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さぼった自分にインタビュー

はじめまして。ただの大学生です。

ちょっと恥ずかしいので、インタビュー形式でゆるく記録したいと思います。

お話を聴くのは、「授業をさぼって実家に帰ってしまった私」、略してさぼ氏です。

私:今回、ご実家に帰った理由をお伺いしても?

さぼ氏:熱がでたんですよお

私:げげ。コロナウィルスですかね?

さぼ氏:どうやら違ったみたいです。関節痛があって37度7分まで上昇したんで、私もコロナかインフルかなと覚悟したんですけどー。のども痛くないし。

私:まあお元気で何よりですよ。でも、いまいち、休暇外の帰省につながらないんですけど……

さぼ氏:いやー、これストレス性の熱かなーっておもったら怖くなっちゃって。

私:怖い?

さぼ氏:ええ。というのもね、ここ最近、別に何も強制されてないのにやたら将来に焦りを感じたり、一人で淡々と授業とか日常を過ごすことに突然面倒くささを感じたりと、はっきりきっかけはわからないですけどね、とにかく精神的にいつの間にか追い詰められてたみたいで。

私:追い詰められて……って、別にリストラに遭ったわけでもないし、詐欺に遭ったわけでもないし、失恋したわけでもないでしょう……。

さぼ氏:人間そこまで酷い目に遭わないと辛いって言っちゃいけないですか(むっ)

私:あ、ごめんなさい、はいはい怒らないで。熱がストレス性だとして、その前に兆候はなにかあったんですか?

さぼ氏:そーですね……

  • 曇ってるのに「眩しい!」と顔をしかめた

  • 冷蔵庫の音すらうるさく感じる

  • 暑くて寝れない

  • 周りの人に見られてる気がする

  • カウンセリングすると「体は元気だから気の持ちようでなんとかしなさいよねーもっと危うい状態の患者さんとお話ししなくちゃいけないのに」と思われてないかと緊張してしまう

  • お風呂が面倒くさい

  • 服選ぶのも面倒くさい

  • 忘れ物する

こんな感じですかね。

私:深刻なようなそうでもないような。まあ、辛いっていう感覚は本人にしかわかんないですよねー。それで、地元に帰ってまで休むのには意味あるんですか?

さぼ氏:すごく迷いました。お金も時間もかかるし、授業さぼることになっちゃうし。でも親が帰ってきたら? と言ってくれたのと、それでも「いや、もう少し頑張る」って返事したその晩に熱出たのとで、ひょっとして想像以上に神経衰弱なのではないかと思いまして……まだ甘えられるうちに甘えてしまおうかなと思ったのです。

私:ふんふん。熱が出たのは偶然ではない、と思うエビデンスが、個人的に十分すぎるくらいあったわけですね。

さぼ氏:エビ?

私:あ、大丈夫です。帰ってみてどうですか?

さぼ氏:親はふつうに出勤しなきゃだし、結局一人きりの時間多いんですけど、なんだかほっとしてしまって、泣いてしまいました。

私:あらら。泣き上戸なんですか?

さぼ氏:もしかしたらそうなのかも、って最近思ってます。これまでは、怒りでストレスを発散していたけど、今までイラついて人につらく当たっていた時も、本当は泣きたかったんじゃないかな。そんな風に思います。泣いちゃうとかわいそうな感じになるし、どんどん悲壮感が増して、自分は弱い人なんだって自他ともに認めるようになって、這いだせなくなりそうだから、一生懸命怒っていたような。でも、人につらく当たったり、モノに当たったりしてもむなしいし後悔ばっかり増えるんですよね……っていうのが高校生あたりからわかってきて、泣くようになった気がします。

私:高校生から(笑)。

さぼ氏:言いたいこと当てましょうか? ずいぶん幼稚な期間が長いと言いたいんでしょう!

私:ま、まあ成長速度は人それぞれ……っすよね……。

さぼ氏:うーん、成長っていうか、やり方が変わっただけと言う気がします。

私:ほほお?

さぼ氏:唐突ですけど、私、小学生の頃母親と、交換日記付けてたんですよ。それを読み返したら、あんまり私の中身って変わってないみたいなんですよね。いつもいつも頑張って働いてる両親が心配で、自分にできることは自分なりに精一杯やろうって思っていて、でもやっぱり兄とか同級生と比べて落ち込んじゃう、なんでこんなに根暗っぽいんだろーとか。悩みは変わってない。ただ、ストレスが我慢レベルを超えたとき、攻撃をしなくなっただけかなと。私、小さいときから大人っぽいんです!

私:ああ、はいはい。そうですね。

さぼ氏:……。とにかく、私は一生この家の子供だなーっと思ったらほっとしました。何も焦ったり変えたりすべき点が無いなと思ったんです。

私:なにも? 自分は完璧ってことですか? ナルシストになりに帰ったんでしょうか。ていうか結局子供じゃないですか。

さぼ氏:違いますよお。自分のことはむしろ嫌いです。でも、焦って欠点をすべて消してしまったら、それはもう私じゃない誰かさんだと思ったんです。欠点と思ってるものは、私が唯一無二の存在でいるための要素だと思ったんですよ。要領悪いし、すぐ羨ましがるし、めんどくさがりだし、難しい話苦手だし。でも人のこと考える気持ちもあるし、結局のところなんとかやってきた。これからもなんとかなればいいのじゃないかな。
さぼっちゃった授業は戻ってこないし、真面目に強い精神で頑張ってる、奨学金受け取って勉強してる子とかと比べると屑かも―って思うけど、これからやればいいかなと。

私:話長くなってきたんでまとめてもらっていいですか。

さぼ氏:疲れたら、行きたい場所や会いたい人に早めに会いに行くことにしようと思います。急な階段を見て「ここで転んだら頭がぐしゃってなるなあ……」とかぼんやり考えてましたが、それが駅のホームとかになるとほんとにまずかったなと思ってます。周りに子供だとか甘えん坊だとか社会人としてどうなのとか言われても、普段真面目にやっててそういわれるならもうしらねーって思っていいんじゃないでしょうか。体が傷ついたり薬が無いと寝られなくなったりする前に軽く軽蔑されるので済んだなら、甘えん坊万歳ですよ。……父親、薬たくさん飲んでて心配……。

私:ああ、また話が伸びそう。以上、インタビューでした。

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