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宝石研磨体験を実際体験してみて思ったこと

ごきげんよう、トーマス🐺です。
さて、今回は3月18日(金)~20日(日)にミネラルザワールドin横浜で行われていた宝石研磨体験の話をしようと思います。
宝石研磨って難しそう、という先入観がある方が多いと思うのですが、そういったものを払拭したかったので、過程の最中に思った事を入れながら体験談を話したいとなるとnoteが一番だったのでこちらにまとめさせていただきました。

◆ 事前に準備しておいたほうがいいこと

研磨体験の事前申し込みが必要な場合以外にしておくことは特になし。不安であれば、爪は切っても良いかもしれない。ドップ棒という道具を使うのですが、持つ場所によっては研磨板に引っかかる可能性があるので、女性の方は長めのジェルネイルをしているのであればオフした方が良いかもしれません。あとは作業中に前に屈むので前髪が落ちてきて視界を邪魔するのであれば上げたほうが良いなと思いました。

◆ 持ち物で持って行った方がいいもの

10倍ルーペがあると良い、出来れば首から掛けれるタイプがあると◎。興味がある人なら1つは持ってる方が多いと思いますが、持ってなければ自分の手に合ったサイズの10倍ルーペを持っていくと良いです。

愛用しているVixenのルーペ2種とGEMTRUEのトリプレット10倍ルーペ

◆ 今回受けた宝石研磨体験のコースについて

今回受けた宝石研磨はバフトップ体験というもので、下の図のように左側の図のようになってる石を、右側の図のように研磨するもの。てっきりクラウン側がまだ原石のボコボコのままになってるかと思ったら、既にそのままでも綺麗なルースになっていたので「ぷ……プロが綺麗に研磨したものを素人が加工していいんですかァ?!」って言いそうになりました。(実際もったいない的な事は言ってしまった)
年齢制限はされてませんが、小中学生の方は保護者同伴の方が良いかもしれません。(結構研磨機の勢いがあるので)

簡単な宝石の部位の場所についての名前も記載しました、今後も話をする際に使います
これが当日研磨したアンダリュサイト、多色性が美しい石です
ちなみにアンダリュサイトを選んだ理由はバフトップの
アンダリュサイトをあまり見た事が無かったのでチョイスしました

◆ 当日の宝石研磨体験の様子について

当日宝石研磨体験を行っていたのは貴石彫刻オオヨリ様、受付はTwitterのDMにての事前受付をされていました。『伝統工芸士』という国家資格を持っている大寄智彦氏から直接研磨体験の手ほどきを受けることが出来ました。個人的にはこの機会だけでも十分貴重に感じました。
予約時間丁度くらいに体験スペースに到着、スペース上には研磨に使う道具が色々置かれていました。

体験スペース卓上の様子、映っていませんが右側に研磨機もありました

上の写真の中央にある白いトレーの中に印鑑みたいなものが1本ずつ入っていますが、こちらが石を付けて削るためのドップ棒。今回は既に石はカットが終わっているものを使ってガードルから上部分、クラウン側をつるりとしたバフトップにするためにこのドップ棒に、キムワイプの下にある茶色い2本の棒状になっているワックスを使ってくっつけます。ワックスは左側に映っている銅板の乗っているホットプレートで溶かして石と棒をくっつけます。その際に、研磨するホットプレートも石の上に乗せますが、これは石と棒をくっつきやすくするため必要な作業となります。
くっつけたら早速研磨作業となります。

石は銅板に直ではなく、そっとキムワイプを添えてから温めます
ドップ棒にくっつけて早速研磨、研磨板は1500番のものです(目が細かいもの)

研磨板の回る速さ自体はそこまで早くないのと、研磨板は樹脂にダイヤモンドの粒が付いているタイプのものでだったので、うっかり指が振れても怪我をすることはないですが、まわってる板のフチは危ないと思うので、気は抜けません。水を垂らしながら研磨しているので、どれくらい研磨が進んだかチェックするときはキムワイプで拭ってからルーペを使ってチェック。この作業を数回繰り返します。
大寄氏にチェックを入れていただき、ブルーのマッキーで角が残ってる部位を塗ってくれるので、その部位を意識しながら研磨を進めていきます。回っている研磨板には程々に力を入れて押し付けるのと、『の』の字を書くように回すので、手首が結構疲れます。

石の角が綺麗に取れたら、研磨機にセットされている1500番の板を外して、仕上げ用のバフをセットして、バフ部分に研磨剤を塗ります。塗った後は角の取れた石の表面をバフに当て、磨きます。

仕上げ剤が落ちるので研磨の時とは違い、水は止まってます

仕上げの時も研磨の時と同じで研磨剤の塗ってある部分に石の面を当てて磨いていきます。ルーペで確認して、あらかた表面が綺麗になったら完成です。バフ部分は研磨用の板とは違い、フエルト状になっており、あまりドップ棒をまわさなくても全面に当たって磨ける感じがしました。
仕上げが終わったら、ドップ棒から石を外す作業ですが、こちらも付けた時と同じ様にホットプレートの上で温めてから外します。ほんのり温まったらワックスから石を外せます。
パキっと綺麗に外したら、キムワイプにアルコールをしみこませたものを使って軽く汚れをふき取ったら完成です。

プルプルアンダリュサイトの完成です!

◆ 研磨を終えての感想

さて、研磨完走した感想ですがただひたすら楽しかった。やっぱり楽しいんですよね研磨。磨く・見る・また磨く、自分の手の中で姿を変えていく石がまた美しい。研磨機もあこがれのイマハシの研磨機でしたし、実機が触れたのは本当嬉しかった。あとドップ棒にも驚いた。石のキューレット部分を差し込めるようになっていて、これなら確かに石が安定して付けれる工夫もされていたので「はあああなるほどなーーーー!」となってしまった。
何もかもが趣味で手磨きしてるのとは違うし、こういったものをやるならやはり良い機械や道具を使うべきだなと痛感もした体験でした。もちろん代用できるものもあるので、そういった部分は代用しても良いんだなというのも今回の体験を通じて感じました。(ワックスを溶かすのにアルコールランプではなくホットプレートを代用しているのはなるほどなと思いました)
得れた知見の多いこと!本当楽しかったです。興味がある方は是非一度受けて欲しい、石の見方が変わります。めちゃくちゃオススメです!

自宅で撮り直したアンダリュサイト、パビリオン側が綺麗に見えてとても美しい!
今度はファセットカットの研磨にも挑戦してみたい


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