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いじめ

ツイッターをしていて、とある方がいじめのつぶやきをされているのを拝見して自分の過去を思い出すことがあった。

あなたはいじめをしたことがあるだろうか、またいじめられた過去があるだろうか。
私は過去いじめられていた。
へぇ、そうなんだ?と聞き流さずに数分だけこのnoteに目を通してくれると非常に嬉しいので、時間があってもなくてもぜひ記事を読んでいってほしい。

いじめ、と言うと色々ある。
いじめって、なんなんだろう。
考えてみると、途方もないこと。
いじめっていうのは、受け手が「いじめられた!」と言えばもうそれがいじめになる。

私は過去二度に渡って凄惨ないじめを受けた。
また、いじめられる自分が嫌になって命を絶とうとした過去もある。

私の受けたいじめは、きっかけは些細なことだった。
小学生の頃、一人でいるのが好きだった。
逆を言うと、どうやって友達を作ればいいのか全然わからなかった。
なので、一人で本を読んだり絵を書くことが多かった。
なおかつおとなしく、何か言われても言い返すことができなかった。

たったそれだけで私はターゲットにされた

いじめは、無視や小声での悪口がスタートだった。
こちらから声をかけることはなかったため、何か意見して無視されるということは無かったが、たとえばグループを作るときに徹底的に排除された。
移動教室の時は、自由席の場合は私から距離を置くように机を離された。
先生も見ていたんだが、新任教師のため強く言えなかったようだ。
また、私も「助けて」を言わなかった。

いじめは日に日にエスカレートした。
ゴミを授業中に投げつけられたり、大声で悪口を言われたり笑われたり、何もしてないのに気持ち悪いと言われたり。
最初は気にならなかったいじめは、私の精神を蝕むまで時間はかからず、教室に入るのが少しずつ嫌になっていった。

いじめられている、と自覚して三ヶ月、私はようやく先生に「助けて」を伝えた。
ヘルプサインをキャッチした先生の行動は、さすがというほど早かった。

先生がはじめにやったことは、「道徳」の授業だった。
授業中に、生徒全員を伏せさせて、この中にいじめをしていると自覚のあるものに対して挙手を求めた。
私は机に伏していたため、見えなかったが何人かが挙手をしたそうだ。
その次に、「いじめについてのアンケート」だった。
新任教師なのに、なかなか行動が早いものだ。

しかし、それを行うことによっていじめは激化した。
お前がチクったんだろう、と言われてしまい…
酷かったのは、理科の薬品実験の時だ。
試験管の中に塩酸が入っており、それにアルミホイルを入れて溶かす実験だった。
実験中、塩酸をこいつらにかけて溶かしてしまえたらどれだけ楽になるんだろうと考えていた。
相手はどう感じていたのかは知らない。
だが、いきなり顔が冷たくなった。
理由は明白であり、私の顔に試験管の中の塩酸がぶちまけられていたのだ。
塩酸は、思ったよりもぬるくて、拭き取ろうと手をほおにあてたらヌルヌルした。
試験管の中身をぶちまけた主犯Oは笑っていた。
その取り巻き共も笑っていた。
呆然とする私を見て笑っていた。

「お前みたいな汚物は消毒しないとな」

「お前みたいなやつは、このまま溶けて消えちまえばいいんだ!」

と笑われた。
ああ、溶けて消えて死ねればどれだけ楽かな…とぼんやり思った。
それと同時に、なぜ私がこんな目に遭わなければならないんだろう、と思った。

私が何かした?
私はあなた達に危害を加えた?
あなた達を傷つけることをした?
何もしてない。
何もしてないのに。
なぜ私はこんな目に、なぜ私だけがこんな目に、遭わなきゃならないの?

パリンと試験管が床に落ちて割れた。
先生は、叫び声を上げて私に駆け寄った。
もうどうでも良くなった。

死にたいな〜って思った。
自宅のベランダから地面を見ていた。
飛び降りたら死ねるかな。
死んだらいじめはなくなるかな。
あいつらは後悔するかな。

そう思った。
ぼーっと地面を見ていたら妹に声をかけられて我にかえった。
泣いた。なぜこんなに苦しいのか。
なぜ私だけがこんなにも辛くならねばならないのか。なぜなのか。

わからなくなった。

親への報告。

いじめの事実を、私は親に報告した。
担任に相談したこと、激化したこと、塩酸をかけられたこと、もう学校に行きたくないこと、すべてを伝えた。
涙は出なかったが、思考が支配されていた。

