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気管支鏡 2. [実践編] 気道狭窄・気道閉塞に対する治療 #硬性鏡 #出血 #レーザー #PDT #ステント#異物(全47問)

はじめに

待機的な診断目的の気管支鏡をマスターしたら、次は(準)緊急事態に対応する気管支鏡を学びましょう。そう、「気道が狭くて息ができない」です。
救急心肺蘇生でCABとして、1位を明け渡した気道確保(AIRWAY)ですが、依然重要であることに変わりはありません。

[硬性鏡]
限られた施設にしかなく、(施設の好みで頻用している所もありますが)硬性鏡でなければならない機会は少ないですが、これを機に知識だけは頭に入れておいて。実際にスコピストとして臨床で使用する際は、有用な動画リンクを添付してありますので、これで直前に予習していくと、かなりイメージができると思います。

[気道出血・喀血→止血・焼灼]
喀血の根治治療を気管支鏡での止血で行う機会はほぼないですが、生検や腫瘍切除時のoozingをどのようにコントロールするか、を知っておくことは重要です。

[気道狭窄:レーザー治療・PDT・エタノール・RT/ステント]
狭くて通れなくなった(とおりづらい)道を抜けるには
・壁の盛り上がった部分を壊して(削りとり)道を広げる方法
・壁を押し広げて道を広げる方法
があり、良悪いずれにせよ、患者さんのQOLに大きく寄与できる可能性があります。限られた施設にしかないデバイスもありますが、自施設のみに限定されない治療選択肢があなたの頭にあれば、適切な病院への紹介で、患者さんに提供できる医療の可能性が広がります。

[異物]
正直、ご老人の硬性鏡異物摘出などはありますが、小児の異物経験ありません。
試験勉強として最低限のまとめになっています。

*穴埋め問題形式のチェックリストです。詳細な解説はありません。
成書でご確認ください。
初めの1冊として、気管支鏡テキスト 第3版(医学書院)がオススメです。

日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医試験ガイドラインでは、下記の範囲に含まれます。

Ⅰ.気管支鏡と取り扱い
2 . 硬性気管支鏡に関する知識と取り扱い

Ⅱ.準備と基本手技
11 . 全身麻酔下気管支鏡
12 . 小児の気管支鏡
13 . 硬性気管支鏡(基本手技)
      A.機器 B.硬性気管支鏡の基本手技 C.合併症

Ⅵ.治療手技

  1. 気管支鏡治療の総説

  2. 喀血・気道分泌物の処置

  3. 薬物注入(エタノール)

  4. 高周波治療,アルゴンプラズマ凝固法

  5. マイクロ波凝固療法

  6. 冷凍凝固(クライオ)療法

  7. レーザー治療
    A.高出力レーザー焼灼・昇華法 B.光線力学的治療法

  8. 放射線治療
    A.密封小線源治療 B.気管支内視鏡的放射線治療用マーカー留置術

  9. 気道ステント留置術

  10. (次章で扱います)

  11. 異物除去術


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[硬性鏡]

Q1. 硬性気管支鏡での全身麻酔における麻酔法

 ・①が多い。
 ・(麻酔医によっては)②を用いて、自発呼吸を残しながらの麻酔導入を行うこともある。

A.
①TIVA(total intravenous anesthesiaでも自発残しながら全身麻酔は可能)
②吸入麻酔
*吸入麻酔だと、漏れる→麻酔深度が不安定、医療スタッフが吸入するリスクある、ジェット換気ができない

Q2. 硬性気管支鏡における麻酔の薬剤

TIVAで使用する薬剤は①と②。
・吸入麻酔では導入には③を使用し、手技を開始する前に④に変更、
 気道の安全が確保されたら、TIVAに変更する場合もある。

A.
①プロポフォール(ディプリバン®)
②レミフェンタニル(アルチバ®)(フェンタニルより短時間作用で術後の呼吸抑制少ない)
③セボフルラン(気道刺激性少ない)
④イソフルラン(セボよりも血液溶解性が高く、一時的に中断しても麻酔深度の変動を抑えられる)

Q3. 硬性鏡のパーツ

先端から
【①】
⇐【②】...(③(赤ゴムキャップ)と④と処置用チャネルx2(青ゴムキャップ)の3つの開口部あり)
⇐【⑤】+カメラヘッド+ライトガイド

A.
①外筒
②ベース(③メインポート  ④換気ポート)
⑤テレスコープ

*硬性鏡

*デューモンブロンコスコープ 

*MEDISURGE 硬性気管支鏡用鋼製器具

Q4. 自発下の硬性鏡手順

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