チェンソーマンが面白いよううう(82日目)

・今まで我慢してたけど耐えかねてついにきのう『チェンソーマン』全巻買ってしまったので今はチェンソーマンの話しかしたくありません。超変則フォームから放たれるど真ん中の火の玉ストレートよ。

・最初っから面白かったけどここ最近の怒涛の展開とアキくん姫野先輩まわりのエモさにはもう、もうなーーーー。

・ネジが飛んでる人筆頭のデンジくんのカウンターパートとして、アキくんが普通の人筆頭としてめきめきキャラが立ってきた。それはこの作品世界ではすなわち「死ぬ可能性がめきめき高まる」ってことなんだけど、苛烈な戦場で自分を守るために人の心を消そうとして、でも死が間近をかすめる中でやはり消せないものが漏れ出てくる、という"普通の"人の哀しみが、バケモノだらけのキャラの中でひときわドエモい輝きを放つ。この構造が姫野先輩ブーストで完全に完成された感じが。

・そのアキくんが今週号で金玉蹴り大会にデンジと興じるという場面が、姫野先輩への思いと、頭のネジを初めてアキが一本外すことで死を受け入れて戦う上での新たなモードに入ること、デンジと初めて通じ合うことなど全部まとめて、どシリアスからのあまりにアホな落差で読者を泣き笑いにさせながらかえって切実に表現しまくっていて、めちゃくちゃ良かったですよね。

・ていうかゴースト戦の演出しびれたよね……ゴーストの体に花が咲き乱れてるのをあんな使い方するとは……。

・ていうか姫野先輩があまりに"普通の"女の子すぎて泣ける。後出しは卑怯だーーー!!!タバコもそうだけど演出がうますぎるんすよ藤本先生。

・単行本で改めて読み返すと、荒井くんがデンジを介抱するシーンとかも泣ける。仕事で酔って帰ってくるお母さん介抱してたから吐かせるの慣れてる、とかその人の背景を想像させる情報の出し方、演出の仕方があまりに絶妙な塩梅でなあ……。夜の仕事を頑張っておそらく女手ひとつで荒井くんを育てたお母さんはたぶんもうこの世にいないのかもしれず、それはきっと悪魔がらみの出来事であり、明らかに才能もなくイケメンでもない荒井くんがたぶん頭も貸してくれない狐と契約して悪魔を倒すためにデビルハンターになったのだろう、というところまでたった数コマ分の描写で想像させてしまうのですよ……すげえ……。

・にしてもあの飲み会の後あんな展開にするのはどう考えても作者の頭のネジこそ完全に飛んでるとしか言いようがない。やるからにはあそこまでやらんとダメなのだな。作劇においてはブレーキとアクセルを積極的に踏み間違える必要があるのか。

・呪術廻戦も鬼滅の刃もそうだけど最近のジャンプはバトルが苛烈でいいですね。主人公サイドが本当に死んだり取り返しのつかない負傷をしたりする可能性が常にある、という水準に戦いの描写を設定してて、その緊張感の持続のさせ方はすごく勉強になる。

・カッコよさを映画から学んだ人の漫画は信用できる気がする。

・まだまだ話し足りないが今日はこのくらいにしといてやらあ!

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