見出し画像

【思い出はモノクローム】懐かしのテレビ番組 ~「ひょっこりひょうたん島」その最終回~

NHKのテレビ人形劇といえば、何をまっさきに思い浮かべるでしょうか?。

「空中都市008」?「ネコジャラ市の11人」?「新八犬伝」?「真田十勇士」?「笛吹童子」?「紅孔雀」?「プリンプリン物語」?「三国志」?「ひげよさらば」?「平家物語」?「新・三銃士」?「シャーロックホームズ」?

それとも『ひょっこりひょうたん島』でしょうか。

テレビ番組の歴史を語る資料の中で、『ひょっこりひょうたん島』は、必ずといっていいほど取り上げられるテレビ人形劇です。

ひょっこりひょうたん島』は昭和39年4月6日~昭和44年4月4日の期間に渡り放送されました。

ひょっこりひょうたん島』は、井上ひさし氏と山元護久氏の二人が原作・脚本を書いています。

井上ひさし氏と山元護久氏は、どちらかひとりが降ろされないようにと、示し合わせてどちらが書いたのかが、わからないように筆跡を似せて書いたそうです。
そのため、『ふたりの字はよく似ていて、どちらが書いたかわからなかった』という証言があるくらいです。

ひょっこりひょうたん島』は、放送中はNHK内部やPTAから、様々な批判がでていたそうですが、当時の子供たちからは絶大な人気を得ていました。

しかし、その最終回は、唐突な終わり方だったそうです。

最終回となった千二百二十四回目の台本では、ガバチョがいきなり「私がおつむをたたかれるのも、これが最後になりましたなぁ」と切り出す。エーッと驚く一同。続けて、「いつかまたどこかで、お目にかかる日を楽しみにしておりますぞ」とガバチョがあいさつする。
(略)
みんなで主題歌を歌って幕切れとなる。

「テレビ番組の40年」読売新聞芸能部 編

井上ひさし氏は、『あの終わり方はNHKへの当てつけでした』と言い、「ひょっこりひょうたん島」の「ポストリア」シリーズで特定郵便局をおちょくる表現が特定郵便局長会で問題になり、『監査官庁の郵政省にちょっと言われて、バタバタとやめたと解している。僕らは公共放送の主体性はどこにあるかと怒った』
 
そう話をしたと、「テレビ番組の40年」読売新聞芸能部 編には書かれています。
 
そしてその後に、井上ひさし氏の説を否定するNHKの方のコメントも掲載されており、『島が各地に漂着して、争いを起こすストーリーに必然性がなく、好ましくない。(略)やめた大きな理由は、言葉遣いが悪く、局内外の批判が強かったこと。人気のあるうちに終わらせて良かったと思う』と語られております。
出版元がNHK出版であるからか、バランスがとられています。

ネットには『ひょっこりひょうたん島』打ち切りの都市伝説の噂が流れていますが、真相は闇の中です。

ですが、今もなお、『ひょっこりひょうたん島』は、当時の子供たちの記憶の中の海をチャプチャプと漂流しているのかも知れませんね。

苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ
だけどボクらはくじけない
泣くのはいやだ 笑っちゃおう

ひょっこりひょうたん島主題歌 作詞:井上ひさし・山元護久

■参考・引用資料
『テレビ番組の40年』読売新聞芸能部 (編)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?