「熱気球ソラと火の神様」
「熱気球ソラと火の神様」#創作室
日の出時刻の4時半。渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)は、青白い薄明かりにひっそりと静まりかえっていた。
土手の上では、熱気球チームのスタッフが黒い風船を空に飛ばす。風のチェックだ。風船は5分ほどかけて銀色の空に消えていった。
熱気球パイロットの辰之助さんは、ゲストを振り返ると、風速3メートル以下なので予定通り飛ばせることを力強く告げた。
「今日は予約がおひとりだったので、ソロ気球です。思いきり楽しんでください」
熱気球フリーフライト体験