「最高の集い方」(プリヤ・パーカー著)レビュー

コロナウイルスの影響で外出もままなりませんが、ピンチはチャンスということで、普段中々時間を割けないことにじっくり取り組もうと思います。
読みたかった本や資料など片っ端から読もうかなと。

こちら、友人が勧めていて手に取った本。
現在、2つほどコミュニティを立ち上げ集まりを企画していますが、何度やっても集まりをデザインするというのは難しいなと感じています。
以前試して上手くいった方法が、別の集まりでは思っ切りすべったり、逆効果になったりとか。

私なりにこの本の主張を解釈すると、「この集まりは他のどの集まりとも違う」ということを参加者に印象づけることでその集まりが独自の意味を帯び特別な素晴らしいことが起こり得る、ということかと思います。
そのためにはどういった視点・工夫が必要かといった内容が、様々な事例を引きながら紹介されています。

もちろん、やり方に正解はなく、全ての集まりに対して深く考えて準備することが必要なのは言うまでもないですが、今後自分が集まりを企画する上でとても示唆に富む本でした。「自然体」と称してゲストに丸投げするのはもうやめよう。

〜〜(以下、心に残った文章など)〜〜
●人が集まるイベントを企画する際、「人とどう向き合うか」という大きな問題が、「モノをどうするか」という小さな問題ースライド、招待状、音響措置、料理や飲み物ーにすり替わってしまう。人がどう関わり合うかが、全ての集まりの中心にある。
●集まりを企画する人が、深く考えて準備し、(目に見えない)仕掛けを組み入れ、好奇心を持って、広い心で、熱心に挑戦するとき、その会は盛り上がり、参加者を満足させるのです。
●集まりの最初の一歩は、「はっきりとした、ゆるぎない目的を掲げること」。
●全ての人を喜ばせるような集まりで、魂が揺さぶられることはない。何かを切り捨てられる勇気が感じられる集まりは、参加者の魂を揺さぶるイベントになる可能性が高い。何かを切り捨てられることは、誰かに疎外感を与えることではない。
●様々な人と活発な会話を交わせるような会にしたければ、8人から12人がちょうどいい。
●その会で何らかの決定を下さなくてはならない場合は、船頭は少ない方がいいだろう。最高裁のような決定機関が奇数人で構成されるのは、必ずどちらかに決定を下すためだ。
●目的のある集まりを開きたければ「門戸を閉ざす」必要がある。参加者を厳選する以外に、物理的なドアを閉めることも同様に重要だ。それは「エネルギーが外に漏れ出さないため」だ。レストラン等で仕切りがなくても、テーブルの端に二人座ることで囲いを作るというやり方もある。
●「自然体」は、集まりの主催者として最悪だ。正しく力を使うことは、主催者の責任である。仕切りのないところには、仕切りたがる人が入り込む余地が生じる。
●「寛容でありながらも毅然とした仕切り」があると、参加者にとって意義のある集まりになる。具体的には、主催者が強い自信を持ち、ゲストを第一に考えるということだ。ただし、独裁者になってはいけない。そのためには、①ゲストを守る、②一時的にゲストの序列をなくす、③ゲスト同士をつなぐ、こと。
●主催者は全てのゲストに同じルールを課すことで、ゲストを平等な立場に置かせることができる。
●ある研究によると、観客は講演の最初の5%と最後5%とヤマ場だけしか覚えていないらしい。オープニングとエンデイングには特に気を配る。
●クロージングはゲストにインパクトを与え、集まりを記憶に残す瞬間だ。事務連絡で終わってはいけない。感謝の言葉はクロージングの直前にやればいい。本音でなければいけないし、集まりの文脈において意味のあるものでなければならない。

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