても食べたい 今すぐ食べたい おいしそうなうさぎ おいしそうないたち おいしそ…

かわいい匂い

泣いているこどもは 湯気が立っていて かわいい匂いがする 抱き締めて 頭に鼻をくっつけて く…

透明人間

気が遠くなるほど 恋をしてしまったとき いや 言い換えよう 特定の 誰かに 欲情してしまったと…

たぬき

楽しいはずの デートの帰り 彼が たぬきを轢く たぬきはこげ茶と黒が入り混じった体毛で 牙はするどく体長70センチくらい 道路の真ん中で横たわるたぬき たぬきは息をしていないので ちゃんと死んでいるらしい たぬきが可哀相だと わたしが泣くと 彼は無言で たぬきを車に乗せた トランクだけど 山の中で わたしたちが何をしていたのか それは ひみつだ たぬきはあのあと 立派な剥製になって おじいちゃんのうちに置いてある 彼とはずっと前に 別れてしまったけれど た

とどがいます

とどがいます 打ち上げられました 寝ています どこにも行けません 助けて なんて頼まない とど…

星のくまさん

くまさんはひとりでした 森の中 誰にも出会いませんでした 花咲く森の道 くまさんは ひとりで…

ひとり

わたしの体は わたしのモノ 夕方からお出かけして ラーメンと青島ビールを二本 ひとりで飲み…

夜の自転車

夜 知らない住宅街を 自転車で走っていたら なんだか怖くて 気がついたら みんなが家の前に座…

こぽこぽ

こぽこぽと音がする 静かなカフェに きつねと たぬきが やってきて コーヒーを 飲みたいと 言…

新しい部屋

留学生のアントワーヌは フランス人だけど英語も話す でもわたしはどっちもあやふやで アント…

黄色い線の内側

黄色い線までお下がりください 下がってますよはいはい 車掌さんいつもありがとう 風の強い夜 電車は黄金色に煌々と輝き 静かにわたしの前に滑り込む ドアが開く 乗らないでいると 後ろにいたひとたちが次々 わたしの肩を押して 電車に入っていく みんないってしまった