親は、「校長先生に言おうか」と提案してくれたがそれを全力で拒んだのだ。
そんなことしたらいじめが激化する!やめてくれ!と。
親はいう。
「あなたをいじめた奴らなんだよ、仕返ししたくないのか!」と。
しかし私の頭はおかしくなっていた。
「いじめたO君だって、いいところはあるんだよ」と。
なぜいじめるやつをいじめられっ子が庇うのか?
今思えばそう思うことで逃げていたのかもしれない。
結局親は私に携帯電話を持たせた。
携帯電話の動画機能をオンにして、そいつらが絡んできたときの音声を録音しろと言った。
私はそれを行った。
そのデータを元に、母親は担任へ伝えるも動いてくれなかった。では校長先生は…?

「本校にいじめは存在しません」

激怒した両親は、教育委員会に乗り込んだ。
かくして、私へのいじめは収束したのだった。

いじめから八年。
私は同窓会にいた。
当時の担任が、妊娠して結婚する知らせを受けたのだ。
当時の同級生達と(つまりはいじめ主犯格らと)飲み会を開くことになり参加となった。
八年も経てば、私だって変わるわけであり。
とりあえずフォーマルな服装で参加した。

予約された店に入った瞬間、同級生らは目を丸くした。

「え、司ちゃん?」

一瞬誰だかわからなかったようだ。
それはそうだ。
変わるために努力をしたから、そうやって変な顔をしてくれなきゃ困る。

「一瞬誰だかわからなかったよ〜」
「めっちゃ美人になったね!」
「もしかして整形したの?!」

と、一部失礼なことを言われつつ宴席は始まった。
お酒も入ってなかなか皆様よってきたところで、主犯格のOがそばへ来た。
こいつは八年経ってもなんにも変わってなかった。

「久しぶりだな、すっかり美人になってさ!」

ジョッキ片手に言われても何も嬉しくないが、適当に流しておいた。
そのうちに、過去のいじめの話が蒸し返された。
正直二度と思い出したくもない事だったが、あろうことが蒸し返したのは主犯格のOだった。

「いやぁ、あんときは本当にごめんな?」

「俺らにも色々あったのよ」

「司を苦しめたくてやってたんじゃなかったのよ」

あいつらは、口々に代わる代わるに言い訳を並べ立てて自分を正当化し始めた。
いじめたのは仕方のないことだった。
皆若かったからいじめってわからなかった。
嫌いなわけじゃなかったんだ。

と。
ちゃんちゃらおかしい話であるが。奴らはつまり水に流してくれと言いたかったらしい。

Oは語る。
ジョッキを煽りながら語る。

「ほら、司だってここに来てくれたのは俺達を許しに来てくれたってことだろ?優しいよな!ありがとう、これからもよろしくな!」

その後も何か言っていたが、覚えていられなかった。

その前に瓶ビールでOの頭を殴ったからだ。

もちろん軽く殴っただけだが、場の空気が凍りついた。
当たり前か。


「私がここに来たのは」

床に座り込んで呆然とする主犯格O。

「担任に会いに来ただけ」

ざわつく店内。

「先生におめでとう、って言いに来ただけ」

ころがる空き瓶。

「あなた達には会いたくなかった」

私の中で何かが切れた。



「顔すら見たくなかった!!それなのに何?久しぶりにあったら謝罪もないの?それどころか全部水に流して大団円ってわけ?」

テーブルを両手で叩き付ける。
担任は呆然としていた。
そりゃそーか。

「許してほしい?許してあげるよ、謝るなら。土下座するなら!土下座してみろよ!無様にごめんなさいって言ってみろ!」

お客様!とスタッフの声が聞こえる。
クラスメイトの誰かが「すぐ済みますから!」と言っていた。

「お前らが何をしたのか忘れたのか?!人の顔やこころに傷をつけておいて、全て忘れたのか?!」

「つ、つかさ、おちついて…!」

「黙れ!!」

その後、Oは土下座こそしなかったが泣いていた。

「ごめんなさい」とちゃんと言っていた。録音してやりたかったが、スマホにこいつの声を残すのは嫌だったから辞めた。
他の奴らも次々と「ごめんなさい」を告げた。
許す気なぞもうとう無いけどね。

