見出し画像

全国の「患者」数は12日連続で減少。

「患者」数はこの1週間の平均で、毎日1510人ずつ減っています。
「患者」の実効再生産数は0.87。7日連続で1.00を下回りました。

新型コロナウイルス感染症ウォッチング437日目。
厚生労働省が公表した5月29日午前0時時点の数値をもとに見ていきます。

陽性者の数から退院した人と死亡した人を除いて求められる
29日時点の「患者」数は、前日から3157人減って5万8284人。
5月17日に過去最大の7万6490人になってから減少に転じ、
「患者」数はこの12日間で約1万8千人少なくなり、6万人を下回りました。

1週間あたりのPCR検査陽性者数の合計は
2度目の緊急事態宣言が解除されたあと、3月最終週に1万人を超え、
4/14〜4/20 2万8515人(前週比約7300人増)
4/21〜4/27 3万3723人(同約5200人増)
4/28〜5/4 3万6586人(同約2900人増)
5/5〜5/11 3万8191人(同約1600人増)
5/12〜5/18 4万2008人(同約3800人増)
と増え続けてきましたが、
5/19〜5/25は3万4087人と前週から約7900人の減少となり、
感染拡大はひとまず峠を越えました。

大型連休による感染拡大が落ち着き、
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の効果がはっきりと表れています。
大型連休による感染拡大は、人の流れが増えて密な状態が
生じたことだけでなく、巣ごもり生活による家族など
近しい人たちの間での感染が影響していると思います。
緊急事態宣言解除後の対策を考える際、この影響に関する早急な検証が必要です。

私が試算しているこの1週間の「患者」の実効再生産数は0.87。
4月8日、9日に1.39まで上昇したあと50日近くかかって低下し、
5月23日に0.98と1.00を下回ってから今日で7日連続で1.00を下回っています。

問題はこの傾向がどこまで続くかということ。
緊急事態宣言が6月20日まで延長されたことを踏まえると、
急激な上昇は起こらないでしょうが、変異株の感染が広がっている状況から
実効再生産数がこれ以上大きく低下することを期待することは難しく、
当面は0.85から0.90あたりを推移するのではないかと思います。
いずれにしても、医療提供体制の対応力が回復・向上するまで
実効再生産数が1を下回り続けることを願っています。

一方、退院または療養解除までの日数は、
5月6日あたりから、感染拡大の第2波以降で最長に近いレベルの
平均13日となっていて、5月19日頃から12日に短縮していましたが、
再び13日に延びており、「患者」数が減少傾向にある一方で、
重症患者の入院期間が延びていることが影響していると思われ、
医療現場の状況は一進一退のようです。

感染拡大期間別に見た致死率は第3波と第4波を合わせて1.73%で、
全期間の累計致死率1.74%と大きな差はなく、変異株の影響は、
感染力の高さほど致死率に影響を及ぼしていません。
これは、医療現場の努力によってその影響が最小限にとどめられている
ものと思われます。
引き続き、医療提供体制の今後の動きにも注目していきたいと思います。

マスクと手洗い・うがいが、
最も効果的な感染予防策であることに変わりはありません。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の効果がはっきり表れてきている現在。
日常生活を通常に戻して経済活動を全面的に再開できるようにするために、
第3波、第4波を超える感染拡大にも十分に対応できる医療提供体制を
早急に整備することが、政府、国会、日本医師会などに求められています。

#新型コロナウイルス感染症を乗り越えよう



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?