ボケボケのおばあちゃん
皆さんは普段から育ててもらった方に、またはお世話になっている方に親孝行を行っていますか?
コロナ禍に見舞われてはや二年、ステイホームが浸透し家族と過ごす時間が増え、親孝行をするにはもってこいの機会が格段と増えました。しかし今日まで私はまるで、家の置物のようにずーっと、じーっと、してきました(汗)
今日はそんな置物(私)の「親孝行」についてちょろっと…
「親孝行」とは自分を育ててくれた方やお世話になった方に、何かしらの形で恩を返す行動のことを言います。しかし冒頭で書いたように、私は親孝行をしていないどころか、何もせずずーっと家にいて、むしろ生活費をはじめ親不孝な感じがしてなりません。お父様、お母様、毎日本当に、ありがとうございます....これからもよろしくお願い....なんていつまでも言えないので、今日を機に、「親孝行」をしようと思います。というのも、この文章を書くきっかけとなったのは、私のお母さんのおじいちゃんにあります。
私のお母さんの、おじいちゃんとおばあちゃんはどちらもとても元気です、おばあちゃんは多少年齢と共に抗えないボケが進んでいますが、本当に面白い人で、大好きです。
家から自転車で20分もしないところに住んでいるため、よくおばあちゃんちに遊びに行きます。ボケてるおばあちゃんとは対照的に、3つ年上のおじいちゃんは本当に健康でしっかり者です。そして、私は私のおじいちゃんを尊敬しています。
ボケの進むおばあちゃんは、それはもう本当に、何度も同じことを言いますし、すぐに忘れます。こないだ大学授業を訳あっておばあちゃんちで受けていた時、あれだけ入ってこないでねっと言ったにもかかわらず、あらいたの!って乱入してきた時は本当に焦りました(笑)私はおばあちゃんちによく遊びにいくとはいえ、滞在時間はそれほど長くありません。よってこのボケボケのおばあちゃんと過ごす時間はとても面白いです。しかしこんな調子のおばあちゃんと毎日一緒にいるおじいちゃんはとても体力を使うと思います。
おばあちゃんちに行くといつも感心することがあります。それは私とお母さんが、おばあちゃんが繰り返し同じことを言うことに、 だからーとか、 もう何回も言ったじゃんって面倒くさそうに対応するのと対照的に、毎日一緒にいるおじいちゃんだけは、何度も何度も、丁寧に優しく同じ説明や受け答えをするのです。
これを夫婦だから当たり前だと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし少なくとも孫からしてみれば、これより素敵な関係が他にあるのかって真剣に考えるし、そんな二人のことを見ていると何故だか涙が出そうになったりします。
私はお父さんともお母さんともとても仲がいいです。だから心のどこかでそれだけで十分「親孝行」であると勘違いしていました。もちろん、家族関係は良いに越したことがないと思いますが、「親孝行」という観点においては仲の良さだけでは少し足りないのではないかと考えるようになりました。
お父さんだから、お母さんだから、家族だから...お世話になっている方との関係は様々ですが、もしかすると、それぞれの環境での役割を全うすることが「親孝行」だとは一概には言えないのかも知れません。 夫婦だから優しくする、娘だから両親と仲良くする、 全部間違ってないです。ただ重要なのは、「心から行動すること」だと思います。ボケているおばあちゃんを私やお母さんと同じように軽くあしらわないおじいちゃんは、夫として以前に、人間としてとても誠実な人だと思います。だから私はおじいちゃんを心から尊敬しているのです。
夫婦、娘、家族である以前に、1人の人間として、誠実に接することこそが1番の「親孝行」であると、今ではそう思います。また同時に、それぞれの環境で役割を全うすることだけが親孝行じゃないというところに、お母さんが毎日家事をすることや、お父さんが毎日働くことに、それぞれ両親の役割を見出してしまうのは間違えているという意味合いももたらしたいです。
ここまでおじいちゃんのお話を書き、自分なりの「親孝行」について述べてきましたが、この文章を書き終え皆さまに読んでいただいている頃には、家の置物ではなく、1人の人間として、自分のできること、いや誠実さを胸に生活していることを祈ります..
「親孝行するぞ」と意識的に何かしてみることも素敵ですが、何気ない1日が、自分の誠実さによる行いで、両親にとって少しでも幸せな1日になっていたらいいなと、気づけばそんな日々が積み重なっていればそれこそ、正真正銘「親孝行」なのではないかと、元 家の置物は思うのであります…
大切な考え方を、素敵な空間を、人としての生き方を教えてくれるおじいちゃん、それはもうボケボケのおばあちゃん。
ずーっとずっと長生きしますように、大好きだよ!
#それにしても本当にボケボケ #多分若い時から多少ボケてた#天然ってことにしとこ
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