ちなみにこの同窓会の幹事はOだった。
御苦労なことで。
私はと言うと、一次会が終わる前に帰ることにした。
迷惑賃も含めて飲み会の二倍の金をOのまえに置いて、二次会にでも使えば?と皮肉を言ってやった。

先生は、心配そうに私を見ていたが何も言わなかった。
いや、そこは何か言えよ…って思ったけど別にいいやって思った。
もうどうでもよかったし。
その程度のやつだったのか、とかえって幻滅してた。
帰り道はスッキリした。
酔ってこそ無かったが、夜空がとても綺麗に見えた。

あれからも彼らは所謂「地元メンツ」としてちょこちょこ飲み会を開いているそうだが、知ったことか。

これが司の一度目のいじめである。
文章力がない?
そりゃあ私は文を書くなりわいをしていないから、乱筆なのは当たり前だ。

こうやって長々といじめについて読まされた感想はどうであろうか。
たぶん、つかさは何を言いたいの?であろう。
では逆に聞く。
何を言いたかったと思う?

答えは伏せておく。
読んで感じたままでいて貰えればいい。

いじめは姿形を変えて存在するトラップみたいな、落とし穴みたいなものだ。
そしていじめは、虐める側が「優越感」に浸りたいから起こるものだ。
もちろん他にも要因はあると思うが、大元はそうじゃないかと私は思うのだ。
いちゃもんでもなんでもいいから、相手を蔑み下に見て、戸惑い苦しむさまを見て愉しみ、優越感を得る。
全くもってクソみたいな行為である。

更にクソなところを挙げるとすると、虐める側は「覚えていない」「大して自責を感じない」「若ければ許されると思っている」ところだ。

これって、いじめられる側がどれだけ屈辱に思うだろうか?知る由もないのだろう。
虐める側は死体蹴りと同じで、動かなくなるまで壊すのがお楽しみなんだから。
それで不登校になったらもっと楽しむんだよ、罪の意識は彼らにはないからね。
自殺でもすれば、少しからかわれたくらいで…と言うのだろう。

ああ、当たり前だけど傍観者もいじめに加担している事になるよ。
言ったらいじめられるのは私になる…じゃねぇよ。
直接言うんじゃなくて別の手を考えて被害者を助けろよ。
虐める側が偉いんじゃない、虐める側はクソなんだよ。
非人道的な事をする奴らは、偉くなんかない!あ、いじめが起きてるなと感じたら近くの大人に伝えるんだ。
本人に手を差し伸べるのは怖いだろうから、周りから訴えて行くんだよ。

いじめは無くせるのか?と様々な議論がされているが、現時点では無くなることがないだろう。

いじめられて苦しいと感じているとき、けして自分を責めるのは良くない。
責めなくていい。
悪いのは相手だから。
いじめられている自分は「被害者」であるのだから。
だからといって、いじめられたのでやり返します☆も良くない。
気持ちはめっちゃわかるんだけど、それだけはしちゃだめ。
クソな行為をしているクソみたいな奴らと自分を同等の立場にすることになる。

つまり自分がクソ以下になってしまうのだ!

だから、絶対に報復はしちゃだめ。

そのかわり、外部の手を借りよう。
まずは先生、その次は校長、話しづらければコールセンターの手を借りてもいい。
なんなら司にDMをくれてもいい、聞いてもらうだけでだいぶ楽なはずだから。
訪問の心理カウンセラーがいるなら、彼らに話してみてもいい。
とにかく、「話を聞いてくれる人」を味方につけるのが大切だ。
孤立していくにつれ、心はどんどん壊れてしまうから。
両親に話せるなら、両親に打ち明けてみよう。
保護者ほど強い味方はいないのだから。

苦しければ転校でもいい。
なぜ苦しい側が逃げなければならないのか!と思うかもしれないが、身を守るためならそれくらいしたっていい。
悔しいかもしれないが、そうするしかないときだってある。

負けないでほしい。
いじめは、学生時代は「いじめ」になり、社会人になると「パワハラ」「モラハラ」など姿を変えてつきまとってくる。

いじめは立派な「人権侵害」である。

だが負けないでほしい。
しんどくなると思うし、嫌になってしまうことだってあるけど、自分が正しいことをして曲がったことをしてなければ絶対味方は居るはずだから。

ここまで読んでくれてありがとう。
他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
拡散してね!とは言わないし、それほどの腕もまだないが、少しでも思うことがあれば行動に移して欲しい。
傍観者だけにはならないで。