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サム・アルトマンとイリア・サツケバー

AfterSalon 2023.12.3〜【YouTubeLive開催】シンギュラリティサロン#77「『帰ってきたアルトマン』〜サム・アルトマン解任劇と今後のLLM/AGI開発」

 松田先生の「AI進化批判の立場はキリスト教的神概念が背景にあり、AI進化受容は東洋的世界観では成立する」と仰るような見識に対して、間違いだと申し上げてはいないつもりです。申し訳ありません。

 また、Lex Fridmanのポッド・キャストでの話の中で、1時間8分くらいのところで、サム・アルトマンが「ブラフマン」とし、文字起こしをしたら、そうなっていました。
so i think there's many other tasks tsets like that we could look ai too um you know my personal beriefs consciousness is if samething very strange is going on say that ‥‥‥. I'm certainly willing to bilieve that consciousness is somehow the fundamental substracte and we're all just in the dream or the simulation or whatever I think it's interesting how much sort of these Silicon Valley religion of the simulation has gotten close to like Brahman and how litlle space there is between them um but from these very diferent directions so like maybe that's what's going on but if it is like physical reality as we understand it and all of the rules of the game and what we thik they are then there's something I still think it's something very strange .
(イリア・サツケバーから聞いた話の流れで、意識を問題にしていました。そのイリアは、ドキュメンタリーに出演して「それらのシステムは社会に完全に天文学的な影響を与える可能性が高いと思います。 だから、それらを正しくプログラムすることが重要です。 これが行われなければ、自然選択の進化の性質が、それらのシステムが自己の生存を何よりも優先するようになるでしょう。 デフォルトでは完全に自律的で自己のために動作するAGIと人間との関係が、人間が動物を扱う方法に似たものになるだろうと思っています。」と言っています。The Guardian on YouTube: Ilya: the AI scientist shaping the world )

 ところでブラフマン‐アートマン・モデルは、ウパニッシャッドの凡我一如の思考法を指しているつもりでした。アートマン個的自我が身体を失っても、宇宙の普遍的根源ブラフマン凡との関係で、一つに戻るという思考モデルです。この思考モデルはプロティノスのように新プラトン派にも影響を与えているとされ、そこからキリスト教世界観でも「神から出て神に戻る」といった世界観が構築されています。
 こうした思考モデル、世界観を考察したのが神学であり、思弁の「根っこ」は、世界人類共通であろうと思っています。「ノエシス・ノエセオス思惟の思惟」を考察したアリストテレスの『霊魂論』を解釈して、アラビアのアヴェロエスは「知性単一説」を表現しました。能動的な知性の根源は普遍的な単一のもので、そこから照らされ各人の知性は受動的に作用し個々は普遍に吸収されるというものです。結局、これがトマスにとって「個の救済」と相容れないため論駁の相手になりました。しかし、現代でもE.シュレーディンガーはこの「単一知性説」を採り上げ、人類の知性・精神観として賛同しています。進歩的歴史宇宙観・精神観を肯定すると、この立場になると思います。自然科学science=scientia知識はやはり普遍的ベクトルをもつわけですから。スーザン・ブラックモア等も、個=私というものは幻影にすぎないとさえ言っています『ミーム・マシンとしての私』。これをトマスの様に、救済する、確固たる個人の尊厳を永遠の内に保存したいという立場が、どうしても保守的になるのだと思います。

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