【月のしじま】
漉工房SUKIKOUBOU
(手漉きパルプ&和紙の造形制作)
高山しげこさんのすてきな作品を我が家にお迎えできました。
月のしじま
見れば見るほど美しい和紙の灯りです。
片面は、海に浮かぶ十三夜と光跡(月の道)のきらめき。
しじまの中にあって、心は密やかに満ちていくようです。
もう片面は、雪景色の森の天空はこぼれるような満点の星々。
あ、流れ星・・・!
祈りの声が聴こえるようです。
静寂のむこうに、
孤独の向こうに、
何かの気配が沸々と湧いてくるような、そんなパワーを感じさせてくれる灯りなのです。
2023年の振り返り
2023年は私にとって、がん治療の1年でした。2月には腎がんの部分摘出手術を受けました。4月からは再発乳がんの抗がん剤、延命目的の治療が始まりました。早期緩和ケアとして訪問看護も受け始めました。
エンハーツの効果と副作用の危ういバランスの中ではありましたが、ノユーク・チャイの活動も続けることができました。
特に以下の4つのイベントは、私にとってどれも貴重で特別なものとなりました。関わってくださった出演者、スタッフ、お客様の皆様、本当にありがとうございました。
・1/17 武田明美さんの箏ソロコンサート「ヒカリノツブヤキvol.2」
・6/5 DVD『 IN SEVENTH HEAVEN』中山英二さんと共同制作
・7/11 イケコさんのパフォーマンスソロライブ「イケコの笑劇場」
・10/24 エナトーネの3人による『濤』発売記念ライブ
カレンダーは白紙だけれど
こんなふうに概ね元気に動けていたものの、体調不良により休薬になったり、減薬して再開したりの現状では、新しい企画を立てることにためらいがあり、来年のカレンダーはまだ白紙です。
それに、世の中はコロナ対応が変化して、イベントはどこも花盛り。なにも私などがしゃしゃりでなくても大丈夫なのですから…。誰かが企画してくれたイベントに参加するとか、旅行を楽しむとか、もっと気楽に生活を彩り豊かにできることは他にもあるのですから。
それでも、やはり、疼きます。
ささやかでいいからなにか自分発のことをやってみたい…。
生きている実感がほしい…。
誰かと繋がっていたい…。
そんなわがままな願いが性懲りも無く膨らんできます。
ただ単純に、楽しいほうへ、明るいほうへ、顔を向けていたいのです。
反面、悪いシナリオもどうしようもなく空想して、引きづられて、そうそう楽観的にはなれないのです。よくないことが起きても無駄に落ち込むことがないように、シールドを張って自分を守っているのかもしれません。
病気との付き合いにおいては、「情報を知って自己決定すること」が何よりも大切だと感じています。その上で「大丈夫。なんとかなるさ。流れに任せてみよう」という平穏な心持ちになれたら幸いなのですが…。
物語の予感
高山さんがくださったお便りには
「玄関に佇む雰囲気が、これから何か、大きな期待と喜びを迎えそうな予感がいたします。
静寂なようだけれど、その向こうにたくさんのドラマがある。これから神山さんが行う数々の催しの誘いになれたら幸いです。」という応援メッセージが記されていました。嬉しいです。ありがとうございます。
「月のしじま」は、私のこころの底にある祈りの種に、静かにトントンと働きかけているようです。
この手漉きの灯りは、2024年、誰を照らし、どんな物語を生みだしてくれるのでしょうか。
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